「私に依頼をなされるからには それなりに楽しませてもらいますよ 仕事の過程を─── ね・・」
プロフィール
概要
通称『Dr.ジャッカル』。史上最強・最悪の運び屋。超越者。
原作者曰く探求者、本人曰くこう見えて医者。
黒い帽子にラテックスの手袋、黒衣に身を包み、涼しげな風貌には常に微笑を浮かべる。
格下相手でも紙クズのように切り刻む冷酷さをみせ、人を殺すことを愉しむ殺人嗜好者として知られる。しばし、犠牲者の身体にジャッカルの「J」の文字を残す。
運び屋を生業とするのも依頼品に釣られた「獲物」との戦闘を目的としているといわれ、裏社会でたいそう嫌われているが、同時に恐れられてもいる。
赤屍にとって仕事の価値とは「過程を楽しむこと」にあり、それを邪魔をする者を嫌い、つまらないと感じれば出来るだけ早く仕事を終わらせようとする。
逆に過程に満足すると依頼を放棄して帰ってしまうこともある。
よく受ける誤解ではあるが殺傷能力も殺意も高いが、殺し屋ではないのでどんな名目でも殺しは請け負わない。あくまで「運んでさしあげる」だけである。
能力・特徴
当初は体内にメスを隠し持っているという設定だった。
後に手のひらから自在に生み出すメス(※)を武器とし、自身の血や血が混ざったものは何でも武器にすることができるようになった。故に「百八つの凶器を持つ男」とも呼ばれる。
脅威のスピードと回復力を持ち、死は他人事。
次元や空間を切り裂いたり、血から血への移動が可能なほか、血から無限に分身を生み出すこともできる。
経験則による的確な読みも合わせてその強さは計り知れず、ラストバトルを経て本人にもやっと底が垣間見えた。
両手の平と甲、両脇、首の左側面、左肩から胸にかけて傷痕があり、これらは他の傷と違って治る様子がない。
手の平の傷からは自ら血を溢れさせて武器を取り出すような描写が見られる。
左上腕には炎を模したような刺青がある。
※アニメでは「メスを武器とする描写」が放送コードに引っ掛かったのか、白または赤く光るシルエット等に差し替えられた。
性格・行動
基本的に冷静ではあるが感情の起伏は意外にも大きく、「♪」を飛ばして歩くなど目に見えて上機嫌な時もあれば、内心で「⁉」を連発して動揺していることもある。
沸点も低めで激高こそしないが、唐突にキレて周囲をゾッとさせたりする。
常に敬語で言葉遣いは丁寧だが、茶目っ気を織り交ぜたり含みのある言い回しが多く、他人を困惑・混乱させたり、不愉快にさせることが多い。
非常に好戦的で常に強者との戦闘を望み、GetBackersや塔の住人など強さを秘めた相手や強者同士のバトルにも強い関心を持つ。それらの期待を裏切られると途端に不機嫌になり、それを隠そうともしない。
戦闘に持ち込む為、あるいは相手の強さを引き出す為、あからさまな挑発行動をとったり、戦闘指南をすることもある。
不意をつくように大人気なさを発揮し、時には手段を選ばない。
気まぐれで気分屋、同業者の馬車號造には「長い付き合いでも何を考えているかわからない」と評される。
現在売り出し中のGetBackersの二人のうち、雷帝を倒した邪眼の男には出会う以前からその真の力に興味があり、自らの底を知るに相応しい相手なのか闘う機会を窺っていた。
無限城では雷帝の意外性に惹かれて、MAKUBEXから雷帝と闘うことを依頼報酬として受け取った。
前述の通り一対一の命を懸けた戦いを好む赤屍だが、戦争に準ずる集団同士の戦いへの反感を示唆する描写がある。
力の中心となりがちな雷帝を内に抱え、常に無自覚のまま戦争に加担し、赤屍と逆行するかのような行動をとる天野銀次に対する「殺さねば失う」という忠告はそのひとつと見られる。
「か弱い人間はこりごり」と漏らすが、女性や子供には甘いところがある。また、亡くした子供の蘇生を願い策謀する親の妄執を嫌悪し、憎悪する様子すらみせた。旧知である奏蝉丸はその怒りは己への幻滅であり、赤屍の強さの根底には悲しみが横たわると評した。しかし、本人はこれを頑なに否定した。
他人の依頼結果に興味を持ち、それを見届けようとすることが多々ある。
友情や愛情などお互いを思う気持ちについて「自分のような者には理解できないが面白い」と、GetBackersの絆を信じて疑っていない節がある。仲介屋ヘブンには「男女の性別は遺伝子を淘汰しシャッフルする為にある」と述べたが、これは遺伝子学の話で赤屍独自の持論ではないばかりか、愛の力を見届ける為に依頼を受け、それを確信したかのように依頼を終わらせた。
また、冬木士度を指して「今となっては命を大切にしなくてはいけない」と音羽マドカを気遣うそぶりを見せたこともある。
何事にも興味や好奇心を優先するようで、内容に矛盾が起きなければ依頼の掛け持ちもする。
競合相手を見逃すことや、「面白ければいい」として敵対する勢力同士から同時に依頼を受けることもある。
別件依頼は完了するまで同行するパーティーには伝えず、時にはユダと称されるが、元来誰の味方でもないため裏切り者にもなりえない存在である。
仕事に対して決して不誠実なわけではなく、作中で依頼途中に帰ったのは登場エピソードのみ。
鬼里人での依頼も依頼者の一人であった士度の目的は果たされていた。
依頼中、無限城キャンディーの実験を行っていた博士(ドクトル)と出会い、以降は彼女から受けた仕事を基準に行動する。
博士の依頼内容については作中で全てが明かされるわけではないが、天野銀次を鬼里人の里へ運ぶこと、工藤卑弥呼を鏡の中のヒミコの元へ運ぶこと等、全ては悪鬼の戦い(オウガバトル)へ向けたものであり、『刻が動く』場所へGetBackersを運ぶことであったと示唆される。
以上のように、殺人者として知られる赤屍には似つかわしくない不可解な行動も多いが、雷帝と闘いたがったのも、美堂蛮の実力を計ろうとしたのも、全てはヒトの限界を超えてしまった自分の存在意義を知る為、限界を知る為の探究心から生まれた行動であるようだ。
また、赤屍は色々な感情や言葉を掘り下げる立ち位置にあると原作者に語られている。
超越者として
超越者を名のる者、超越者と称される者が、死を乗り越えたもの、聖痕(スティグマ)を持つ者に代表されるように数多く登場するが、ベルトラインの入り口ごと次元を切り裂くなど赤屍のそれは他者を凌駕したものである。
来栖柾は赤屍が自分同様に違う時間の流れを生きていると予測し、バビロン・シティから降りてきた存在であると考えていた。
しかし、同じくブレイントラストで倉庫(アーカイバ)から直接情報を引き出す特権を与えられていた鏡形而がそれを否定する描写がみられる。倉庫からはMAKUBEXもまた簡単にその情報(後述)を引き出している。クオリアを統一するシステムである無限城の神とされるTHE CLOCKには超越者・赤屍蔵人は「大いなる未知数」と評された。
元は戦地で従事する医師・赤羽蔵人であった。
セカイをバビロンのバックアップとするクオリア計画の最中、絶望の中から意思の力に目覚め、セカイの仕組みと摂理を知り、人間の限界を超え超越者となった。その過程は天野博士により確認され、倉庫にも記されている。
当時、とても大切に思っていた少年を救う事が叶わず、そこから覚醒が始まったとされる。鬼里人での会話からは、結果より過程に重きを置く彼のスタイルが、いつ終わるとも知れない戦場で、死という結果の分かりきった患者の治療に当たっていた時から変わらなかった事を窺い知る事が出来る。
バビロン・シティでは赤羽蔵人として新宿の外科医を営んでいると自己紹介し、創生の王にバビロン・シティを案内した。
同じくバビロンに住む風鳥院花月・筧十兵衛と接触した天野銀次は二人が自分の知るセカイの二人とは違う存在であるとし、他の知己に逢うことを拒否したが、赤羽のことは赤屍と呼びその存在を同一の者と認識していた。
バビロンへ辿りつく為にセカイを作ったブレイントラストですら参加を余儀なくされた悪鬼の戦い(オウガバトル)への参加意思も最初から無く、倉庫の縛りなしにセカイとバビロン・シティを行き来する描写があった唯一の人物。
原作者のお気入り
原作者は連載中のインタビュー等で一番好きなキャラ。
「赤屍、すごく面白いヤツ」「あんなキャラ他にいない」と答えている。
連載終了後には「主人公の二人を除けば赤屍」とも回答。
連載以前、作画の綾峰がデザイン画を提出した際に赤屍のキャラクターデザインは一発で決まり、後のアニメ化で反映されたか不明だが声も想像がついたとのこと。
また、終了後インタビューではGetBackersを連載していて良かったと思ったことに赤屍のテレホンカードが作られたことをあげ、編集部の印象も「赤屍は原作者のお気入り」であったようだ。
Twitter上で好きな理由として「いつも楽しそう」「トラウマを抱えている」「純粋」「ポリシーがある」「作者すら何をするかわからないスリルがある」などをあげ、他にも色々あることを明かした。
連載終了時、彼が超越した過程を何時か描きたいと話していたが、度々スピンオフをやりたいとも呟いている。
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