CV:竹本英史(TVシリーズ・劇場版共通)
概要
モノノ怪を斬ることが出来る唯一の武器にして存在の総称。モノノ怪を祓う薬売りが所持している。
詳細
普段は抜くことが出来ないが、モノノ怪の「形」、「真」、「理」が揃う(知る)事で抜くことが出来、それらが揃うことでモノノ怪を斬り祓うことが出来る。退魔の剣の力は非常に強力で、歯を合わせる音だけで発現直後の「怪」を祓うことが出来る。
退魔の剣は全部で64本の剣「六十四卦」が存在し、その中でも特別な力を持つ8本の剣「陰陽八卦」が存在する。
陰陽八卦の内「乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)」という名を持ち、それぞれが「天・沢・火・雷・風・水・山・地」の正象の属性を宿すとされる。8つの剣の内、陽の剣が「乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)」、陰の剣は「巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)」とされる。
陰陽八卦の上には「老陽」「少陽」「老陰」「少陰」の「四象」が存在し、そのまた上には「陽」と「陰」(中庸)が存在し、さらにその上には退魔の剣の最高位「太極」が存在するとされる。
「太極」は最も深く「業」に沈みながら「我」(固有意識、存在)を保つ存在であり、もっとも蒐我に近い存在とされる。
TVシリーズの退魔の剣・離は白髪の赤鬼のような柄頭を持ち、全長は懐刀程度で、劇場版に登場する退魔の剣・坤は赤髪と剥き出しの牙が特徴の鬼のような柄頭を持つことと彩色以外の長さなどは離とは対して変わらない。
明確に意思疎通出来るかは不明だが、自我や意識の様なものを持っており、「解き放つ」「封じる」などの単語を発することがある。また、モノノ怪の気配を感じ取る力を持ち、それらを薬売りに伝えてモノノ怪の居る場所へ導いている模様。また、モノノ怪が生まれるまでの経緯(真)、過去の光景を薬売りや関係者に見せることも出来る。
因みに蒐我とは「集合的無意識」「アカシックレコード」、仏教での彼岸の知恵「般若」であり、蒐我を知るということは「明心見性」と同じ意味を持つ。TVシリーズで退魔の剣は蒐我と繋がっていると思しき描写がある。
薬売りとの関係
退魔の剣が64本存在するの同時に、その使い手である薬売りも64人存在し、この世に存在するモノノ怪の数や脅威に応じて現れる数も決まるとされる。また、退魔の剣の位が薬売り達自身の位となる模様。
退魔の剣を解き放つと同時に戦闘形態とも言える剣士のような姿「神儀」に変貌する(詳細は後述の神儀)。
薬売りの総本山は「十翼」にあるとされ、その場所は蒐我の中で遍在化しており、世界のどこにでもあってどこにもない場所とされる。
モノノ怪が現世に誕生していない際には薬売り達は十翼におり、薬売り同士で会話などを行うこともある模様。薬売り達は刻(時間)と座(空間)を自由に切り替えることで現世の様々な時代に現れることが可能。
神儀
薬売りがモノノ怪の形・真・理の3つが揃ったことで退魔の剣を解き放った際に変貌する戦闘に特化した姿。
細かな姿形は退魔の剣によって異なるようだが、共通して癖毛の長い髪と長い耳を持ち、肌は褐色、目は黒白目、体格もやや筋肉質という戦闘向きの姿となり、大きな差異は神儀によって髪色と服装が異なること(TVシリーズは白髪で金色の装束を着用し、劇場版は黒髪で白色の着物を左側のみ着崩して着用している)。
薬売りと同一人物と認識されることが多いが、実際は退魔の剣に宿る精霊のような存在で、厳密には薬売りとは異なる存在であり、退魔の剣が抜けた際に薬売りと同化しつつ肉体の主導権は薬売りに委ねているとされる。それ故に蒐我では薬売りと神儀が同時に存在することもあり得るとされる。
余談だが、神儀のスタンスはウルトラマンに近く、肉体は同化しつつ精神の主導権を使い手に委ねるというスタンスで成り立っているとのこと。