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図鑑データ
「僕は白露型駆逐艦、『時雨』。これからよろしくね」
・晩秋限定入手ボイス(表示される文章は変化なし)
「僕は白露型駆逐艦、『時雨』。提督、少し……少しだけ、寒くなってきたね」
「他の用例が知りたいの…? いいよ、時雨の項目を参照してよ」
概要、これからよろしくね。
白露型2番艦となる、(呉の雪風佐世保の時雨と呼ばれるほどの幸運艦なのに)幸薄そうな佇まいのボクっ娘(ゲーム中では「僕」表記。ちなみに最上、皐月は「ボク」表記)。
他のボクっ娘艦娘(最上や皐月)が活発で強気なのに対しおとなしく控えめな性格で、どこか悟ったようなクールな性格。清楚ながら垢抜けた容姿も相まってコアなファンも多く、西村艦隊を編成した上で出撃するクエストが存在したりする事から、育てる人が多い駆逐艦娘の一人。
その人気は進水記念日(二次創作における艦娘の誕生日のようなもの)で、あの金剛の倍以上のお祝いイラストが投稿されたことからも明白である。
その魅力は、油断すれば簡単に足を取られ抜け出せず「時雨沼」などと呼ばれることも。
その佇まいから男の娘説が提唱されたりもしたが、当然公式にそんな設定が語られた事は無い。
2016年2月18日に発売されたPSVita専用ゲームの「艦これ改」では、初期艦娘の一人として選ぶことが可能になっている。
性格、呼んだ?
先述の通り物静かでどこか憂いを帯びた性格。
「雨は、いつか止むさ」が口癖である事からわかる通り、どこか達観したような物言いをする。
MVP時のセリフも「僕の力なんて些細なものさ」「提督のお陰だよ」と大変謙虚であり、バレンタインデー特別ボイスでもチョコを用意しつつも「邪魔、かな?」と訊いてくるなど、常に自分より他者を優先しようとする。
ただし中破時の台詞を聴く限り、別に自分を蔑ろにしているわけではないらしい。
しかし、旗艦に据えて夜戦に突入すると「君たちには失望したよ」と吐き捨てる意外な一面を目にすることもできる(彼女に限らず夜戦で豹変する駆逐艦は多いのだが)のだが、この台詞は味方に対してのものか、敵に対してのものかで解釈が分かれている。
2014年8月8日に開催されたの夏イベント『AL作戦/MI作戦』のMI作戦制覇報酬の雲龍を秘書艦に据えた際の時報にておにぎりと沢庵を差し入れしてくれる事が判明した。少なくともメシマズではないようだ。
公式四コマのおまけ漫画では、昼食時になるとメシウマの春雨の所に姉妹で押しかけている様が描かれている(料理の腕前に関しては四コマによる独自解釈の部分が大きく公式の設定ではない)。
名前にちなんでかかなりの雨好きで、台詞の大半は雨に関する事が殆ど(スリガオ海峡からの脱出時に、雨天に助けられたからという説もある)。
また、図鑑でのコメントでは、同じく西村艦隊に所属しスリガオ海峡で壮絶な最期を遂げた扶桑・山城の姉妹について「皆が忘れても、僕だけはずっと覚えているから……」と言及している。と同時に西村艦隊メンバーからは目をかけて可愛がられている様子。
提督との関係も非常に良好であり、お触りも「僕に興味があるの? いいよ、なんでも聞いてよ」と大歓迎のご様子。また、放置ボイスからも提督と一緒に居たい・提督の役に立ちたいと取れる台詞もあり、一部からは提督LOVE指定されている。
というより、梅雨の特別ボイスではほとんど告白に近いことを言ってしまっている。
「僕はまだ、ここにいても大丈夫なのかな?」と自らの存在にすら自信を持てなかった彼女が、「そばに居て、いいんだよね」と一歩を踏み出したことに感激した時雨嫁提督は数知れない。
ちなみに、扶桑や山城の事は呼び捨てにしているが、なぜか川内にだけはさん付けで呼んでいる(『突入!海上輸送作戦』時の限定ボイスにて判明)。
2016年秋に大鯨(龍鳳)に実装された季節限定ボイスでは、食欲の秋で体重が増加することを気にする乙女な一面も語られた。
運命の日、来たる
2017年秋。
時雨にとって、そして西村艦隊にとって、決して忘れられない秋が訪れる。
期間限定イベント海域『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇)』の開催が決定。
これに先んじて、西村艦隊の面々やレイテ沖海戦の前半部に縁のある艦娘たちに「決戦前夜ボイス」が実装される。
もちろん、時雨にも実装されたのだが……
「この季節は……ううん。提督、良い雨だね」
「僕は……ううん、なんでもない」
「満潮? そうか、よかったね。一緒に準備をしよう……うん」
「そうだね…進むしかない。止まない雨は、ない。僕も…提督? ありがとう。うん、そうだね。わかった」
終始、テンションは常闇。オマケに提督や満潮の言葉さえ上の空。
同時実装された西村艦隊の再編成任務にも、期間限定で専用ボイスが付いたが、こちらでもやはり同様の反応。
多くの時雨提督が思わず「病んでしまったのでは?(汗)」と心配することに。
我々が思う以上に、時雨にとってスリガオ海峡の夜は心胆を奪うほどのトラウマだったらしい。
それゆえに、その克服にだれよりも強い炎を機関で燃やさんとする、見る方が痛ましく思えるほどの決意も滲ませている。
その後、決戦一週間前のオンライン更新で新規ボイスが追加されると、緊張感こそそのままだが以前よりもやや明るくなった。
同時実装された扶桑の決戦前夜ボイスが気負う時雨をなだめる優しげなものだったことを見るに、西村艦隊の面々の様子を見ていつもの調子が戻りつつあるようだ。
そして迎えた決戦当日――
時雨改二へ満潮改二と共に決戦modeグラフィックが実装された。
鉢巻姿に険しい表情で前を見据えた、普段の穏やかさとは違う戦士としての一面を覗かせている。
並行して決戦ボイスも実装され、彼女の決意の強さをより顕わにしてくる。
今度こそ“全員で”あの海峡を抜け、暁の水平線に勝利を刻め!!
容姿は譲れない。
セミロングの黒髪を後ろで一つ三つ編みにし、先っぽを赤いリボンで括っている。
瞳の色はスカイブルー。服装は白露型共通の紺に白のラインが入ったセーラー服。右手にのみ黒の手袋をしている。
艤装は背中に大型の2連装砲塔を背負うという特異な構成をしている。同型でも唯一で、上記の経歴から扶桑型の艤装を意識しているのではないかという説もあるが詳細不明。
しばしばガンキャノンやカメックスなどに例えられたりもするが、公式絵師のツイートによると彼女の主砲は背中にマウントした手持ち武器だそうで、そのまま発射する事は無い模様。
具体的な用法は月刊コンプティークで連載された『Side:金剛』『水平線の文月』や「艦これアーケード」にて詳細に描写され、腹側に持ってきて両手で保持している。
改二ではこの主砲がより大型のものへ進化を遂げており、戦闘時にはこれが片手持ちの単装砲×2になるギミックが展開される。詳しくは時雨改二を参照。
白露型全員に言える事だが、中破時の露出度は高いものではなく、彼女の場合もせいぜいお腹が露出する程度。
しかし、スカートに開いた穴からは、その位置ならば見えるべきものが何も見えない。
つまり、はいていないのである。
ちなみにこれは夕立も同様であり、他の姉妹については、同じ制服を着ている二人については露出の関係で確認できず、制服違いの二人についてはちゃんとはいている事が確認できる。
ただし、改二になると露出度がアップしてしまうのはご愛嬌。ちなみに、今度は「黒」である事も確認できたりする。
胸は駆逐艦の中では「結構ある」事が確認されているが、抜群にスタイルのいい娘が多い白露型姉妹の中ではそれほど目立たない印象。
時雨改二、行くよ!
雪風と並び称された幸運艦でありながら、パラメータが平凡ということから「改二」候補としてしばしば名前が挙げられていたが、2013年10月23日のアップデート(奇しくも、あるいは狙っての事か、レイテ沖海戦が始まった日付である。また、艦これのサービス開始から丁度半年でもあった)でその期待が実り、Lv60での改造が可能となった。
能力値は全体的にバランスよく底上げされているが、特筆すべきは「50」という駆逐艦中第3位(実装当時は第2位)につける幸運であり、雪風・初霜改二に次ぐ夜戦のフィニッシャーとして活躍が期待できる。
彼女の新たな力を得る事が出来た提督には、史実で彼女が経験した悲劇を二度と繰り返さぬよう、その力を存分に発揮させてあげるよう切に願う次第である。
佐世保の時雨改三、行くよ!
そして2023年1月、10年越しの新たな改装段階となる時雨改三の実装が発表された。
以後長らくの沈黙を経て、2023年6月14日のアップデートより満を持して抜錨。負けないよ!
水着モードも実装。青色を基調とした白露型水着に類似したデザインの水着に、青のガーターリングを右ふとももに通している。
アニメ、出撃するね。
第1期及び劇場版ではメインキャラの1人であった夕立とは異なりモブ程度の出演に留まり、物語に直接関わることは無かった。
しかし、2022年11月放送開始の新作アニメ『「艦これ」いつかあの海で』では主人公に抜擢。西村艦隊の一員としてスリガオ海峡を抜け、その先の時雨の戦いが描かれる事になる。
第7話では満を持して「時雨改三」の姿がお披露目となった。
こぼれ話とか?うん、積みたいかな。
時雨が撃沈された日である01/24、公式絵師・玖条イチソ氏の夢枕に時雨が現れ、起きたら号泣していたとのこと。(参照ツィート)
「なるほど…今日なんかすごい時雨の悲しい夢見たと思ったら今日時雨の命日だったのか…すごい鳥肌立った…」
史実の「時雨」
時雨(駆逐艦)も参照のこと。
史実においては、「味方は全滅してしまったが時雨は無傷だった」「座乗していた指揮官が“匂い”で敵の存在を察知」「敵の爆撃に驚いて燃料を一気に投入してしまったら、煙突から出た炎を敵機が被弾による火災と勘違いして帰っていった」「魚雷が命中したが不発だった(※1)」「味方艦から魚雷を撃たれてしまったが魚雷が艦の下を潜り抜けていって敵艦に命中した(※2)」「大量の魚雷を撃たれて避けきれないと思ったら、魚雷の深度設定が深すぎて、またしても艦の下を潜り抜けていって外れた(※3)」など雪風並の強運エピソードを持つ幸運艦であり、敵旗艦の撃沈、歴戦の潜水艦グロウラー撃沈(※4)など武勲も多く、『呉の雪風、佐世保の時雨』と並び称されたほどの幸運艦(もっとも別な評として「時雨は飲兵衛雪風は助兵衛」というのもあるが……)。
残念ながら終戦の年、1945年1月に轟沈してしまったが、もしあと半年少々生き残る事ができたなら、雪風と並ぶ不沈艦伝説と化していただろう。
また、僚艦を失いながらただ1隻生き残った事で逆に儚げな方向にキャラ付けされてしまったのかもしれない。
雪風とは異なり、終戦まで生き延びる事ができなかった為か、入手初期時の運その他のパラメータは普通である。
脚注…これで行けるね。
※1:これは実は太平洋戦争前半ではしょっちゅうあったことで、原因は米海軍の潜水艦用Mk.III魚雷の欠陥のせい。この魚雷は相手間の船底に接近すると磁気で感知して作動する信管を持っていたのだが、戦争序盤はその精度が非常に悪く、米潜水艦に複数回雷撃されてもすべて不発という事が珍しくなかった。が、アメリカは戦争中盤にはキッチリ欠点を改良、アメリカ潜水艦を甘く見て対策を怠っていた日本の艦隊および輸送船団は阿鼻叫喚の地獄を見る事になる。
※2:この際、時雨に向けて魚雷を撃ってしまったのは姉妹艦の五月雨である。五月雨のドジっ娘属性も大概だが、それさえ凌駕する時雨の強運であった。
※3:この際、扶桑、山城といった吃水の深い艦は直撃を受け轟沈している。また同じ駆逐艦の満潮なども雷撃による轟沈の憂き目にあっており、駆逐艦に当たらない深度設定だったのは時雨に向かって放たれたものを含む一部だけだったようだ。なんという豪運。
※3:これはタンカー「萬栄丸」の護衛中の出来事。護衛対象の萬栄丸は潜水艦ハードヘッドに撃沈されてしまった。その時の様子については父への手紙を参照のこと。ちなみに萬栄丸は時雨と同じ佐世保鎮守府所管の海軍徴用船で、輸送船の乗員にとって救助される際に護衛艦に同じ鎮守府の人、自分の知人や同期の人が乗っている事が判っていると、救助される時いろいろ便宜を計ってもらえると思って、とても心強かったとのこと。だが残念ながら萬栄丸に生存者はいなかった。
いい関連イラストだね。
投稿されるイラストは圧倒的に改二の姿が多い。
同じ傾向の夕立と異なり専用タグも確立していないため、原形の姿のみを探したいならば「改二」でマイナス検索をかけた方が早いかもしれない。
関わりのある艦娘に興味があるの? いいよ、なんでも聞いてよ。
白露型駆逐艦 | 同型艦グループ。白露・村雨・夕立・春雨・五月雨・海風・山風・江風・涼風 |
第二七駆逐隊 | 初期は 「白露」「時雨」「有明」「夕暮」の四隻による駆逐艦隊。後に春雨、五月雨が加わるが、残存が時雨一艦となり解隊。 |
戦艦比叡 | 御召艦としての護衛から、第三次ソロモン海戦を共にした戦艦娘。 |
西村艦隊 | スリガオ海峡海戦時の僚艦。扶桑 山城、最上、満潮・朝雲・山雲。 |
第二一駆逐隊 | スリガオ帰還後、形式上この駆逐隊所属となっていた。 |
大鯨/龍鳳 | 同じ絵師。また、史実では戦争末期の護衛対象でもあった(ヒ87船団) |
旗風/浜風/磯風 | 上記ヒ87船団時の僚艦。 |
雪風 | 『呉の雪風佐世保の時雨』と謳われた武勲艦(両艦が直接関わった事は少ないが) |
雲龍 | 雲龍撃沈時の護衛艦。 |
これらのうち、山城・最上・白露・夕立・五月雨・大鯨/龍鳳とはカップリングタグが存在しており、こうしたカップリングの豊富さも時雨の特徴の一つとなっている。