陸幕調査部別室
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りくばくちょうさぶべっしつ
旧防衛庁の陸上幕僚監部にかつて存在した情報機関。通称「調別」。現在の防衛省情報本部電波情報部に当たる。
日本の旧防衛庁(現防衛省)、陸上自衛隊を管理する陸上幕僚監部にかつて存在した情報機関。正式名称「陸上幕僚監部調査部第2課別室」、通称調別(ちょうべつ)、2別(にべつ)、陸幕二部別室(りくばくにぶべっしつ)など。
詳細はあまり公表されていないが、主に通信傍受や電波傍受による諜報活動(シギント)で情報収集を行っていたとされる。
実質的には警察庁の事実上の出先機関である内閣情報調査室の下部機関となっており、歴代トップは警察官僚が占めていた。入手した情報も、防衛庁より先に警察庁へと上げられ、警察庁の独自情報として首相官邸に傍受情報が報告されていたという。
後に防衛省情報本部の電波情報部へと改組され、廃止された。しかし電波情報部となった現在も、電波部長には代々警察官僚が出向して就任している。
調別は終戦後、旧日本陸軍中央特種情報部(特情部)出身の自衛官を中心に陸上幕僚監部第2部別室(2別)が設置されたことから始まる。後の1978年、2別が改編されたことで陸上幕僚監部調査部調査第2課別室(調別)となった。
1983年、ソビエト連邦上空に侵入した民間旅客機をソ連が撃墜した大韓航空機撃墜事件では、調別がソ連の撃墜指令を無線傍受しており、当初シラを切っていたソ連側に米国がこれを公表して追及したことで、調別の名が広く知られるようになった。
しかし1997年、防衛庁内の他の情報機関とともに情報本部へと統合され、情報本部の電波情報部に改組される形で廃止。現在は電波情報部が調別の任務を引き継いでいる。
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