概要
1994年、PCエンジン SUPER CD-ROM²用タイトルとして発表。日本ファルコムが自ら家庭用ゲーム機向けにパブリッシュした最初の作品である。同社のドラゴンスレイヤーシリーズの第8作であり、シリーズ最終作でもある。
ドラゴンスレイヤーシリーズには同じく「ザナドゥ」というタイトルのゲームが存在するが(ドラゴンスレイヤー2に相当)、本作はオマージュしている部分はあるが基本的に独立したタイトルとなっており、直接の関連作という訳ではない。
SUPER CD-ROM²の大容量と高性能を活かし、当時としては珍しかったアニメーションムービーでのイベント描写、随所で展開されるボイス付きイベント、またCD音源を活かした高品質なBGMなど、当時の作品としては飛び抜けて豪華な内容であった。オープニングムービーで流れるテーマソング「風の伝説」は清涼感と疾走感あふれる名曲として人気が高い。
また、この当時のファルコムは自社作品のメディアミックス展開を積極的に行っており、当作品もラジオドラマ「風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」や、他のファルコムキャラと共演するラジオドラマ「TARAKOぱっぱらパラダイス」が発表されている。
一方で、過去作品を現代の技術でリメイク移植することを好む日本ファルコムには珍しく、2019年6月時点において直接のリメイク作は存在せず、キャラクターの他作登場は『VM JAPAN パワーアップキット ~富嶽幻遊記~』のみでその後はまったくない。主人公のアリオスに至っては「軌跡シリーズ」に名前を取られる始末で、幻の名作と化している。
また当時、PCエンジンFAN誌上で、近藤敏信氏によるコミック版「風の伝説ザナドゥ The Rebirth of Dragon Slayer」の連載もされていたが、単行本化はされておらず、こちらも幻のコミックとなっている。
ゲームシステム
フィールド探索パートとボス戦闘パートに大別される。
フィールド探索パートでは、平面で描写されたフィールドを、主人公アリオスを操作して探索を行う。
戦闘シーンへの移行は存在せず、敵への攻撃は直接の体当たりで行う。この時、攻撃相手に対して1/2キャラずらした状態で体当たりすると一方的に攻撃ができる(初期イースシリーズのシステムに類似しているとすれば理解しやすかろう)。
ボス戦闘パートではフィールド描写はサイドビュー形式となり、アリオスを操作してステージを踏破しボスとの戦闘を行う。鈴アイテムを取得することで仲間が駆けつけ、支援攻撃を行ってくれる。
なお、本作においてはレベルシステムは存在せず、アリオスのステータスは装備の交換と、それを使い込むことによる熟練度の上昇によって強化される。だがその章で最高ランクの武器を装備しないとボスにダメージを与えられないため、武器の熟練度をMAXにしてもそれがその章で安い武器だと無意味だったりする。
ストーリー
アイネアス叙事詩に語られる英雄王アイネアス。邪竜ダルダンディスとの壮絶な戦いを制し、クレーネジュエルによって世界に魔法の力の恩恵をもたらした英雄王の子孫、アリオス・アレクトルは、王都の百騎長となる程の戦果を挙げていたが、それ故に部下である無敵将軍ダイモスと共に辺境への左遷を余儀なくされていた。
西の辺境マクリアで、満足な武具さえ持たぬ雑兵達を束ね、魔軍の将軍カコースの本陣へ攻め入ったアリオスとダイモスであったが、敵軍の罠にかかり挟撃を受けて絶体絶命の状況に陥る。
事態を打開するため敵軍に単身斬り込むダイモス。彼を引き留めんと声を上げるアリオスを、何者かは突如連れ去ってしまう…
主な登場人物
シリーズの主人公。英雄王アイネアスの子孫にあたる。一族の里を出て、身分を隠して王都に出て、百騎長に出世する。アリオスの出世を妬んだ者たちによって辺境のクロノスのモンスター討伐に行かされて、罠にかかり窮地に陥ったところを、ヌースに助けられた。そのことがきっかけで邪竜ダルダンディスとの戦いに巻き込まれていく。聖剣ドラゴンスレイヤーの魂となったソフィアの助力を受けて、ダルダンディスとの死闘の末、クレーネ・ジュエルを破壊して、イシュタリアを魔法の呪縛から解放した。
「風の伝説ザナドゥⅡ」では行方不明になったリュコスを探して、新大陸アシュナールへ渡り、破壊神ルーゴンとの戦いに巻き込まれていく。破壊神ルーゴンを戦い倒すことで、神々の時代を終わらせた。
アクション面の性能は主に操作する主人公らしくオーソドックスで癖がない上にコントローラーのボタン数の少ないPCエンジンにおいて方向キーとボタンを組み合わせる事で多彩な攻撃手段を実装している。
Ⅰでは隠しコマンドで発動する上空からの回転斬りや乱舞技が強力。
Ⅱでは技が格闘ゲームのコマンド形式に変わり対空技「ライジングブレード」が追加されより攻撃パターンが多彩になった反面、Ⅰでは猛威を奮った乱舞技に相当する超必殺技「イーリガルブレイド」がボスの配置、移動範囲の都合でほぼ使用する機会が存在しなくなった上にタイムアタックモードにおいては完全上位互換であるランディスや火力で勝るスーパーピュラー、メルティナを操作したほうが高記録が達成できるなど、癖がない反面、決め手に欠ける性能となってしまった。
作中やドラマでは、アリオスを巡ってヒロインたちの恋愛模様も描かれたが、「CDドラマTARAKOぱっぱらパラダイス」でアリオスはダイモスを選ぶという衝撃的な展開を見せていた。
コミック版でも王都軍の百騎長を務めている。気さくで素直な性格。ジードを兄として慕うなど、始終対立していたゲーム版と違って、兄弟の絆も強く描かれていた。
CV:江原正士
無敵将軍の二つ名を持つ、アリオスの忠臣。アリオスと共にクロノスのモンスター討伐に赴き、そこでアリオスを助けるために囮となりモンスターに捕まってしまう。アリオスとリュコスによって助けられた後は、アリオスに従い、ダルダンディスとの戦いに身を投じる。
Ⅱでは、アリオスと共にモンスターの残党と戦っていたが、アリオスに共に新大陸アシュナールに渡る。妹メリナがヌースに仕えていると知り、ヌースと言い合うなど、シスコンな一面も見せていた。
アリオス同様、剣撃による衝撃波を放つが体格に優れている上に両手持ちで剣撃を放つ為、通常攻撃でもアリオスの溜め攻撃以上の威力と飛距離を誇る。
ドラマCD「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」ではダイモスのドラマ「衝撃の告白ダイモスの誕生日」が収録されているが、自分にプレゼントを届けに来たプロスタに自分の好きな相手がアリオスだと言うなど、かなり暴走している。ドラマの続編でもある「CDドラマTARAKOぱっぱらパラダイス」では愛をたぎらせ暴走した結果、アリオスの愛を最後に勝ち取るなど、公式でBL展開を見せるという衝撃的なことをしていた強烈なキャラ。
コミック版でもアリオスの部下だが、やや頼りない性格の青年。だがやるときはやるキャラで、劣勢のアリオスを助けるためにクレーネ・ジュエルを破壊した。
CV:矢尾一樹
弱い者や貧しい者を救う義賊。変装が得意。「全ての女性達の恋人」を自称していたが、Ⅱで恋人(メルティナ)ができたため、「全世界の女性の憧れの的」に変更している。風来坊で一見軽い雰囲気だが、マクリア国王がアリオスが死んでいればよかったとアリオスを責めたときは、身分差をものともせずに怒りをぶつけるなど、義侠心あふれる性格。
素早い身のこなしと連続して投擲されるナイフでの攻撃を得意とする。
Ⅱではアシュナールへ渡り、ルーゴン復活の鍵となる『7つの魂』の一つをもらったことで、マーカストに襲撃されて船が難破。ラザンの港町に流れ着いたところをメルティナに助けられた。やがてメルティナと恋仲になり、エンディングでは結婚して子供をもうけていた。
コミック版では登場しない。
- ヌース
CV:塩沢兼人
アリオスを助けた紫の髪の男。正体はダイモスの旧知である軍師。毒舌家。ちなみに音痴。Ⅱではイシュタリアの宰相を務めている。
アクション面では7章のみ参加。敵を凍らせる自作の薬が入ったフラスコを投げつける。この薬で凍らせた敵は足場にする事も可能で攻略面でも重宝する。
自分の身の回りをするメリナを巡ってダイモスと火花を散らす場面も見せていた。ちなみにメリナのことはまんざらでもないことがドラマCD「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」で描かれている。
コミック版では登場しない。
CV:勝生真沙子
パルティア神殿の守護騎士。古風な言葉遣いをする厳格な性格の美女。神官騎士として、ソフィアの護衛を務める。ソフィアとは心で交信できる能力を持つ。Ⅰではソフィアの護衛としてアリオスの仲間に加わる。
Ⅱではソフィアの命令でアリオスに聖剣ドラゴンスレイヤーを届けるためにアシュナールに赴いた。
設定上は優れた魔法使いではあるがⅠ、Ⅱ共にアクション面では弓と体術をメインに扱う。
コミック版では、ソフィアと姉妹のように育ったソフィアの姉貴分で、魔法と格闘技をたしなむ女戦士。ソフィアを実の妹のように思っていて、ソフィアの宿命を知ったときは「自分が代わりになる」と言うほど大切にしている。ダイモスと惹かれあい、最後は相思相愛になった。
CV:佐久間レイ
パルティア神殿の聖女。女神イシュタルの信仰する者の頂点として皆を導いている指導者。女神イシュタルの加護を受けているため、世界でただ一人、特別な修行なしに魔法が使える。特に回復魔法でソフィアの右に出るものはいない。正体は聖剣ドラゴンスレイヤーの魂であり管理者。ソフィアが魂となってドラゴンスレイヤーに宿ることで、ドラゴンスレイヤーは覚醒して真の力を発揮する…はずなのだが、Ⅱではドラゴンスレイヤーはソフィアの存在なしに破壊神ルーゴンの力に反応して単体で覚醒する。また回復魔法の専売特許をメルティナに奪われるなど、世界観の路線変更(選ばれた血筋の者ではなく、誰もが世界を救えるという「白き魔女」で見られた世界観の影響)のあおりを食らった不憫なキャラ。
Ⅱでは、破壊神ルーゴン復活の影響を受けて病に倒れてしまう。ついには起き上がれなくなるほど重症になるが、メディアにドラゴンスレイヤーを託してアリオスの力になるように、メディアをアシュナールに送るなど、遠くからアリオスの戦いを支援した。
気高く聡明な性格だが、自分たちを心配させたアリオスを突き飛ばしたピュラーに激昂して言い返したり、ダイモスに連れ去られたアリオスの居場所を知るクルルにすごい剣幕で教えるように迫るなど、誇り高さゆえの気性の激しさも持ち合わせている。「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」ではアリオスより3歳も年上だと知ってショックを受けて悩む可愛らしい一面も見せていた。
コミック版では聖剣ドラゴンスレイヤーが安置されている神殿にいたところをエナスに拾われて孫娘として育てられたという設定。アリオスと出会い、心を通わせる。正体は女神イシュタルの使い(天使)で前世は千年前でアイネアスとも面識があった。聖剣の魂としての自分の記憶を思い出し、宿命に従い、ドラゴンスレイヤーを覚醒させて消滅した(コミック版では人間として復活はしない)。
CV:山本百合子
おちゃめで元気な少女。大賢者エナスに師事し、クレーネジュエルの力を使わずに魔法を使うことができる魔法使い。エナスの命令でアリオスのお目付け役として仲間に加わる。喜怒哀楽が激しく純粋なピュラーはアリオス一行のムードメーカーになる。アルゴスとは仲良し友達。アリオスと行動を共にするうちにアリオスに恋心を抱くようになり、神女ヘルガにアリオスへの恋心を指摘されて動揺する場面も見せていた。
アクション面では主に強力な炎の魔法を扱う。
特にⅡでは3章から参戦する通常のピュラーと後半にイシュタルから授かる魔法の杖「スターワンド」によって大幅に攻撃力が強化された通称「スーパーピュラー」の2通りのキャラ性能が存在し、後者はタイムアタックモードで高記録を出す際には必須となる。
Ⅱではアリオスを追ってアシュナールへ赴くが、モンスターに捕まっていたところをアリオスに助けられた後、仲間に加わる。最終戦直前までアリオスのそばにいて支え続けた。
コミック版では登場しない。
CV:梁田清之
雪深い奥山の村に住むモンスター「イエティ」の勇者。クレーネ・ジュエルの光を浴びて苦しんでいたところを、アリオスやピュラーに助けられ、その後、仲間に加わって一緒に旅をするようになる。ピュラーとは仲良し友達。ちなみに声は男性声優だが、女性(雌)である。Ⅰのみの登場。フィールド面のみの参戦でアクション面では登場しない。
コミック版では登場しない。
- エナス
CV:槐柳二
ギムノスに住む賢者。ピュラーを引き取り魔法使いとして育てた。聖剣ドラゴンスレイヤーについて知る数少ない人物。コミック版では、ソフィアの育ての親。ワークスと共にダルダンディスの復活を予見して、聖剣ドラゴンスレイヤーと予言の勇者を探していた。キャランローゼに人質にとられたソフィアを助けようとして返り討ちにあい死亡。エナスがソフィアに託したエンブレムによって、ソフィアは前世の記憶を取り戻し、己の宿命を悟ることになった。
エナス役の槐氏は他にも作中にてプロローグでアリオスに伝承を語る老人役や老人に化けたダルダンディス役も兼ねている。
- ワークス
コミック版のみ登場。メディアの父であり、ソフィアの師匠。伝説の勇者(アリオス)を探している。
名前の由来は連載時の雑誌の発行元である「メディアワークス」からと思われる。
CV:中尾隆聖
10章のステージボス。モンスターを率いてパルティア神殿に侵入した謎の男。正体はアリオスの実兄。本名はジード・アイネアデス。アステル王朝復興を訴え、一族を追放された。邪竜ダルダンディスに仕えているが、ドラゴンスレイヤーを手中に収め、ダルダンディスにとって代わろうと企む。
ボス戦時にはイベントでも猛威を奮った金縛りの魔法とアリオス、ダイモスとは異なる独自の剣技を操る第一形態と鎧を纏った巨大なメカのような姿の第二形態との連戦となる。
アリオスと戦い敗れることで、自分の考えが間違っていたと悟り、アリオスに看取られて亡くなった。
最終章ステージにて彼が用いた突きの衝撃波の剣技のみボタン溜め長押しでアリオスも使用可能となる。
コミック版でもアリオスの実兄という設定は変わりないが、アリオスに稽古をつけてやったりと、一匹狼な性格だが根は優しい青年。父との約束で影からアリオスを守っていたり、聖剣を先に手にしてアリオスの代わりにダルダンディスと戦うなど、アリオスへの親密さが描かれて兄弟の絆が強くなっている。Ⅰのみの登場。
CV:高山みなみ
パルティア神殿の神官。パルティア神殿の扉を開けることができる『扉の司』の務めを果たしている。プロスタがモンスターの襲撃で重傷を負い、パルティア神殿の扉を開くことができない状態になり、パルティア神殿に残されているソフィアの救出を第一に考える大神官ゼノビアによって毒殺されそうになったが(プロスタが死ぬか、結婚して還俗しないかぎり、扉の司の力は他の神官に引き継ぐことができないため)、マザー・フィリアの機転でダイモスと仮の結婚をして還俗することで命を救われた。Ⅱではプロローグに登場。神官に復帰したが、今でもダイモスの妻でいるつもりだと話していた。だが「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」でダイモスの好きな人がアリオスと知りショックを受けたと思われる。
パルティア神殿編における重要キャラだったが、コミック版では登場しない。
- リアラ
織物商人の女性。正体はジードの部下で蜘蛛のモンスター。だがジードへの愛は本物で、彼女が死に際に見せたジードへの一途な想いには精霊たちも賛嘆していた。
コミック版では登場しない。
- ダルダンディス
CV:小林修
最終章のステージボス。異世界から飛来した邪竜。千年前に勇者アイネアスに倒されたが、現代に復活して再びクレーネの魔力を手に入れ王都を掌握しイシュタリア全土を恐怖で支配する事を企む。アリオスと対峙した際には彼をアイネアスの子孫と知った上で「お前こそアイネアス自身」、「ワシとお前とは決して合い交わらぬ風同士」、「今度こそこのダルダンディスが勝利する!」と未だにアイネアスとの決着に対する強い執着を露にしていた。驚異的なスピードから多彩な攻撃を放つ人型の第一形態と空中を舞台に圧倒的な火力を誇る巨大な竜型の第二形態との連戦となる。Ⅰのみの登場。
- クレーネ(クレーネ・ジュエル)
CV:小林優子
Ⅰの実質的なラスボス。ダルダンディスが携えていた魔法の宝石で彼の力の源。美しい女性の姿を投影して優しい口調で語りかけてくるがその本性は気が短く傲慢。千年前の戦いの後、アイネアスを新たな主とし人間に魔法の恩恵を与える事でアステル王朝建立と文明発展に助力してきたがその裏では自らが与える魔法の力で人間を依存、堕落させ実質的に人間を支配し、イシュタリア全土に結界を張り他の大陸から完全に孤立しイシュタリアを影から支配していた。欲望を持つ主を求め続けイシュタリアの歴史の中で争いを誘発してアステル王朝すら滅ぼした。それでも飽き足らずダルダンディスが復活すると再び彼に仕え、人間に対して恩恵として与えてきた魔力を一転して破壊や殺戮として向けるようになる。ダルダンディスが再度倒されると、千年前同様にアリオスを主になるよう前述の美しい女性の姿と優しい口調で誘うが拒まれ、逆上してアリオスたちに襲いかかる。
※作中最後の戦いだがアリオスたちはどれだけダメージを受けてもゲームオーバーになる事はないイベント戦である。
最期はアリオスたち全員の総攻撃を受けて生じたヒビから魔力の暴発を起こし粉々に砕かれ消滅した。その正体についてはピュラーやメディアからは「魔法を極めた邪悪な魔法使いの成れの果て」ではないかと推測されている。Ⅰのみの登場。
- 四風神
Ⅰのみの登場。10章の舞台となるイシュタリアの上空に存在する空中都市「かげろうの町」と住民の精霊達を統括する北風、南風、東風、西風の4人の風の精霊の総称。女神イシュタルの事を「母上」と呼び千年前のアイネアスとも面識がありダルダンディスに対抗する手段として彼にドラゴンスレイヤーを授けている。ドラゴンスレイヤーに魂を込める為には各所に散らばった彼等から儀式を受ける必要があり敵の襲撃を倒しながら彼等を探し儀式を受けるのが10章の主な目的である。
10章に先立って9章にもボスとして蝙蝠状の翼の生えたライオンの姿の分身体としてそれぞれを奉る神殿に登場しており試練としてアリオスに挑んでいる。
全ての儀式を終わらせイベント全て終わらせるとボスステージまでの短い間だが全員アリオスと共に戦ってくれる(ボスステージで呼べるのは長男の北風のみ)。
1の各章ステージボス
ダルダンディス、ジード、四風神を除く各章のステージボスの紹介
- ヴォーミット
序章のステージボス。遥か昔にイクティア島にてボルダ、カスタの力自慢兄弟によって配下のモンスター共々洞窟に封印されていた。時を経てボルダ、カスタの子孫達の対立の結果、封印に綻びが生じ完全に封印を解く為に島中に配下のモンスターを放ち人間を襲撃する。
人間を見下しており2種類の軌道の炎のブレスを操るが所詮は辺境のボスモンスターに過ぎず王都の百騎長であるアリオスの敵ではなかった。
- メイドープル
第1章のステージボス。鎧を纏った大型の人型モンスター。
カコースの配下だがアリオス達を仕留めきれなかった事に対しては「こんな小僧に手こずるとはカコース様もヤキが回ったものだ」と主に対して半ば小馬鹿にするような発言をしており忠誠心はあまり高くはない事が窺える。
巨体に反して素早い動きで足場を移動し斬撃による衝撃波を放つ。
- カコース
CV:辻村真人
第2章のステージボス。大型の狼男型のモンスターで背丈ほどある大剣を操る。辺境のモンスターの総大将でアリオスにとって序盤の宿敵。かなりの策略家で討伐に向かったアリオスの部隊を伏兵による挟み撃ちで全滅に追いやっている。アリオスとの再戦に敗れた際にはダルダンディスの復活を匂わす断末魔を残し絶命する。
後に王都の偵察から戻ったリュコスから王都を占拠するダルダンディス配下のモンスター軍団と比較され「あいつらに比べたらカコースなんかザコ」とこき下ろされているが実際にゲーム中で戦う際はその巨体が仇となり割と簡単に倒せてしまう為、その評価に納得してしまうユーザーも多かった。
コミック版では全く異なる容姿でダルダンディス配下の魔将軍の1人として登場。ジードに挑み彼に傷を負わせるがその後一瞬で倒されてしまう。
- グラキエス
第3章のステージボス。ダルダンディス配下のモンスター。
巨体ながらその体は雲やガスのようなものが収束して形成されている為、常に宙に浮いている。
アリオスがアイネアスの子孫だと認識しており対峙した際には「貴様は我等モンスターの永遠の敵!」と断言。
ダルダンディス配下内での立場はあまり高くはないようでアリオスを倒して自らの名を上げようと躍起になっていた。
口から放つ炎の球と空から雷撃を放って攻撃する。
- トゥーン
第4章のステージボス。ダルダンディス配下ではないが同じく1000年前にアイネアスによって封印されていたモンスター。
1000年の間に伝説が歪曲して伝承された為に女神と誤認されていた。その誤認を利用して配下の見えないモンスターの毒によって眠り病を発生させ眠り病を解く為に「女神の審判」を受ける巫女(という名目の生贄)を自らが封印されている島に寄越すよう要求し巫女を喰らう事で力を維持してきた。
その姿は到底女神には見えない巨大な昆虫のようなモンスターであり、戦闘では彼女が放つ泡の球に触れてしまうとこちらの体力が吸われるだけではなくダメージに関係なくトゥーンは全快してしまう為、弾が当たらないよう距離を取りながら攻撃を繰り返し続けるしかない。
- ギャランローゼ
第5章のステージボス。ダルダンディス配下のモンスター。
バケツのような仮面を被った人型モンスター。ステージボスとしてはかなり小柄で容姿含めてあまり人間と大差がない印象を受けるがそれでもアリオスより頭2つほど身長が高い。幻術による移動や空中から青い薔薇を手裏剣のように放ち、目からレーザー光線のようなものを放射する。攻撃や移動の際に放つ高笑いが印象的。
コミック版では『キャランローゼ』となっていて(ダルダンディスからは『ローゼ』と呼ばれていた)ダルダンディス配下の魔将軍の1人。ソフィアの育ての親であるエナスを殺すが、ソフィアの精神魔法によって葬られるなど、出番はゲームよりも多かった。
第6章のステージボス。ジード配下の巨人型の女性モンスター。
ジードと共にモンスターを従えてパルティア神殿を襲撃、
ジードが撤退した後はソフィア探索の総指揮を任されるなどジードからの信頼も厚く彼女もジードに対して高い忠誠心を抱いていた。
魔法使いでもありステージにおいては魔力による様々なトラップを仕掛けていた。
モンスターでありながらその見た目は巨大である事以外は人間と全く同じかつ非常に美しい容姿をしている為、マニアックな人気がありステージボスの中では唯一pixiv内に個別の記事が存在している。
余談ではあるがパルティア神殿を襲撃したモンスターは彼女含めて全て雌である。
- レグニードガード
第7章のステージボス。硬い装甲に覆われた龍型モンスター。
ジード配下ではあるが彼が忠誠を抱くのはモンスターの王であるダルダンディスでありジードに対してはあくまで自身の上司という認識に過ぎない。その為ジードの本心は伝えられておらず作中でも実質、捨て駒のように扱われた敵ながら不憫なキャラクターである。
- フライブリュート
第8章のステージボス。ジード配下のモンスター。
鎧を纏った白熊型のモンスターでボスとしては比較的小柄ながらそのパワーは凄まじく一撃でも喰らえば画面端まで吹き飛ばされてしまう程。更にジードの魔力で作られたと思われるビット型の兵器による雷撃の援護攻撃もあり一度距離を取られると非常に厄介な難敵である。
2からの登場キャラクター
- ランディス
CV:梁田清之
Ⅱに登場。ラザンの港町に流れ着いたアリオスを助けた謎の騎士。ダイモスにも勝るとも劣らない豪剣の使い手。度々アリオスの前に現れ、やがて仲間に加わる。正体はゴートランド騎士団の一つ『黒騎士団』の隊長。破壊神ルーゴン復活の鍵となる『7つの魂』を見つけて処分するために探索の旅をしていた。寡黙でつかみどころのない性格だが、花言葉に詳しいなど、ロマンチストな一面も持つ。ドラマCDではかなり暴走しているキャラの一人。
アクション面においての性能はアリオスの技と操作性にダイモスの力を併せ持った戦士系最強の性能を誇る上に超必殺技の「烈・光破陣」は有効なボスが多い事からタイムアタックモードではピュラー、メルティナに次ぐ高記録達成キャラである。
- メルティナ
CV:椎名へきる
Ⅱに登場。新大陸アシュナールの酒場の娘。真面目で礼儀正しい性格。リュコスと恋仲になり、リュコスとの仲は両親も公認である。自分を助けようとして重傷を負ったリュコスを助けたい一心でアリオスたちと女神イシュタルの水晶宮に赴く。メルティナの真摯な祈りはイシュタルを降臨させ、加護を受けたメルティナは一般人でありながら、聖女ソフィアしか使えないイシュタルの力を扱えるようになった。リュコス曰く、メディアとためをはるくらいのナイスバディとのことから、リュコスとはすでに肉体関係にあると思われる。
アクション面では隙のない高威力の攻撃を放つ為、サポートキャラとしてタイムアタックモードでの高記録達成には欠かせない。
- メリナ
CV:横山智佐
Ⅱに登場。ダイモスの妹。勝気でしっかり者。ヌースを慕い、身の回りの世話をしている。
- グラウル
Ⅱに登場。メルティナの父親。リュコスのことをすっかり気に入ってメルティナの婿にしたいと思っている。そのためリュコスのことを『息子』と呼ぶ。
- アマリエ
Ⅱに登場。メルティナの母親。夫やメルティナ同様、リュコスをすっかり気に入っている。
エクトラの街の富豪の娘。街でアリオスと何度もぶつかったことで、アリオスに一目惚れして、アリオスに自分の部屋の鍵を渡して夜這いに誘うなど、大胆なお嬢様。すでにリュコスと肉体関係にあるメルティナのことを考えると、アシュナールの女性は恋愛に積極的なのがうかがえる。夜のシーンではシェリルがアリオスにキスをして画面が真っ暗になって終了したが、あれだけで終わったかはどうかは謎。ちなみにクリア後追加されるプレミアムモードでも登場している。
- マーカスト
CV:堀秀行
Ⅱに登場。緑衣の竜騎士という異名を持つ騎士。アンセルムという飛竜を従える。槍の名手でありダイモスの怒りの一撃を軽々と受け止めるほどの腕前。メルティナを人質にして、アリオスからルーゴン復活のために必要な宝石とドラゴンスレイヤーを奪った。正体はゴートランド騎士団の一つ『竜騎士団』の隊長で、ランディスの友人だった。プロローグにてモンスターと配下の竜騎士団を率いてリュコスの船を襲撃したり、メルティナを助ける為に不意打ちを仕掛けたリュコスに意図的ではなかったとはいえ槍で突き瀕死の重症を負わせてしまったり密かに想っていたメルティナがリュコスと相思相愛だったりとリュコスとは何かと因縁がある。アーグにそそのかされて仲間を裏切ったが、アーグの真の目的を知り、己の行為を後悔する。罪悪感を感じながらも、敵としての立場を貫き、アリオスと戦い倒される道を選んだ。
- アーグ
CV:糸博
Ⅱに登場。暗黒の島の支配者。破壊神ルーゴンの復活を企む。強大な力を持つ魔導師で、ランディスを一瞬で消滅させる魔力の持ち主。
破壊神復活後の世界を「楽園」と称するなどその精神は狂気に支配されている。
2のステージボス
ルーゴン、アーグ、マーカストを除く各章のステージボスの紹介
- ストームフライエル&ラズダブイル
序章のステージボス。2体のガーゴイル型モンスター。
プロローグにてマーカストの指揮の下、リュコスの船を襲撃したモンスターの内の2体で宝石探索の為にその場に残っていた。
最初はストームフライエルだけ現れある程度ダメージを受けると海中に潜んでいたラズダブイルを悲鳴で合図を送り呼び出す。
前者が口から炎のブレス、後者が空中から光弾を放つ以外の攻撃手段、能力共に全く同様。
- サンダーパトロネージ
第1章のステージボス。黄金の砂海に潜む巨大な砂虫のモンスター。砂海内の神殿に安置されている宝石を守護していた。
硬い外殻と内骨格を持ち、砂海の中を自在に移動し翻弄してくるが一定のダメージを受けると外殻を脱ぎ捨て動きが更に俊敏になる。
- シードスパイラル
第2章のステージボス。植物と生物の中間に位置する特殊なモンスター。ノールゥトの森の奥に安置されている宝石を守護していた。
体から放出された胞子を発芽させて上空と地中から同時攻撃を仕掛けてくる。一定のダメージを与えると地上に落ちてきて一切攻撃を仕掛けて来なくなるが撃破される際に自爆を起こして大ダメージを与えてくる為、防御していない場合そのまま倒されてしまう事になる。
- マーダラデプト
第3章のステージボス。ラザンの街の地下遺跡で太古より生きてきた甲殻類型モンスターのつがい。
遺跡の奥に安置されている宝石を守護していた。
最初は小型の雄が現れて雄を倒すと上からその数倍の大きさの雌が現れる、この雌との戦闘が本番である。子供を生みながら左右に移動しながら巨大な鋏を振り上げて攻撃してくるが一定のダメージを受けると動きが更に俊敏になり上空からの襲撃など攻撃手段も増えてくる。
- ランバーファーゴニル
第4章のステージボス。四肢と尾の他に背部に一対の電撃を放つ触手を持つ巨大な肉食獣型のモンスター。
本来はアシュナール北方の民が騎乗用として飼い慣らしてきたモンスターで飛竜同様、軍用獣として広く知られていた種である。
飼い主であるマーカストによってアリオス達の足止めとして山道に配置されていた。
一対の触手から放たれる雷撃球と体を丸めての体当たりを仕掛けてくる。
- 2体の天使(正式名称不詳)
最終章ステージにて最初に登場するボス。1人目は水色の鎧を纏った杖を持った黒髪の天使、2人目は黄金の鎧を纏った大鎌を持った褐色の肌の天使。どちらも非常に美しい女性の姿で交互に現れながら攻撃をしてくる。両者を倒すと合体し、蛙のような下半身に背中から口を生やした男性のような上半身を生やしたような当初とは打って変わって非常に醜く不気味な怪物の姿となる。
- 忍者型のモンスター(正式名称不詳)
前述の天使が合体した怪物を倒すとステージが変わりエレベーターで下の階層に降りている最中に奇襲を仕掛けてくるモンスター。体を鎧のような外殻で覆い俊敏な動作中に手裏剣を投げてきたり手に持った剣で斬り掛かってきたりとまるで忍者のような攻撃と動きが特徴的。
「風の伝説ザナドゥ」の世界の神々
CV:篠原恵美
イシュタリアで信仰されている女神。かつて先駆者と呼ばれる者が世界に遺した神の一人で破壊神ルーゴンとは対極の存在。千年前の邪竜ダルダンディスとの戦いでは、聖剣ドラゴンスレイヤーとその管理者(パルティアの聖女)を創りだした。Ⅰでは名前のみの登場。Ⅱでは破壊神ルーゴンとの戦いの前に姿を現して、アリオスに力を与えた。対極の存在である破壊神ルーゴンがアリオスに倒されて消滅したことで、同じく消滅した。ルールや決まり事を多数作り、それによって危うくプロスタが殺されかけたこともあるなど、厄介なタイプの神様。Ⅰでは、自分の代行者であるソフィアの安否がかかっている状態でも、救いの手を差し伸べずに高みの見物を決め込んでいたにもかかわらず(ジードに追われたソフィアを助けたのはアイネアスの魂だった)、Ⅱではメルティナにあっさり自分の加護を授けている。ドラゴンスレイヤーの魂を呼び覚ます方法にしてもⅠでは息子等である四風神が個別に儀式を行った上でソフィア自身の犠牲を強いるのに対し、Ⅱでは破壊神に呼応した状態で前述の状態に達しており、更に終盤イシュタル自身によって更なる力が呼び覚まされている事を考えればⅠの苦労と苦悩はあまりに割に合わない。(破壊神であるルーゴンと異世界のモンスターに過ぎないダルダンディスとでは力も脅威も比較にならない事、四風神の儀式とソフィアの魂を合わせてもイシュタルの力の一部の代用にしかならない事を考慮しても)
以上の事を踏まえると悪意こそないが考えようによってはかなり自分勝手な女神様と言える。
- ルーゴン
Ⅱのラスボス。かつて先駆者が遺した破壊神。女神イシュタルとは対極の存在だが両者は命を共有しており片方の死は互いの死を意味する一蓮托生の存在でもある。かつてアシュナール大陸にてイシュタルと対峙し(その戦いの影響でアシュナールの自然環境は本来の状態からかけ離れた滅茶苦茶なものとなっており特に両柱の決戦の場は衝撃によって生じた深く巨大なクレーターが地表に刻まれ、死の大地と化している。)魂を7つの宝石に分けて封印されていたがアーグによって宝石が揃えられ復活を遂げてしまう。
イシュタルとは異なり人間との意思疎通は不可能である模様。
人型の第一形態、二本の角を生やした巨大な顔の姿の第二形態、角を破壊した事で顔の形から本来の破壊神の姿に変形を遂げた最終形態の三形態の連戦となる。
(最終ステージ自体はルーゴン戦前に三連戦のボス戦があるため合計六連戦となる。)
- 先駆者
Ⅱの取扱説明書のみに登場。世界を創造した存在。世界を去るときに女神イシュタルと破壊神ルーゴンを遺した。
世界の平定と称してイシュタルによる創造の力による文明の発展とルーゴンによる破壊の力による文明の崩壊が繰り返される人間にとっては生き地獄に等しい状況を作り出していたイシュタル、ルーゴンに輪をかけて迷惑な存在。
CDドラマ&ラジオドラマのキャラクター
- レイミア
ファルコムスペシャルボックス95収録の「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ」に登場。邪竜ダルダンティスがその肉体の一部から作り出したといわれるモンスターで、狂気の魔女と呼ばれている。
- クルル
CV:TARAKO
「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」と「CDドラマTARAKOぱっぱらパラダイス」のみ登場。女神イシュタルから生まれた精霊。誕生日にイシュタルの祝福を人々に与えるのが使命。
余談
- Ⅰはお使い要素が多いことから、『広大なパシリゲーム』『マゾゲーム』と言われていた。
- 第1作目では選ばれた血筋の者とそうでない者の違い(選民)が随所で見られていたが、第2作目では「白き魔女」の作風の影響を受け、特定の血筋の者が英雄になれる設定ではなく、どんな者でも英雄になれるという世界観に路線変更した。それはソフィアだけに使えた女神イシュタルの力が、一般人であるメルティナが使えるようになったということに象徴されている。
- ドラマCDではダイモスの愛の暴走等、公式でBL展開を見せていた。