概要
「風の伝説ザナドゥ」の漫画。PCエンジンFAN1994年2月号から1994年9月号にかけて連載された。著者は「ルイン~神の遺産~」のキャラクターデザインを手がけた近藤敏信氏。
副題である「ザ・リバース・オブ・ドラゴンスレイヤー」は、ストーリーの中心となるドラゴンスレイヤーの印象を強めるためにつけられた。
漫画版独自の設定やアレンジが施されている。特にアリオスとジードの関係については、ジードの一連の行動はアリオスを守るためだった等、兄弟の絆がより強く描かれている。
コミック化にあたり、ストーリーも原作をベースにしつつ、筆者のアレンジが加えられている。出番がないキャラクターもいるが、その分登場キャラクターを魅力的に描いていて、原作とはまた違ったドラゴンスレイヤーの物語を楽しめる。
ゲーム雑誌での連載で、さらに単行本化はされていないため、今では幻の漫画になっている。
登場人物
アリオス
主人公。若干15歳にして、王軍で百騎長を務める剣士。実の名はアネモス。千年前邪竜ダルダンディスを打ち破った勇者アイネアスの血を引く若者。普段は温和だが、クレーネを破壊することに躊躇するダイモスを叱咤するなど、言うべきときは言う性格。
ソフィア
エナスの孫娘。聖剣ドラゴンスレイヤーが安置されていた神殿にいた少女で、エナスに拾われて孫として育てられた。無意識で精神魔法を使うなど特異な力を持つ。正体は女神イシュタルによって、この世に生を受けた神の使い(天使)。聖剣の魂としてドラゴンスレイヤーに吸収されて消滅し、ドラゴンスレイヤーとしてアリオスと共にダルダンディスと戦った。
ダイモス
アリオスの右腕的存在。イシュタリア1の剣士だが、気弱な雰囲気の青年。メディアと出会い、彼女に惹かれていく。最終決戦では、自分の欲しいものは魔法ではなく、メディアとの未来だと悟り、クレーネを破壊することで、アリオスを助けた。
メディア
ワークスの娘でソフィアの姉的存在。朗らかで活発な性格。魔法だけでなく格闘技に長けている。ソフィアとは姉妹のような関係で、ソフィアの宿命を知った時には「あたしが代わるよ!!あたしの命を…」と自分が身代わりになると言うほど、ソフィアを実の妹のように大切に思っている。最終的にダイモスと相思相愛になった。
ジード
ドラゴンスレイヤーを探し求める謎の青年。アリオスに襲いかかったり、一方では、アリオスの窮地を救ったり、アリオスに剣の稽古をつけてやるなど、不可解な行動をとる。正体はアリオスの実の兄。一族の長老たちから疎まれて出奔して追われる身となっていて、追っ手に殺されて死んだと思われたが生き延びていた。アリオスより先に聖剣ドラゴンスレイヤーを手に入れ、ダルダンディスに立ち向かうが、返り討ちにあう。死の間際、すべてはアリオスを守るためだったことを話して、ドラゴンスレイヤーでみんなの未来を切り開いてくれと言い残して亡くなった。
エナス
ソフィアの義理の祖父。若い頃からアイネアスの伝説を求め放浪していた賢者。聖剣ドラゴンスレイヤーが安置されていた神殿でソフィアと出会い、彼女を孫として育てた。
ワークス
漫画版オリジナルキャラクター。メディアの父親。ソフィアの剣の師匠である男性。正義感と責任感が強い性格。エナスと同じく、邪竜ダルダンディスの復活を予見して、アイネアスの伝説を求めて勇者を探していた。
アリオスの父親
アリオスとジードの父親。ワークスとも知り合い。一族の長老の命令で、出奔したジードを暗殺する使命を与えられるが、返り討ちにされて顔に傷を負っている。しかし、ジードを生かすためにわざとジードの攻撃を受けたのが真相で、ジードに自分の夢を追うように言って、アリオスの未来を守るように頼んでいた。
邪竜ダルダンディス
千年前、勇者アイネアスに倒された邪竜。クレーネの力を得て現代に復活した。普段は筋骨隆々とした人間の男性のような姿をとる。
トゥーン
ダルダンディス配下の魔物。ジードに倒されて死亡。
カコース
魔将軍。ダルダンディスから、トューンを倒した者(ジード)を始末するように命令されて、ジードを襲撃するが、返り討ちにあい死亡。
キャラン・ローゼ
通称『魔将軍ローゼ』 ダルダンディスの命令で聖剣ドラゴンスレイヤーを探して、神殿に攻め込む。ソフィアを人質にとり、エナスを殺害するが、エナスが殺されるのを見てショックを受けたソフィアが発した精神魔法によって消滅。
余談
単行本発売の告知はされていたが、結局単行本化することはなく、幻の漫画となっている。メディアミックス展開に積極的なファルコムには珍しいことだが、この人と同じような版権問題等大人の事情があったかと思われる。
関連タグ
風の伝説ザナドゥ アリオス・アレクトル ソフィア(風の伝説ザナドゥ) メディア(風の伝説ザナドゥ) ジード・アイネアデス