概要
漫画『弱虫ペダル』に登場する青八木一×鏑木一差のBLカップリング。
以下、記事内容に53巻までのネタバレを含みます。
また編集者の解釈が含まれますのでご注意ください。
詳細
青八木(現3年)と鏑木(現1年)の総北高校の先輩後輩カップリング。
一見全く合わなそうな二人だが、青八木が鏑木のことを「特別なバカ」「総北の光」と言ったり、鏑木が青八木に「オレの前では素直になって」と言ったり、スプリンター同士お互い特別な(?)先輩、後輩のようだ。また、『オレンジビーナの神様』は青鏑の代名詞ともいえる。
『オレンジビーナの神様』
鏑木はインターハイに向けて夜に一人でコソ練をしていた。先輩のアドバイスを聞かない鏑木に、青八木がオレンジビーナ(鏑木の好きな飲み物)を重石にしてアドバイスを書いたメモを置いた。これを見た鏑木は『オレンジビーナの神だ』と、神様を信じるようになる。青八木が神様だと普通は分かるシーンが何度もあったが鏑木は全く気付いてない。また青八木は、鏑木が「メモの言うことは聞く」と分かってから、メモをうまく利用しているシーンが多く見受けられる。
本編での描写
35巻
原作2年目インターハイ1日目スプリント争いに出る青八木と鏑木。この時点で鏑木は自分の脚質を理解していないためオーダーを不服に思うが、つべこべ言うなと青八木に耳を引っ張られる。生意気な後輩とその世話を焼く先輩という関係性がうかがえる。
36巻
表紙は青八木一。自分の100%の加速についてきた鏑木に期待を隠し切れない青八木。銅橋のアタックに反応できず諦めかけた時も鏑木の単純さと実力に救われる。鏑木のコソ練と神様のメモのエピソードが描かれているのもこの巻。鏑木は自分には神様がついているのだと青八木にだけ明かす。ファーストリザルト争いは青八木と銅橋になると思われたが、銅橋の力は青八木の想像を超えていた。そこに現れた鏑木一差。青八木はそれを総北の光と呼んだ。青八木から鏑木に手渡される神様のビンセン。それを見て鏑木はスプリンターとしての力を開花させる。
37巻
神様を思い全力でペダルを踏む鏑木。その時一瞬青八木の顔が思い浮かぶがそれがなぜかはわからないでいる。結果は敗北。しかし皆の思いを乗せて走っていることを鏑木は再認識し、次は勝つと青八木に誓う。青八木はそんな鏑木にまっすぐのびていけと願う。
39巻
インターハイ1日目の最終局面。自分がゴールを獲りに行っていいのかとイキる鏑木を青八木が捕まえて抑える。アニメではここで鏑木の尻が露出された。
41巻
インターハイ1日目終了。蓄積した疲労によりテントで突然倒れる鏑木。(このあと部屋で休む鏑木の側についていたのは青八木であったことが次の巻で判明する)
42巻
表紙は鏑木一差。インターハイ2日目スタートライン。昨晩倒れたことでガチガチに緊張しパニックを起こしている鏑木をコントロールしたのは青八木。そのことに他の部員が驚く。いったん落ち着いたものの気持ちが高ぶっている鏑木はここで青八木を呼び捨てにし、ケチ呼ばわりする。2日目は登りから始まる。青八木は離れずついてこいと言うが、調子の上がらない鏑木はチームからちぎれてしまう。手嶋の反対を押し切り、救出に向かったのは青八木。あいつはオレにしか救出できないと強い決意を見せる。しかし待っていた青八木を見て、鏑木は青八木もちぎれて落ちてきたのだと勘違いする。青八木を助けるために前に出て引く鏑木。体調は万全だと青八木が言っても、オレの前では素直になってと鏑木は聞き入れない。そんな鏑木のことを青八木は特別なバカと呼び、鏑木に前を引かせたまま二人は集団に合流する。ふらついてもなおカブクワという珍しい虫がいたなどと言って青八木に対しカッコつける鏑木。だが集団から抜けるため、青八木が鏑木に手渡したのはどう考えてもカッコ悪いアニソンの歌詞だった。
43巻
歌詞は歌うものだと言う青八木に、これは女の子の歌詞だと予想通り恥ずかしがる鏑木。しかしやる前にわかることなどひとつもないと青八木は大声で歌う。青八木の真剣な目と、このメモは神様がくれたものであるという事実が鏑木の背中を押し、二人は恋のヒメヒメペッタンコを歌いながら集団から抜けることに成功する。
45巻
青八木と鏑木がチームに合流する。ここで小野田により青八木は鏑木を救出するためにチームを離れたという真実が鏑木に告げられる。ずっと青八木も落ちてきたものだと思っていた鏑木は驚愕するが、すぐに一番あざすじゃないすか!と感謝を告げる。失礼なことを言ったことに対しても、一番さーせんじゃないすかと謝罪。ここで1か月前に古賀の家で行われたミーティングの回想が挟まれる。鏑木は矢印のシャツを着ている。高層マンションにはしゃぐ鏑木を見て、青八木はこいつは誰かが監視する必要があると密かに思っている。
48巻
インターハイ2日目終了。ゴールを取れなかった今泉に対し、鏑木はゴートゥヘル(本人は地獄から這い上がれの意味で使用)と言い、青八木にツッコまれる。
49巻
インターハイ3日目朝。青八木の世話を焼きたがる鏑木だが、逆に世話を焼かれている。どんな時でも的確な指摘をする青八木のことを鏑木がてきかくおばけと呼ぶ場面も。そんなときに広島の浦久保が近づいてくる。青八木が膝に痛みを抱えていることを見抜いた浦久保は執拗に青八木に絡んでくる。はじめは様子を見ていた鏑木だが、ただならぬものを感じ取り、浦久保の胸倉をつかんで怒りをあらわにする。
50巻
インターハイ3日目、先頭に2名ずつ送り込んだ箱学と総北は残りのメンバー8名で協調することに。その意図に気づいていない鏑木は、青八木が箱学の黒田と交渉するのを見て「コラ青八木 離れてください」と叫ぶ。箱学と協調して走ることになってからは、その楽しさを神様に感謝する描写も。浦久保がなにか仕掛けてくるのではと青八木は警戒するが、鏑木は徹底的に明るく描かれ、その姿は対照的である。
51巻
集団に飲み込まれた手嶋を引き戻すため青八木はチームから離脱。その時のことを振り返り鏑木は「青八木さんは1回こうっていうときかないから」と発言。
52巻
いまだチームに合流できない手嶋と青八木。チームは二人を待っていたがそれも限界に近付いていた。箱学の動きに合わせて総北も加速する覚悟を決めたとき、あれが青八木さんと走る最後だったのだと鏑木は気づく。2日目動けなくなった自分を助けに来てくれた青八木。鏑木は昨夜そのことについて考えたという。そして「すげー感謝してますって伝えたかった」と。そんな鏑木に小野田は最後まで思えとアドバイスする。鏑木は青八木に”伝えたい”と全開で思うことを決意する。その後、浦久保たちとの勝負に勝った手嶋と青八木がついにチームに合流。鏑木は再び青八木と走れることに喜びを爆発させる。言おうと思っていたことを伝えようとするが、感激に言葉が出ない。久々に全員が揃いチームの士気が上がるがその時間も長くは続かない。もう何も残さなくていいと全開でチームを引く青八木。その背中は鏑木が世界で一番尊敬する先輩のものだ。鏑木は自然と涙がこぼれていた。青八木もまた全開で引きながら鏑木に語りかける。先に見える箱学の影、あれがオレのゴールだ、と。
53巻
青八木の全開を超えた走りの意味に気づく今泉、鳴子、小野田。これは青八木の最後の走りだと言う今泉に事実を受け止めたくない鏑木は泣きながら騒ぎ立てる。青八木さんは鉄のように強く、いつもオレの前にいてオレを導いてくれるのだと。リタイアなどありえないと。だが頭では理解していなくても体ではわかっているのだと今泉に言われ前を向く。鏑木がすべきことは青八木の願いを全身で受け継ぐことである。青八木は落ちる瞬間、お前のおかげでにぎやかなインターハイになったとやり切った顔をしていた。青八木の離脱と引き換えに箱学に追いついた総北。そのことを冷静で的確な判断だったと言われ、青八木さんは誰よりも強くて速くて優しいのだと吼える鏑木。目立っていなかったと言われた時にもそこが青八木さんのカッコイイところだと啖呵を切っていた。すべてを出し切った青八木は道端に転倒。空を見上げ、まっすぐに進めと鏑木に語りかける。山のふもとまで残り3km。1km先のスプリントを獲りに行くかと心配されるが、青八木に走りで教えられ、託された鏑木はチームのために走る。