概要
深海棲艦と戦う艦娘たちは艤装を装備している。主な攻撃手段は砲撃と、艦載機を介した爆撃である。
艦娘の中にはこうした飛び道具だけでなく、近接武器を帯びた者が存在する。帯刀艦娘とはそのうち刀剣を帯びた艦娘を指す。
艦これアーケードにおける天龍型の攻撃シーンでは切りつけた空間から砲弾を召喚するような使い方がされているのが確認できる。
水雷戦隊クロニクルでは天龍が刀によって空母ヲ級に止めを刺すシーンがある。
刃物を帯びた深海棲艦としては欧州棲姫が存在する。その他は空母ヲ級が杖を持つ例があるだけで、深海棲艦が艤装以外の道具を持つこと自体が珍しい。
pixivでは原作では刀剣を持たない艦娘にも装備させたイラストも投稿されている。
帯刀艦娘たち
艦首を模した未来的なデザインの刀(柄のモチーフなどは日本刀に似る)を使用。峰の段差は「後檣の継ぎ足しのイメージ」の意匠という説もある。
劇場版ではこのサーベルでリ級からの砲撃を全て弾いていたのが印象的。
改二実装後はより長大になり、両手持ちの業物へと強化された。
「昭和12年海軍式軍刀」という実在の軍刀を佩用。
改二実装後は弓を主要武装としているが、引き続き佩用している。中破になると刀の柄に手をかけ、なおも戦う意志を強く示している。
伊勢同様の軍刀を佩用している。投稿作品では伊勢以上に抜刀の瞬間を描いたものが多い。
洋式サーベルを佩用。モデルは前述の昭和12年式が採用される以前に使用されていたサーベル型軍刀(通称『海軍長剣』)の可能性が高い。
「武功抜群」の文字を入れた白鞘を佩用。草鹿任一中将より飯野艦長へ武勲を讃えて授与されたもの。
本来は左に差すはずの刀剣を右に差している、白鞘のまま、という点から「守り刀」である可能性が高い。
伊勢型姉妹と同様の昭和12年海軍式軍刀に加え、紫の刀袋に収まった小太刀を格納庫に収めている。
艦娘としては初の二振り以上を帯刀する艦娘となった。
小太刀の方は第六艦隊司令長官醍醐忠重が光作戦の遂行に向かう「神龍特別攻撃隊」に授与したもので、ウルシー作戦に参戦していた伊400とはなじみ深い品である。
andraでは若干大振りで拵えも豪華なものに変わる。
改二までは所持していなかったが、改二戊で改二では二本装備していた矢筒の片方が昭和12年海軍式軍刀になる。
赤城と同じく、改二の時の両腰の2つの矢筒の左が軍刀になる。
軍刀は伊勢型や赤城同様、昭和12年海軍式軍刀と思われ、おそらく「一航戦」として赤城と揃えたのだろう。
2020年9月現在、原作には以上の9隻の帯刀艦娘が存在する。
ゲーム的な観点
戦艦:2(改装後は共に航空戦艦)、空母:2、軽巡:3(内、雷巡:1)、駆逐:1、潜母:1――と、水上戦力としては申し分ない編成が実現できる。
特に伊勢型姉妹と赤城・加賀の4隻のお陰で、航空火力と水上火力の両面が大幅にカバーできる。雷巡の木曾と潜母の伊400の先制雷撃も加味すれば、開幕からの殲滅力はかなりのモノといえる。
対空のみならず対潜もこなせる器用さがあり、特に皐月は対空・対潜・対地の三面で潰しが利くマルチサポーターであり、天龍とGotlandは防空巡洋艦として高い対空迎撃性能を備えている。
課題として、十全を期して彼女らを配備する場合に改二まで改装する必要があり、「改装設計図」を始めとする特殊アイテムが複数消費する点がまず挙げられる。特に火力の要である伊勢型姉妹と赤城は、どちらもLv90前後まで練度を上げたうえで「改装設計図」「戦闘詳報」を使用するため、練度向上も課題となる。
レアリティの面でも、伊400とGotland(ゴトランドは2019年4月22日~5月20日のGW期間限定で4-4でドロップ入手が可能だった)は期間限定イベント海域でしか入手機会がないうえ、どちらも年に一度その機会が回ってくるか否か、また大抵はボスマスS勝利必須となるので、それを引き当てる激運も必要。
もう一つ、中堅のオールラウンドである重巡洋艦がおらず、また駆逐艦もせめてもう1~3隻いれば海域でのルート制御がやりやすくなる。欲を言えば軽空母も1隻欲しいところだ。
なお下記の艦娘も付け加えると、駆逐艦の問題はある程度は解消する。
今後、重巡洋艦枠で増えればより実践的な編成も可能となるだろう。
広義での刀剣を所持している艦娘たち
柄と穂先の峰が一直線になった薙刀を所持。
後檣(こうしょう/後部マスト)の形状を模しているといわれている。
アーケードではこれを振るうと砲弾が飛んでいくというトンデモ演出がある。
改二実装後は穂先が大型化し、見方次第では柄と分離して片手で扱えそうな構造をしている。
旗竿(杖)の両端部分が仕込み剣。
雲龍は発着艦の際に、「幟」と神道の祭具としての「剣」を用いているが、それを仕込み剣とした理由について、デザインしたくーろくろ氏は「近接武器の印象を強くしたくない」と述べている。
尚、無印の中破絵に描かれた剣は、刀身に対して茎が長いので、もし近接戦闘するならば、槍のように使用すると思われる。
- 番外・比叡改二
アーマーガールズプロジェクト(AGP比叡)のオリジナル艤装は、二振りの刀剣が仕込まれている。
分類不詳の格闘武器を所持している艦娘
檣を模した長物を所持。
一見すると槍か杖だが、後端が石突ではなく日本刀の柄のように柄巻が施されている。
改二になると消失するが、叢雲を象徴するアイテムでもあるので改二状態でも引き続き描く絵師も多い。公式には改二でも得物を持ったイラストも存在し、より剣のようなフォルムとなって矛や槍のように変化している。
剣の神を宿す艦娘
2人の艦内神社は、共に「剣の神」を祭神とする香取神宮(フツヌシ神)、鹿島神宮(タケミカヅチ命)から分祀されている。
そして、この2社の神職に伝承されていた剣術「香取の剣」「鹿島の剣」を元に多くの剣術流派が生まれた。
pixiv内に記事のある流派として天真正伝香取神道流、示現流、天然理心流がある。
また剣豪塚原卜伝は、鹿島神宮の神官の子として生れ、天真正伝香取神道流を修めた末に「鹿島新當流」を創始したとされる。
二次創作で帯刀のイメージを持つ艦娘
姉妹内で「サムライ」というイメージが定着したせいか、公式に描かれてはないが違和感が轟沈するレベルで似合ってしまう。
また『御伽草子』に登場する坂上田村麻呂の愛刀が「神通剣(ジンツウノツルギ)」と呼ばれ、実在する太刀「騒速」の伝説の一つとして知られる。
のちに公式から、コミックアラカルト『舞鶴鎮守府編』7巻収録の「ヤセンニング・ビギニング」で、マッポーめいたアトモスフィアな作風とともに日本刀を振るう姿が描かれている。
容姿が大正浪漫なせいか、某有名ゲームのイメージに引っ張られて帯刀する姿が描かれやすい。
妹の春風も姉ほどではないものの、“番傘に仕込み刀”という鉄板のシチュエーションを組みやすいせいか、それを描く人も少なくない。後に家具「春風感じる日用品棚」の説明の中で「あの傘…気になりますね。傘…ですよね?たぶん!」と記述されたため、公式的にもタダの傘ではない可能性が出てきた。
他の姉妹も比較的に何かしら得物を誂えられることが多く、神風型提督の間でしばしネタにされる。
先の二隻に比べて投稿数こそ少ないものの、阿修羅・ソロモンの悪夢と称される武闘派駆逐艦筆頭の片割れだけに、敵艦隊へ突撃する様を想像すると「妖怪首おいてけ」化しそうな雰囲気である。
そして刀剣乱舞との二次コラボでは、姉の時雨と鯰尾藤四郎が瓜二つであることから、鯰尾の相方である骨食藤四郎とのコンビも見出されている。
こちらも投稿数は少ないが、持たせると黒髪ロングにセーラー服という定番の組み合わせが成立するため、親和性は高め。
なお声帯の妖精さんは別界隈でも有名な戦闘ヒロインを演じており、どちらも生真面目な武人気質なこともあって、別の意味でもシャレが効いている組み合わせ。
軍刀の本場である陸軍出身の揚陸艦。
特に改の黒い制服と白刃の対比、軍帽姿とも相まってよく似合う。
陽炎、抜錨します!では叢雲から借用した長物で活躍を見せる。
ただ彼女の場合、艦載機の発艦原理が軽空母陰陽チームに類似するため、某魔人やら悪魔使いとも親和性が高く、ネタの合体事故を引き起こすことも……。
小ネタ
海軍と軍刀
明治維新以降、海外視察によって軍隊の近代化を進めるに至って「軍用刀剣はサーベルを佩用する」と規定された。
しかし日本人には慣れない西洋のサーベルは、結局は馴染むことなく日本刀に近づける改良が施されていく。
陸軍は格闘戦の想定があったため開発が著しかったものの、海軍は戦場で砲台を操作して戦うことが主な戦闘方法だったため、軍刀の開発は後回しとなり、もっぱら儀礼用として各士官が自前で誂えるのが主流だった。
昭和7年に和洋折衷の旧式軍刀(三十四年海軍式軍刀)、昭和12年に太刀型(昭和十二年海軍式軍刀)と変遷するが、いずれも儀礼用であった。
また「海軍短剣」の佩用、「菊池槍」を仕込むなど、実用面では存在は希薄だったが、日本人として刀を愛する精神は、海軍であっても同じだったといえる。
艦上の剣豪たち
陸海を問わず剣道も含めた武道は、心身の修練の一環として大いに推奨された。
その中には剣豪クラスの達人たち排出され、実際に生粋の剣道家であった人物もいる。