概要
pixivユーザーDell1341氏による艦隊これくしょんの二次創作作品。
必殺仕事人をモチーフとしており、夜崎御影提督とその部下の艦娘達が、金と引き換えに弱者たちの恨みを、悪党を葬って晴らしていくダークファンタジーストーリー。
勧善懲悪モノではあるが、あくまで裁く側も悪であり、決して正義の味方ではない仕事人一味の生き様を描く。
MMD版は主人公夜崎御影と、後に妻となる加賀、赤城をはじめとした裏稼業に手を染める艦娘による一話完結様式(現在は第六話まで公開中)。
小説版はMMD版から時が流れ、御影の娘の夜崎かがなや彼女の兄弟達(全員が御影の子供)、及び彼女達と志を共にする艦娘達によるストーリーとなっている。
主な登場人物
夜崎御影
劇中の主人公であり、仕事人を一手に担う元締。
MMD版では提督だが、小説版の『艦これ必殺仕事人・外伝』では七元帥の一人にして参謀。
得物は日本刀『十六夜影光』。
加賀
御影と共に仕事人稼業に邁進する艦娘。
裏世界では三味線の糸を悪人の首に巻き付け、吊り上げて窒息死させる凄腕の仕事人で、『三味線屋の加賀』の異名を取る。
多くの艦娘を娶っている御影の正妻で、後に誕生する夜崎かがな、夜崎景正、夜崎景義・夜崎かがの・夜崎かがみ・夜崎かがりの実母。
赤城
加賀と同じく、御影と共に仕事人稼業を行う艦娘で、第二夫人。
仕置きのスタイルは刺突に特化した特製の簪で標的を貫くというもの。通り名は『飾り職人の赤城』。
御影の子供の一人にして仕事人でもある夜崎秀影の実母。
飛龍
仕事人の艦娘で、第四夫人。飛龍院翔子の偽名を持つ。
各所に絡繰りを仕込んだ特製の仕込み三味線を操る殺し屋で、なかでも鋭利に研ぎ澄ませた撥による零距離からの暗殺を十八番としている。『三味線の飛龍』の異名を持つ。
御影との間に海軍軍楽隊の『勇作』、及び『優香』という子供がいること以外明かされていないが、彼の事を呼び捨てにする数少ない仕事仲間(兼、奥様)。
蒼龍
裏の世界で暗躍する仕事人の一人で、御影の第三夫人。
直接的な仕置に参加する事は無いが、諜報員として標的の情報や仕事人に耳寄りな話を仕入れてくるなど裏方に徹しており、その手腕の良さから『万屋の蒼龍』と呼ばれている。
彼女の息子である龍士郎は若くして諜報機関に身を置き、まだ弟子である青葉も情報戦に精通した特務少佐として活躍している。
大鳳
加賀、赤城、蒼龍、飛龍達と同じく裏の世界で暗躍する仕事人の一人で、第五夫人。
外伝第五話と、コラボ作品『必殺!艦これ渡し人』でライデン瓶を使い対象を電撃死させる仕事人として登場。
『必殺!艦これ渡し人』では、電磁石付きの投石機を使い、サポート役も行っていた。
御影の子供の一人にして仕事人でもある夜崎順一の実母。
翔鶴
加賀や御影たち、妹の瑞鶴と共に裏稼業に邁進する仕事人艦娘の一人で、第七夫人。
『組紐屋の翔鶴』の通り名を持つ仕事人で、外伝第五話では三角錐の分銅鋲を先端に付けた、緑色の組紐を得物とする絞殺系の仕事人として登場した。
コラボ作品『必殺!艦これ渡し人』では赤と黒の鈴付き組紐を使った。
後に仕事人の一人となる夜崎撫子の実母。
瑞鶴
姉の翔鶴と共に仕事人稼業に邁進する艦娘で、第八夫人。
手槍、場合によっては花の枝を使う刺殺系の仕事人。
御影の子にして、松平海軍大臣の御庭番衆の一員である夜崎直政の実母。
通り名は基本的に『鍛冶屋の瑞鶴』なのだが、得物が二通りあるので『花屋/鍛冶屋の瑞鶴』と表記されることもある。
山城
加賀、赤城達と同じく、夜崎御影と共に仕事人として暗躍する艦娘の一人。
仕事人としては古参にあたり、金属製の折鶴をつけた釣竿で標的を始末する事から『夜鶴の山城』の異名を取る。
ある仕事の際に失敗して姿を晦ましていたが、現在は復帰している。
ビスマルク
加賀や御影たちと共に仕事人として暗躍する艦娘の1人。
オイゲンと共にドイツ出身の艦娘で、過去に本国から国外追放処分を受けたところを御影と出会い、彼の下に就いている。
標的を素手で殺害する体術系の仕事人。仕事の際には自作の短歌を詠む癖がある。
プリンツ・オイゲン
御影たちと共に仕事人として暗躍する艦娘の一人。
同性愛を強要する提督の鎮守府を脱走したことで、海軍刑務所に服役していた過去を持つ。
ビードロを得物としており、端の球形部分を悪人の眉間に打ち付けて割り、鋭利に欠けた管の部分で突き刺す。
リットリオ
加賀や御影達と共に仕事人として暗躍する艦娘の一人。
御影と出会った経緯は不明。仕込み刃を備えた扇子で相手を切り裂いて始末する。
改造後であるため、本来は『Italia(イタリア)』の呼び名が正しいが、旧名であるリットリオを未だに使っている。
グラーフ・ツェッペリン
夜崎参謀区に属する空母娘で、第九夫人。
出自は日本でもドイツでもない、台湾の高雄市出身で、一般の同型に比べて日本文化に強い関心を抱いている。
仕事の際は黒を基調とした衣装を纏い、絡繰り仕込の南京玉すだれを駆使して標的を仕留める仕事人『かげろうのツェッペリン』として暗躍する。
御影との間に、横須賀海軍士官学校の生徒であるモニカ、エリカの姉妹がいる。
大和
加賀達と同じく仕事人として暗躍する艦娘。
凄腕の剣の使い手で、白鞘拵によく似た、切柄と呼ばれる斬首用の拵の大刀を使う。
後にかがな達に剣技を教える師範となる。
御影の子供とその仲間達
夜崎かがな
外伝作品の主人公。
御影の長女であり、17歳にして海軍大佐を務め、第四十五鎮守府を任されている。
当初は父に内緒で仕事人稼業を行っていたが、後に御影の知る所となって最終的に認められた。
父と同じく左利きの剣士で、日本刀による剣技を得意とする。剣の腕は父親よりも上。
愛刀は御影より託された十六夜影光の身代わり『十六夜義光』。
夜崎景正
御影と加賀の長男。かがなと景義、秀影、撫子などの兄にあたる。
第五十三鎮守府(通称ゴミ鎮守府)を担う提督で、かがなと同じく仕事人として暗躍する。
仕事人としては珍しく、銃を使う。コルト・ピースメーカーを使う、射撃の名手。
当初は妹の裏稼業を父に隠していたが、後に御影の知る所となる。
夜崎景義
かがな、景正の弟。海軍少佐で、最初は補佐官。後に第四十二鎮守府司令官。
家族と同じく仕事人。子世代の中で唯一人だけカトリックに帰依している。
英国紳士が持つようなステッキを常に持っているが、実は仕込み杖で、彼の得物となっている。
これまでは父親である御影に裏稼業がバレていなかったが、女神会の一件で父と対峙した際、兄弟である勇作と共にその正体を明かすことになる。
夜崎秀影
御影と赤城の息子。海軍特別警察隊に所属する熱血漢。16歳。
軍内刑事事件の摘発を専門とする捜査部門『捜査隊』に所属する捜査官。
脳筋であるが、決して頭が悪いという訳ではない。
怪力の持ち主で、重さ30kgの警杖を木の枝のように振り回して撲殺する。壁を突き破るなど、やることなすこと派手。
夜崎撫子
御影と翔鶴の娘。14歳の中学生。
黒髪と黒い瞳、水色の袴と中襦袢、そして桔梗紋入りの水色鉢巻を除けば翔鶴そのもの。
独学で伊賀流忍術を極めた努力家。忍刀『新月今門』を使い、的を仕事人として仕留める。
異母兄である景正の第53鎮守府によく出入りしている。ちなみに歴女。
夜崎順一
夜崎御影と大鳳の息子にして、16歳にして博士号を取得している天才軍医。
兄弟や親達と同じく仕事人稼業に身を置いており、「ドク」の通り名を持つ。
愛用する武器はボールペンに偽装したTTXの注射器。
那珂、川内、神通
かがなと共に仕事人として暗躍する軽巡三姉妹。
かつては呉を拠点に活躍した腕利きの仕事人だったが、紆余曲折を経てかがなの部下として着任している。
那珂は蒼龍と同じく裏方に徹し、花御殿の那珂として情報収集に専念。川内は絡繰りを仕込んだ筆を得物として使用する経師屋の川内、神通は紐のついた蛇の玩具を愛用して標的を吊るし首や刺殺に追い込むことから、手先の器用さも相俟ってからくり屋の神通といったそれぞれの通り名を有している。
川内はよくある夜戦バカとしてではなく、上司のかがなの奇行に振り回される常識人として描かれている。
不知火/松山芹菜
かがなの鎮守府に着任した駆逐艦娘。
元が人間由来であるため通常の不知火と異なるところが多く、赤い双眸と若草色のブレザー、腰に下げた2本の小太刀が特徴である。
本名は松山芹菜で、かつて夜崎かがなと死闘を繰り広げた剣豪、松山カエデの姪。剣の師であった叔母と同様に近接戦を得意とし、2本の小太刀を駆使した白兵戦を得意とする。
かがなと剣で勝負して降され、その後とある経緯から仕事人に志願した。
明智啓吾
外伝作品『艦これ必殺仕事人異聞録』に登場する憲兵少尉。
本来は生真面目な憲兵で、悪事を許さない青年であったが、ある事件で艦娘に対する暴行を立件しようとしたことが切っ掛けで命を狙われることになる。この時、憲兵組織そのものの腐敗を目の当たりにした事で仕事人に志願した。
かがなと同様に剣術を得意とし、達人クラスである彼女と互角に切り結ぶ程、腕が立つ。
現在はかがなと恋仲。
浅野なずな
第四十五鎮守府に所属する熊野(芹菜と同様に人間をベースにして生まれた艦娘)。
かつてとある事情で長年にわたってその存在を秘匿されてきたが、夜崎御影が第四十五鎮守府に連れて来た事からかがなの配下に編入される。
仕事人の事は知っているが、かがなの趣味については未だに慣れることが無い。
通常の熊野と比べて髪の色がベージュがかっているのが特徴。
立花柳
明智啓吾の直属の部下として働く憲兵伍長。17歳。
以前の配属先で提督を暴行したとある艦娘を擁護したことで他の憲兵から爪弾きにされたことで啓吾が自ら引き抜いた。九州の出身。
実は彼の姉は仕事人に殺された女神会の幹部であり、彼女の不幸な事情を目の当たりにした経緯から弟である彼も性犯罪を強く嫌悪している。
関連用語
仕事人
古来より存在する、法で裁く事の出来ない悪党を殺害する殺し屋達の総称。
普段は各々が正体を隠して生きているが、弱者の恨み銭が届けられた時には標的を一切逃さない暗殺者と化す。
作中では八咫烏こと夜崎御影を筆頭とした一派に加え、呉を拠点に活動していた那珂、川内、神通(通称『三番筋』)と彼女達と共に行動するかがなも殺し屋としての仕事に加担している。
本質的には報酬を受け取り人を殺める殺し屋に過ぎない。
外伝第一話から約六年ほど前、大規模な仕事人狩りが行われた末に、現在残っている仕事人の一味は夜崎御影の一味を残して全員が姿を消したとされている。
夜崎参謀区
元帥である夜崎御影が自ら管轄に置く海軍拠点。正式名称は『第七地方参謀本部隷下・第三参謀区』。
他の参謀基地と異なり陸地に設けられており、塀の中に煉瓦造りの施設やコンクリート製の建物、夜崎御影一家の邸宅などが設置されている。
御影の娘であるかがなの管轄する第四十五鎮守府、長男である景正の治める第五十三鎮守府もこの管轄に入っており、裏稼業に関わる艦娘が所属している。
本来の地方参謀本部は傘下の鎮守府から寄せられる作戦結果報告書や、戦果報告書を受理し、戦果として認可するものであるが、通常ならば地方参謀が担うこの責務を夜崎御影は元帥でありながら担っている。
あまり仕事をしていないようだが、御影の名目上の上司が、かつての戦友である長宗我部義親元帥のため、御咎めなしで済んでいる。
第七地方
夜崎御影達、仕事人が活動している、神奈川県横浜市の軍内での呼び方。
軍は各地方を番号で分けており、横浜市は陸軍・海軍両方ともに第七地方と呼ばれている。
当初は神奈川県横浜市であることが明確にされていなかったが、動画第参話と第四話で『夜虎破魔組』なる暴力団組織の存在が明らかとなり、第五話で第七地方に『ヨコハマ』の振り仮名が打たれており、舞台が横浜であることが確定した。
この地方の裏稼業は、夜崎御影が仕切っており、他の裏稼業からは仕事人一味のシマとして認識されている。
七元帥
この世界の日本海軍を事実上統括する七名の元帥の総称。
夜崎御影も元帥の中の一人で、末席に名を連ねている。
その権威も、御影のような無能の参謀が入ったことで、近年は形骸化していると揶揄されることもある。
列席する者の大半はかつての戦国大名と同じ苗字をしている(大名たちの子孫でもある為)。
世狩組
第七地方一体をシマとする暴力団組織。
五階建ての雑居ビルに事務所を構えており、シノギとして傭兵艦隊と海運業などを営んでいる。
事情のある艦娘達を独自に雇い入れて民間企業に斡旋する身請け業も行っている。
近年稀に見る地域密着型で、シノギのためなら何をしても構わないと傍若無人を極める近年の暴力団組織とは違い、地域住民からはそれなりに信頼されているが、他の暴力団組織からは時代遅れ・義賊気取り・弱小組織と軽く見られる傾向にある。
夜虎破魔組と、その残党である嘉那我倭会とは敵対関係。
現在は、藤谷初瀬を組長とする四代目体制を敷いており、三代目体制の頃から仕事人・黒染めこと夜崎御影と深い関係があった。
夜崎景正は、世狩組のヒットマンとして活動する傍ら、初瀬を筆頭とする四代目体制の確立に尽力した過去を持っており、跡取りとして期待されている。
仕事人が裏社会で影響力を持てるのは、世狩組があってのことで、お互いに持ちつ持たれつの関係である。
夜虎破魔組(嘉那我倭会)
世狩組と同じく、横浜を拠点とする暴力団組織。
地域住民に信頼されており、仕事人とも深い関係を持つ世狩組と違って、シノギも見境がなく、多くの人間を苦しめている。
動画第三話でフロント企業が登場し、その企業幹部全員が殺害された。
その後日譚となる動画第四話で世狩組の二代目組長を殺してしまい、仕事人に粛清された。
夜虎破魔組は組長含めた組員全員が御影に斬り殺され、運転手のみが生き残った。
運転手を含めた、つとめに出ていた者がシャバに戻ってから、残党を集めて再結成したのが、嘉那我倭会である。
嘉那我倭会の組長は、二十年前の生き残りの運転手。外伝・第四話で登場。
二十年前に先代組長が組員もろとも御影に殺され、そして外伝では皮肉にも、かがなに組長もろとも組員全員が殺されるという光景が繰り返された。
女神会
この世界に存在する軍事結社の一つであり、女性軍人と一部の艦娘を中心に構成された軍閥である。
表向きは『性犯罪の撲滅』を掲げており、構成員以外の女性や一部の男性からも支持されている組織であるが、その本質は『男性の完全排除』を目的とした過激思考の結社である。
構成員の中には男社会で日の目を見なかった者や不条理に晒された者など多くの女性が属しており、彼女達の多くは男性を嫌悪し、上記の本質を実現させようと画策している(但しそのために犯罪に手を染めている者も少なくなく、無実の男性提督や結社の意に反した艦娘が処罰される事も日常茶飯事である)。
創始者は海軍七元帥の一人である浅野ツバキ。
外伝三話で仕事人を敵に回し、ツバキと幹部の大半を仕事人に始末され、同時に彼女自身が過去に行った殺人事件も暴露され、一時は大幅に求心力を失っていた。
しかし、より急進的思想の持ち主、追田アカリがツバキの後任としてついて以降、これまで以上に過激で排他的な集団へと変貌している。
他作者の作品にも悪サイドの組織として登場するなど、影響力は強い。
作者曰く百合厨への風刺である、とのこと。