聖痕
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せいこん
キリスト教における奇蹟信仰の一つ。
敬虔な信徒にイエス=キリストが磔刑で受けた傷と同じ個所から出血が発生する現象で、世界中で報告が上がっている。
英語では「スティグマ【stigma】」と呼ばれる。
世界中で確認される原因不詳の出血現象。
かつてイエス・キリスト(ナザレのイエス)が、ゴルゴダの丘で磔刑に処された際に受けた傷と同じ箇所から、突如として出血が生じる。
出血箇所は、荊冠を戴いた額、杭を打ち込まれた掌や足の甲、十字架を背負った背中、槍に刺された脇腹に生じることが共通する。
出血は不定期、かつ痛みを伴う場合もあれば無痛で訪れることもあるという。どこか1箇所(多くは手足)だけがほとんどだが、稀に複数箇所に生じる者もいる。
また出血した痕が残る者もあれば、何事もなかったように綺麗に治癒する者もいる。
聖痕を得た者には特別な力が宿るともされ、天使や聖人(特に女性は聖母マリア)の夢を頻回に見るようになったり、病人や怪我人に触れると病や傷が早く治ったという報告も上がっている。
カトリック教会の記録では、12世紀の修道士アッシジのフランチェスコが最初の発現者とされる。
以後、現代に至るまで敬虔な信徒から多くの聖痕発現者が現れており、女性の発現率の方が高い。
こうした聖痕を発現させた者の元には、一目その奇跡を拝もうと信徒が押しかけ、多額の喜捨を得たりもする。
一方で自傷行為による「偽の聖痕」を後が絶えず、それを悪役して同じ信徒から財産を掠め取ろうとする不届者も多い。
科学的な検知からは、はっきりとした原因が特定されていない。しかし近年の研究で「キリストの杭が打たれた箇所は掌ではなく手首ではないか」という新説が有力視されると、聖痕の発現も掌ではなく手首に見られるようになる。
このことから、聖痕は「敬虔な信者の強い信仰心が起こす自己催眠」ではないか、という仮説が提唱されている。
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