犬に死んだふりの芸を教えるのが普通だが、こいつの場合教えるのは犬のほうなんだからね。
カードとしての能力
カード名 | 野生の雑種犬/Wild Mongrel |
---|---|
マナ・コスト | (1)(緑) |
カード・タイプ | クリーチャー — 犬(dog) |
パワー/タフネス | 2/2 |
能力 | カードを1枚捨てる:野生の雑種犬はターン終了時まで+1/+1の修整を受けるとともに、あなたが選んだ1色の色になる。 |
解説
オデッセイ・ブロックにて収録された緑クリーチャー。
同ブロックの犬サイクルという2/2の犬クリーチャーのサイクルの緑担当なのだが、ぶっちゃけサイクル最強を通り越して当時の二マナ域クリーチャーのエースともいえる活躍をしたパワーカードである。その人気ぶりは当時の緑を主軸にしたデッキならほぼ必ずと言っていいほど採用されているほどで、オデッセイブロックのトップレアといわれた”獣群の呼び声/Call of the Herd”をうわまわるほど。
基本スペックはまったく同じコスト&サイズの灰色熊に手札を消費して自信を強化する能力を与えたものだが、この能力がオデッセイのテーマである墓地利用に非常にマッチしている。
一見手札を捨てるというのはカードゲームにおいて重いコストに思われるが、同ブロックにはスレッショルトと呼ばれる墓地に7枚以上カードがあると強化される能力、フラッシュバックと呼ばれる墓地にある場合指定されたコストを支払えば効果が発揮されるため二度使える呪文(もっとも雑種犬が捨てるフラッシュバックカードは墓地で唱えたほうが安い類だろうが)、マッドネスという手札から捨てる際に指定されたコストを支払うと普通に使用した時のように効果が発揮されるカード(なかには捨てる行為から戦場に出るクリーチャーもいる)、不可思議という墓地にあり自分が島をコントロールしていると自軍クリーチャー全部が飛行を得るインカーネーションなどがあり、手札を払うだけで自身を強化される雑種犬との相性が抜群であった。
そうして得られる”+1/+1され色を変える”能力もなかなか強力。上記のカード以外でも中盤以降あまり勝ちの土地を支払えばコンバットトリック風に使えるし、色を変えることで当時標準的だった”同じ色の黒には使えない黒の単体除去呪文”をいなしたり畏怖やプロテクションで自陣をすり抜けようとするクリーチャーを迎撃したり逆に防御円から色をずらしてダメージを与えたりと八面六臂の活躍をしていた。(おかげでJon Finke氏が優勝した際にデザインしたインビテーショナルカードである”影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator”は能力を使った雑種犬に返り討ちにされてしまうため思ったほど活躍できなかった。)
未来予知以降ではタルモゴイフという更にお手軽にサイズを強化できるクリーチャーにお株を奪われがちになったが、あちらがレアなのに対してこっちはコモンなので、パウパーというコモンでやりくりするタイプのゲームでなら主戦力を担えるであろう。
余談
ちなみに他の色の犬たちはというと・・・
野生の雑種犬ほどではないが一応灰色クマの上位互換。リミテッドならなかなか使える。というか雑種犬がおかしすぎるのだ。
カード名 | 幻影の仔/Phantom Whelp |
---|---|
マナ・コスト | (1)(青) |
カード・タイプ | クリーチャー — イリュージョン(Illusion)・犬(dog) |
パワー/タフネス | 2/2 |
能力 | 幻影の仔が攻撃かブロックしたとき、戦闘終了時に幻影の仔をオーナーの手札に戻す。(それが戦場にある場合にのみ戻す。) |
サイクル最大のハズレ。致死ダメージを負わない場合はいちいち手札に戻ってしまうため出し入れするのが面倒。
汚い野犬がダメージを与えられるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを失う。|
ジャッカルの仔の劣化バージョン(パワーは同じなのにコストが増えている・ライフロスなので防御円では防げない)。中盤以降は怖くて出せない・・・というか、火力呪文でまとめて損害を喰らう。
カード名 | 狂犬/Mad Dog |
---|---|
マナ・コスト | (1)(赤) |
カード・タイプ | クリーチャー — 犬(dog) |
パワー/タフネス | 2/2 |
能力 | あなたの終了ステップの開始時に、狂犬がこのターン攻撃しておらず、なおかつ狂犬がこのターンにあなたのコントロール下になったのでもない場合、狂犬を生け贄に捧げる。 |
これまた熊未満なのだが、出たターンは攻撃しなくても大丈夫なのでチャンプブロック要員とか戦線の水増しぐらいなら使えなくもない。