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藍忘機

らんわんじー

小説『魔道祖师』のもう一人の主人公。日本語吹替版ラジオドラマのみ「らんぼうき」呼び。
目次 [非表示]

本項の情報にはネタバレが含まれております。原作未読の方はご注意ください。


プロフィール

含光君(がんこうくん/Hanguang-Jun)
名前 藍湛(ラン・ジャン/Lan Zhan/らんざん)
道具剣:避塵 琴:忘機
身長188cm
誕生日1月23日
声優中国語:边江(アニメ・ドラマ)、魏超(ラジオドラマ)、山新(ラジオドラマ・幼少期)
日本語:立花慎之介(アニメ・ドラマ)、日野聡(ラジオドラマ)、平出まどか(ラジオドラマ・幼少期)
俳優 王一博

アニメ・ドラマ等様々なメディアミックスが展開されているが、中国の検閲などの事情で媒体ごとに多少性格や設定が異なっている。ドラマ『陳情令』では特にそれが顕著である。


概要

墨香銅臭の小説『魔道祖师』のもう一人の主人公

中国語読みはラン・ワンジー


姑蘇藍氏の次男。

藍家の現宗主で実兄の藍曦臣とは兄弟仲が良く、共に藍氏双璧と呼ばれている。


幼い頃から両親と別れて暮らし、叔父の藍啓仁の厳しい教えを受けて育ち、非常に優秀。

品行方正で礼節を重んじる真面目な性格であり、あまり笑うことはない。

ほとんど表情がないため冷たいと思われがちだが、内面は優しい。


人物

「この人は私が藍家に連れて帰る」

#藍忘機

幼少期から非常に執念深く、一途である。

寡黙で無表情ではあるが、昔から兄の藍曦臣には感情が筒抜けである。

家規と真面目すぎる性格ゆえに嘘を吐くことができない。その為、回答しづらい内容に対しては無言を貫く傾向がある。

曲者揃いの登場人物の中では裏表がなく比較的わかりやすい性格であり、その素直な性格が反映されている為か、作曲した曲のタイトルは非常に直球である。


人を罵ることがあまりにも不得意で、魏無羨にからかわれても反論の言葉が出てこない。言ったとしても「失せろ!」「くだらない!」「軽薄な!」程度で、他者に対する罵倒の言葉を持たない。


藍氏双璧」の美名を持ち、十四歳を過ぎてからは、各世家の先達が自分の一族の公子と比べる際には、模範として必ず引き合いに出すほど抜きん出た存在。


夜狩の対象となる妖魔鬼怪の程度の高低や手柄の大小に拘わらず、助けを求められればどこにでも赴くことから「逢乱必出」と呼ばれている。仙門の修士は身分が高くなるにつれ実績にこだわるが、藍忘機は年少の頃から変わらずにいる。実際に続ける事は難しい為、藍忘機の世間からの評価は極めて高い。

藍家の若者たちは、彼を天上人のように崇めて尊敬している。


酒豪である魏無羨とは逆に酒にはめっぽう弱く、酔っている間の出来事は覚えていないことが多い。

眠ってから酔うという非常に珍しいパターンで、普段自制しているせいか酔っている間は欲望に忠実である。


なお、本編で仙督となることが判明しているのは陳情令のみである。


人称

一人称は「私」。

魔道祖師は翻訳の関係で媒体によって一人称が異なる場合があるが、藍忘機は全てのメディアミックス共通である。


魏無羨のことは、どのメディアでも共通して『魏嬰』と呼んでいる。

その他の呼び方としては、原作・ラジオドラマは「君」ドラマは「お前」アニメは「お前」(たまに「君」)と呼び方に差がある。


容姿

希望 | 再生 | 纯洁

『世家公子の風格容貌格づけ』第二位。

双子ではないが、藍曦臣とよく似ている。

どちらが秀でているかは比べられないが、厳格で真面目すぎるほど真面目な上、他人を拒み一切寄せ付けず、親しみに欠けている為、格付けでは兄に次いでの二位となっている。


原作は一貫して魏無羨視点である為、美しいものを好む彼からは様々な形で容姿を表現されている。


肌は抜けるように白く、非常に美しい雅な顔立ち

瞳の色は非常に薄く、玻璃のように淡い色

その顔も、その手も、どちらも透き通るように白く、まるで美しい玉そのもの

眉目秀麗だが、ひどく冷ややかな表情をした美しい少年

など。


笑うだけでも『まるで晴天の日差しが雪を照らして反射したような淡い笑み』などと表現されている。

更に、別嬪・美人・白菜などと美しい女性を喩えるような表現をされることもある。


作中あまりにもそういった表現が多い為、魏無羨が彼の容姿に関してはかなり初めの方から好んでいたことは想像に難くない。


尘世三千条

背中には戒鞭に打たれて残った傷跡がある。その数三十三本

仙門には、大罪を犯した門弟を懲罰する時に使う戒鞭というものがあり、これに打たれたらその傷跡は永遠に消える事はない。


左鎖骨の下、心臓に近い位置には烙印がある。

それは生前の魏無羨にあった烙印と全く同じ位置だった。


彼の体から漂う微かな檀香は、冴え冴えとしてどこか寂しさすら感じさせる。

檀香は藍忘機を象徴するものだが、彼がその香りを纏うのは現代編になってからである。

藍忘機の行動理由は、そのほとんどが魏無羨の為にある。何故その香を纏うようになったかは作中では明らかにされていないが、十三年の間彼を忘れず募らせた想いがそこに込められているのだろう。


藍忘機が酒を飲むと、檀香と酒の香りが絶妙に溶け合い、ひんやりとした香りの中にも不思議と暖かさを感じさせる。無性に人を酔わせる香りだと魏無羨は感じていた。


道具

  • 避塵

藍忘機が扱う仙剣。剣芒(刃から放たれる光)は青色である。

氷のように透き通り、キラキラと輝きを放つ細長い剣先。

柄は秘術によって錬成した純銀で鋳造されている。

氷雪の寒気を纏った剣身は曇りなく透き通り、極めて薄いが、鉄をまるで泥のように切り裂く。

仙気に満ちた軽くしなやかな剣でありながら、並の者には振りかざすことが不可能なほど非常に重い

人を三人持ち上げられることから、力の強い剣である。

蓝忘机0123生日快乐


  • 忘機琴

藍忘機の七弦古琴。木の柔らかさが感じられる黒色をしている。

普通の古琴より幅が狭い特別な造りである。

清らかで透き通ったその音は、冬の風が松林を抜ける時のような冷涼さがある。

藍湛


能力

  • 問霊

魔道祖師 - 問霊

琴の音で魂を呼び出し、情報を得る技術。

死者の媒介などが何もない場合にも使用可能である。

奏でる者は琴を弾き、その音で亡者に問いを発すると、亡者も同様に琴の音で返答する。

招かれた霊は、藍忘機に対して嘘をつくことができない。


  • 招魂

死者の骸や体の一部、愛用品などを媒介として、亡霊に音を頼りに招きに応じてもらう。

通常は曲の一部を奏でるだけで、呪術陣から亡霊の体が浮き出てくる。

不気味な、尋問をするかのような旋律。

作中で魏無羨と合奏し、効果がないと判断したため、曲を「安息」に変更した。


  • 安息

「招魂」とは異なり穏やかな旋律で、怒気や殺気を鎮める。

「招魂」も「安息」も世に広く伝わる玄門の名曲である。


  • 弦殺術

琴の弦を使って遠方から攻撃する秘術。三代目宗主・藍翼が考案した。

七弦琴の弦を瞬時に琴から外して一本の長い弦にする。

その弦は泥を切るように容易く骨を断ち、肉を削ぎ、命を奪う凶器となる。

姑蘇藍氏の秘技の中でも最も殺傷力が高い。

作中で藍忘機は弓の弦を一本に結び、弦殺術に使用できるよう長い弦にした。


  • 禁言術

藍氏が弟子を処罰する際に使う口封じの術。

強引に喋ろうとすると唇が血まみれになるか、数日の間喉が掠れることになる。

この術は藍家の者にしか解き方がわからない。


他にも体を動かなくさせる術があり、魏無羨は一晩中これを使用され体を痛めていた。


所属

姑蘇藍氏

藍忘機

詳細はこちらにて→姑蘇藍氏


家族構成

父・母・兄・叔父。

母は既に他界。父も過去編で亡くなっている。

陳情令のみ両親共に物語開始時からいない為、当初から兄の藍曦臣が宗主となっている。


  • 父:青蘅君

本名は不明。一年中閉関し、世間のことには関心がない。

閉関とは、『世俗との関わりを断ち静かな場所に隔離された状態で一人で修業を行うこと』だが、青蘅君は二度と世間のことには関わらないと公言しており、閉関といえども隠退同然だった。

一時は広く名を轟かせた名士だったが、成人する歳に突然勇退して妻を娶った。


若い頃、夜狩の帰りに姑蘇の外れで、後の妻となる女性と出会った。一目惚れだったとのことだ。

だが彼女は好いてはくれず、その上、青蘅君の恩師を殺してしまった。

青蘅君はその真相を知り、何度も苦悶した末、女性を連れ帰り夫婦の契りを交わした。

婚礼を挙げた後、妻を閉じ込め、自省の為に別の建物に自分をも閉じ込めた。


  • 母:本名不明

噂では病弱な体質で常に療養し人に会うことを避けていたとされるが、実際は夫の手により軟禁されていた。

子供が生まれるとすぐさま引き離され、会えるのは月に一度きりだった。

藍忘機をからかうのが好きだったが、彼が六歳の頃に亡くなった。


魏無羨との関係

原作はBL小説の為、ここにカップリングを記載する。

君からの贈り物

藍忘機×魏無羨(忘羨

最終的に道侶の契りを結んだ公式カップリングである。

原作・ラジオドラマ版には肉体関係がある。


なお藍忘機×魏無羨は固定(リバ・総受け・攻/受違い等はのぞましくない(出典参照))の為、ご注意ください。

出典:墨香铜臭MXTX(Weibo)2018-3-17 23:06の投稿にて

以降、二人に関するネタバレがあります。









酔い・垣間見える心

藍忘機は酒を飲むと一旦眠ってしまうが、すぐに起き上がり酔っ払ってしまう。

以下はその一部である。


  • 櫟陽

藍忘機は魏無羨と共にいた温寧を手のひらて突き飛ばした。その一撃では彼の怒りを表すには足りないとでもいうように、もう一度温寧を力を込めて手のひらで強く付き、何丈も遠くまで弾き飛ばす。更に「離れろ」と言った。

魏無羨が温寧を気遣うと、「離れろ!」「彼のために(曲を)吹いては駄目だ!」とただただ不機嫌そうに繰り返すばかりだった。

魏無羨に「お前だけに吹いてやる」と言われると「うん」と満足そうに答える。行動といい言葉といい、まるで子供のすることのようだった。


  • 義城後

藍忘機は足を上げて温寧の肩を強く蹴りつける。温寧はその場に倒れるが、藍忘機は更に彼を蹴ろうとしていた。

魏無羨が慌てて藍忘機の腕を引っ張り、彼を宥める。すると藍忘機は引っ張られた袖を振って頷き、言われた通りに蹴るのをやめると、傲然とその場に立った。

温寧が藍忘機に話しかけようとすると、彼は眉をひそめて耳を塞いだ上に、温寧から背を向け、自らの体で魏無羨の視界を遮った。彼は耳を塞いでいたが、魏無羨の声にだけはしっかりと反応していた



唯一の心乱される相手

藍忘機は非常に口数が少ないが、その代わり彼の感情は行動に現れている。

以下、魏無羨が関わった際に心乱れる様子がわかるシーンの一部である。


▽過去編:座学時代

「俺のことそんなに嫌い?」と聞かれた際には無視をしていた。

謹慎の一ヶ月最終日、魏無羨の様子が違って見えた為、無意識に度々目を向けて、彼が突然大人しくなったことをやけに疑っている様子だった。

魏無羨が描いた藍忘機の絵は快心の出来栄えで、藍忘機はこれまでのようにすぐに視線を外さなかった。


▽過去編:水鬼駆除

藍曦臣に「彼にきて欲しそうな顔をしていたから」と言われている。

魏無羨がもち米酒を二かめ買い、江澄に渡したところをじっと見ていた。


魏無羨を救出する際、襟ではなく手を掴んで欲しいと言ったが、「私は他人とは接触しない」 と冷たい声で答えていた。


▽過去編:続・座学時代

冷泉

冷泉で魏無羨に「俺たちもうこんなに仲良くなったじゃないか」 と言われると「仲良くなどない」と返しているが、「俺と友達になったら、絶対にいいこといっぱいあるぞ?」と続いた後には律儀にも「……例えば?」と聞いている。

結局魏無羨の話を聞いてから「行かない」と答えたが、「お前さぁ、いつも『ない』で会話終わらせるのやめなよ。すごく冷たく感じるから。(女の子に)嫌われちゃうぞ?」と言われた後には「行か……」 と途中で否定の言葉を止めている。


藍啓仁の授業がない日は、出かけようとする魏無羨を蔵書閣の中から見ていた。その件に関しては午の刻に戻ってきた魏無羨から「まあまあ、言わなくてもわかるよ。会いたかったんだろ? じゃなきゃ、なんでさっき窓から俺のこと見たりしたんだ?」とからかわれている。

視線

魏無羨が二羽のウサギを贈ろうとすると、藍忘機は興味はないという目で冷ややかに彼を見た。だが、「いらないなら他の奴にあげる。ちょうど最近肉が食べたいなと思ってたところだし」 という言葉を聞いて、藍忘機はとっさに「待て」と言った。最終的には藍忘機は一文字ずつはっきりと、「もらう」と端的に告げたのだった。

その後ウサギの雌雄の件で散々からかわれ、魏無羨を蔵書閣から締め出したが、目を閉じ、両耳を塞いでも彼のあの陽気な笑い声だけは締め出すことができなかった。


▼現代編:櫟陽

情報収集の際、魏無羨に「世渡りに関してはお前は俺がいないと本当にダメダメだな」と言われると、藍忘機は優しく穏やかな目でこちらを見つめ「うん」と低い声で答えた。


酒屋の雇人は無意識のうちに魏無羨の肩に手をかけていた。熱心に話をしていたが、途中でなぜか急に黙り込む。彼は藍忘機に睨まれていると思ったのだ。

魏無羨が見ると藍忘機はすっと立ち上がり、背を向けて店の外へと出ていくところだった。

雇い人は言った。

「あの鋭い目つきを見たら、何も知らない人は、おいらがあの方の奥様の肩にでも腕を回したのかと思っちゃいますよ……」


その後、魏無羨が「俺の姓は……」「藍だ」と平静を装って告げた際には、藍忘機の後ろ姿が一瞬ふらついたように見えた。


▼現代編:義城前の村

情報収集の為に、魏無羨が村の女たちの方へ意気揚々と向かった。魏無羨が話している間、藍忘機はその様子を遠くから眺めていたが、しばらく待っても彼が戻る様子は見られず、ゆっくりと俯いて足元にある小石を軽く蹴った。

しばらくそうして罪のない小石を踏み潰すように転がしていたが、魏無羨が女に何かを渡しているところが目に入り、呆気に取られて思わず立ち尽くしてしまった。


その後、戻ってきた魏無羨が話す最中、藍忘機はずっと彼の足元を注視していた。道には雑草とごろごろ散らばる石に隠れ、気付きにくい溝があったからだ。そうして気に掛ける間にも、藍忘機は彼が村の女に渡した品が気になって仕方がないようだった。


▽過去編:暮渓山

藍忘機の脚を気にして話しかけてきた魏無羨だが、突然ふわりと香った香りに引かれて視線を移す。その先にいたのは美しい少女たちだった。

綿綿と呼ばれている少女は香り袋を持っており、「欲しい人はいる?」と周囲に聞いていた。魏無羨は「綿綿、俺にも一個ちょうだい」と声を掛ける。彼女はいきなり知らない少年から声を掛けられるとは思わず、「あなた誰?」「勝手にその名前(綿綿)で呼ばないで!」と顔を真っ赤にして拒んだ。更に、人に名前を聞く前に自分から名乗るべきと言い、魏無羨は『遠道』と答えた。

それを聞いた藍忘機が突然「言葉を弄ぶな」と口を挟む。

彼が名乗った名は「綿綿と続く遠道の先の人を思う」という恋の詩の一節から取ったものだったのだ。


結局香り袋は放り投げられ、魏無羨はもらった香り袋の紐に指を引っ掛けぶんぶん振り回していた。藍忘機がそばにまで戻ってきても、まだそれを回して遊びながら笑っている。藍忘機の表情はどんどん冷たく沈んでいった。

「君は誰に対しても同じように、ああして軽はずみな遊び人のような行動をとるのか」

魏無羨は少し考えながら、「そうかもしれないな?」と答えた。

軽薄な!」 藍忘機は歯を食いしばりながらそう吐き捨てた。


▽過去編:暮渓山・洞窟内

巨大な妖獣・屠戮玄武に襲われかける魏無羨。彼を庇い、代わりに藍忘機は屠戮玄武に脚を噛まれたまま甲羅の中へ引き込まれそうになる。魏無羨は全速力で走り、妖獣の頭が引っ込む前に思い切り飛びかかると、上下の牙を掴んでその顎を開けさせようとした。魏無羨の渾身の力に、妖獣はもう獲物を咥えていることができなくなり、藍忘機は淵の中に落ちた。魏無羨も同じように水の中へ落ちると、藍忘機を抱えて泳ぎきり、陸に上がると彼を背負ったのだった。

「……君か?」

「そう、俺だよ! 驚いた? 嬉しいだろ?」

嬉しいだと⁈ 下せ!

藍忘機の口調は珍しく感情の起伏が滲んでいた。


藍忘機の脚の状態は悪化していた。魏無羨は木の枝を数本見つけ出し、藍忘機の抹額を使って脚を固定し始める。いきなり抹額を奪われた藍忘機は、両目を大きく見開いたが、抵抗することはなくぐったりと後ろに倒れ込んでしまった。

魏無羨は綿綿からもらった香り袋を取り出すと、藍忘機に止血と解毒の効能がある薬草を見分けさせる。

戻ったら綿綿にちゃんとお礼をしないと、と嬉々としてそれらを取り分けていた。魏無羨のその言葉に対し「また嫌がらせをするつもりか?」と藍忘機が冷然と聞いた。魏無羨は「俺がやれば嫌がらせとは言わない」と主張し、そのままの会話の流れで何故か藍忘機に「脱げ」と言った。藍忘機はいきなり地面に押し倒され、強引に服を脱がされて顔面蒼白になる。

「魏嬰! 何をするつもりだ!」

「何をするって? 今は二人きりなんだ。 俺がこうしたってことは、何がしたいんだと思う?」

魏無羨は立ち上がり、自らの服の帯を解き、胸をあらわにした。

くっきりと浮き出た鎖骨、滑らかな体の輪郭。藍忘機は驚愕して、顔色を次々に変化させ、今にも血でも吐きそうなほどに狼狽した。動揺のあまり心は激しく波打ち始め、なんと本当に血を吐き出したのだ。

それこそ魏無羨の目論見通りであり、彼は藍忘機の胸にある数カ所の経穴を指先で突いた。


「二度とこういう冗談はやめろ!」

「胸につかえた血を我慢すると、すごく体に悪いんだぞ。驚かせばすぐに出るだろう? 安心しな、俺は男に興味ないし、隙を見てお前をどうこうしたりとかしないからさ」

くだらない!

今日の藍忘機はやけに怒りっぽかった。


君にそのつもりがないのなら、相手をかき乱すような真似はするな。やりたい放題にやって、それが相手の心を乱すとも知らずに!」苛立ったように返す藍忘機に、魏無羨は首を傾げていた。

魏無羨は藍忘機の心を乱したつもりはなかったが、ふとあることに思い至った。「まさか……」魏無羨がそこで言葉を区切ると、藍忘機は「まさか、なんだ?」と激しい声で聞いた。

まさか、藍湛お前、綿綿のことが好きなのか!

その言葉に、藍忘機は冷ややかな表情で口を開いた。

戯言(たわごと)を言わないでもらえるか


▽過去編:魏無羨失踪中

藍忘機は温晁が潜伏する「監察寮」に夜襲をかける為、江澄と共に行動していたが、挨拶を交わしたきり何も話すことはなかった。江澄の腰に提げた随便をちらりと見てから、また前方に視線を戻す。

「魏嬰はまだ現れていないか?」

江澄は何故藍忘機が急に魏無羨のことを聞いてきたのかが不思議に思ったが、「まだだ」とだけ答えた。未だ誰も彼の消息を掴めていないようだった。


▽過去編:金鱗台

邪道を使うようになってしまった魏無羨。藍忘機は彼が何か取り返しがつかないことになってしまわないかと心配をしていた。だが、会う度に口論になり、気持ちは伝えられぬまま別れることになる。

藍曦臣はそんな弟の様子を見て、何か心配事がでもあるのか、なぜずっと塞ぎ込んでいるんだ、と聞いた。

「兄上、私は、ある者を雲深不知処に連れて帰りたいのです」

その言葉に藍曦臣は驚いた。

連れ帰り……隠します

藍忘機は母が亡くなって以降、より一層もの憂げな性格となり、誰とも話したがらなかった。唯一の例外が兄とたまに話すくらいだったが、そんな仲でもこういった話を打ち明けたのは初めてのことだった。

「しかし、彼はそれを望まないのです」

藍忘機は眉間に皺を寄せてそう続けたのだった。


魏無羨への想い

本人の口からではなく、藍曦臣から語られている。

思

君のしたことの是非を断言することはできないけれど、それがどちらであったとしても、君とともにすべての結果を背負う


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