概要
自動車メーカーのカタログラインナップには存在せず、特装車メーカーで市販の完成車をベースに改造される。国鉄が最初に導入した機種のベースとなったマツダ製トラックのペットネームから、「ロンパー」あるいは「ロンパ」と呼ぶところもあるという。
主に深夜の保線作業で使用される。
旅客営業で使用される車両については「DMV」を参照。
通常の保線車両は保線基地から出動して作業現場へと向かうが、軌陸車は保線基地で準備をしておいて作業現場近くの踏切で待機。開始と同時に線路へ乗り入れて保線作業に着手出来る。このため作業時間を有効に活用できる。
走行方式はタイヤの駆動輪と鉄輪を接触させ摩擦で鉄輪を駆動する方式と、タイヤをレールに接触させて駆動する方式の2種類に大別される。パワーショベルなどの重機においては、鉄路上を走行させるための車輪のみを接した状態(キャタピラを浮かせている)で走行させている。
鉄道車両に比べると非常に軽いため、軌道回路による検知は出来ない。このため保守作業中は線路閉鎖が必須となる。
太平洋戦争下においては、日本陸軍が軍用として用いていたこともあり、九五式装甲軌道車(ソキ車:鉄路上も走行できる無限軌道の装甲車)や、一〇〇式鉄道牽引車などが開発・運用された。これらは駐留先の国の鉄道に合わせて軌間を変更できる構造になっており、軍用ではあるがフリーゲージトレインの要素も併せ持っている。