(※)尚、タグ名には阿魔『乃』邪鬼となっているが、正しくは阿魔『野』邪鬼である。
概要
横山光輝『伊賀の影丸』に登場する甲賀流の忍者。主人公である影丸の宿命のライバルというべき存在。
剣術、手裏剣、跳躍力など様々な方面でも一流の忍者であるが、その最大の武器は不死身の邪鬼と呼ばれるほどの生命力。トカゲが尾を斬られても再生するように、致命傷を負ったとしても数時間経てば蘇ってくる。本人曰く、200年以上生き続けてきたらしい。そのためか、数々の腕利きの忍者の間で、「甲賀に不死身と呼ばれる忍者がいると聞いたことがある」と、伝説のように語られてきたという。
その再生能力を使わなくとも十分に強く、相手の忍者が相当に実力がありかつ必殺技(切り札)を使わない限り多数を相手にしてもまず負けることはなく、敵の能力を把握するためあえて敗れ、復活した後に倒すことも多い。
そのためかプライドが非常に高く、甲賀七人衆を率いて若葉城に仕えていた際、影丸に敗れたことで火中に飛び込み自害したかと思われたが生存しており、それ以来影丸を付け狙っていた。
『由比正雪』の巻では影丸と再戦するが、仲間の忍者を正雪の部下に倒された影丸と切り結ぶ際に不覚から風下に立ってしまい、倒される。そして「今更お前の命を奪ってもどうなるものでもない」と、とどめを刺されなかったことで完全な敗北を認める。
『邪鬼秘帳』の巻では影丸の実力を認めており、陰から影丸の任務遂行を支えた。その理由は「2度もこの邪鬼を破った男をほかの者に倒させてはわしの自尊心がゆるさない」から。そして、影丸もその気持ちを汲み、邪鬼の命を助けている。
邪鬼「どうしてわしをころさなかった?」
影丸「おまえにはたびたびたすけられたようにおもうのでな」
(中略)
邪鬼「そのおかえしか!?」
影丸「そのとおりだ」
邪鬼、去っていく影丸を眺め、心から愉快そうに
「あの若ぞうめ、いつもながらやることがにくいわい!!」
(『邪鬼秘帳』の巻より)
この回では邪鬼の顔は終始基本的に穏やかだった。また、何度も対戦した経験から、影丸の木の葉の術を2度に渡り回避している。そして、影丸に借りを返す(陰謀の決定的な証拠を示し、影丸の任務を終わらせる)と、再戦を誓ってどこへともなく姿を消した。
関連項目
- 伊賀の影丸
- 薬師寺天膳:山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」の登場キャラクターであり、本キャラの元ネタ(オマージュ元)。「傷が即座に治る不死の肉体」「二百年近い時を生きている」「黒い総髪、細い目、美形中年」など、設定や外見特徴などの多くが共通する。但し、邪鬼が甲賀流の忍者であるのに対して天膳は伊賀流の忍者という違いもある。また、同作のコミカライズである「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」における薬師寺天膳は、逆に邪鬼のデザインをオマージュしたとも取れる外見になっている。