概要
CV:依田英助
堂本ホール館長を勤める初老の男性。絶対音感を持っている。
元は堂本一輝の専属ピアノ調律師だったが、二年前に突然彼がパイプオルガン奏者に転向。それに合わせて彼も引退した後、堂本ホール館長に推薦されこれに就任した。
堂本が愛用していたピアノは堂本音楽アカデミーに寄贈された後も彼が調律を行っている。
ネタバレ
彼こそが、今作における事件の犯人
彼がこのような犯行に及んだのには複雑な事情が絡んでいる。
①相馬 光の敵討ち
物語が始まる3年前に事故死した相馬 光は実は彼の実子であった。作中で殺害された被害者達が彼に無理やり酒を飲ませた結果、彼は合宿所近くの崖から転落してしまった。
事故に直接の関わりは無いとして目立った処罰を受けることはなかったが、その後も反省の色が見えず生活態度を改めることもなかったため、譜和の怒りを買い殺されることになったのが今回の事件の始まりである。
②調律師としてのプライド
30年近く堂本一輝の専属ピアノ調律師として働いてきたが、盟友である彼が突然自身に何の断りもなく、ピアニストからパイプオルガンに転向したことも彼にはショックだった。断ることもできたが、今さら他のピアニストに就くこともできず、彼は天職と誇りであった調律師の職を手放すことになった。
③耳障りになった音楽
上記の二つの出来事がきっかけになったのか、譜和にはあれだけ愛していた音楽もただの不協和音になってしまった。
とうとう夢の中にまでも悩まされる程重傷になったことで、『静かな夜を取り戻す』と決意。
これらの事情が絡み合った結果、譜和は相馬 光の死の原因となった4人を殺害。更に堂本ホールの爆破に加え秋庭怜子の襲撃未遂等の事件を引き起こしてしまった。
実は、堂本がピアニストを引退したのは、譜和の聴覚が加齢により衰えたことで、調律に僅かなズレが目立つようになったからであった。堂本は本当は譜和にこのことを伝えようと思ったものの、譜和のプライドを思いやるあまり伝えることができなかったのである。
「このようなことになるなら、ちゃんと真相を伝えておくべきだった…」と堂本は譜和に謝罪、思いもよらぬ真相に譜和は慟哭するしかなかった…