野地数興
のじかずおき
「やめねえよ……
相撲が好きなこの俺を こったら大きくしてくれてありがとう。
この恵まれた体で 一番になるんだ!」
『火ノ丸相撲』における「国宝」の中でもかなり遅くになってから登場した、巨漢力士。作中では数少ないアンコ型。
堂々たる巨漢ながら俊敏な動きが取れるという力士の理想系を体言した非常に高い身体能力の持ち主。
反面性格は非常に温厚で作中で「気は優しくて力持ち、を地でいく人気力士」として紹介される好青年。
恵まれた体格ゆえに相手を負傷させてしまうことも多く、性格から引きずってしまいがちな欠点も存在する。
実際番付の上下は激しいらしく「エレベータ力士」(エレベーターのように番付が上下する力士の隠語)として陰口を叩かれるなど高評価されていたとは言い難いが、その肉体を維持できるポテンシャルとセルフマネージメントは角界においても一線級であり、天王寺からも「今の地位に収まっててよい男じゃない」と高い評価を受けており、陰ながら応援されている。
鬼丸も彼との取組で右腕に大きな負傷を負い、必殺の右下手投げを失った事で鬼丸は更なる窮地に立たされる事になってしまい更に「危険を侵してでも、自分より大きな相手を投げ飛ばす」という自分のスタイルさえ揺らいでしまうという一大事に見舞われている。
対横綱の為集まった合宿稽古で鬼丸が「右腕はもう使えない」と明かした際には、周囲に弱点として突いてくると危惧して「こんなところで言っちゃいけない」と庇おうとするなど作中随一の好漢である。
ただ、競争相手をも気遣う人格のためか、対戦相手を壊してしまう可能性にトラウマがあり、鍛え上げた肉体がもたらした副作用も火ノ丸や鬼切のそれらとは対照的。当然、観客からの反応も違う。ある意味では草薙の小竜景光への想いと似ている。彼らの苦悩は周囲から理解されにくく寧ろ甘えや我が儘とも捉えられかねない代物である。
単行本の書き下ろしで、他の国宝達への好感度と彼らからの好感度が最も高いこと、天王寺や加納とは小学生時代からの付き合いであることが判明した。天王寺と加納は、それぞれ最も仲良い国宝に数珠丸を挙げている(一方で、天王寺と加納は大相撲に入ってから話せてない事がネック?になっている模様)。火ノ丸とも、合宿を経てつっかえていた物が取れた。
先述の通り悪い奴では無いのだが、本編通してその扱いは良いとは言いえない。
登場自体遅い上に他の国宝の様に大仰な話や大太刀高校相撲部メンバーとの絡みはほぼ無く、初登場はナレーションによる紹介。
さらに登場早々久世草介に黒星を付けられる。
他の国宝の様な必殺技も無い上にアニメに至ってはなんと存在が消されるという始末である。