概要
雲龍は、日本海軍が太平洋戦争期に量産した雲龍型空母の1番艦。
本艦は、戦時の損耗の補充を狙いとしたマル急計画の一環として計画された。重巡洋艦伊吹とは同期に当たる。
その狙いにもかかわらず、余裕のある平時に建造された飛龍の設計を(艦政本部が手一杯だったため)流用したせいか、竣工は日米空母同士のまともな最後の戦いとなったマリアナ沖海戦よりもあとの1944年8月6日となった。それでも飛龍より約1年工事期間を短縮している。
ほぼ同じ頃に竣工した2番艦天城と第1航空戦隊を編成した(10月には3番艦の葛城が編入された)が、レイテ沖海戦には、訓練途上であったのと載せるべき艦載機(第601海軍航空隊)が直前に生起した台湾沖航空戦に引き抜かれ、残存機は瑞鶴を旗艦とする第3航空戦隊に編入されたため参加していない。
その後は格納庫を生かした高速輸送艦として用いられ、特攻兵器桜花と陸軍部隊をフィリピンに緊急輸送中の昭和19年12月19日、改ガトー級(バラオ級)潜水艦レッドフィッシュの雷撃を受けて爆沈。せっかくの空母なのだから、哨戒機の1機も積んでいればむざむざと昼間に沈められることはなかったのに、と嘆かれた。
なお、襲名艦として、海上自衛隊の潜水艦「うんりゅう」がある。