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概要編集

日丸屋秀和による日本漫画作品。

ジャンプSQ.2013年9月号より連載開始。2014年8月号で連載終了。単行本は全2巻。

料理漫画かと思いきやSF要素もある作品となった。

話数単位は「第○號」。副題には必ず“鬼さん!”が入る。



ストーリー編集

横浜の高校に通う「るく」は生まれつき髪が白いこと以外、いたって普通の女の子

…と思っていたが、ある日両親から、祖父の謎の失踪と実は自分が高性能時空探査アンドロイド(つまりは人型タイムマシン)であることを告げられる。

更に色んな組織や企業等の悪い奴らに狙われているため、早くこの場から離れなければならなくなるのだった。

両親と思っていた2人に説得されてタイムスリップをして製作者の祖父を探すことになった。

タイムスリップしてきた時代と場所は大正十四年の横浜・櫻木町。しかも空から降ってきた彼女を偶然受け止めたのは武者甲冑の大男─────“鬼さん”

斯くして、るくは「花楽里食堂で会おう!!」という祖父の置手紙を元に、大正時代で失踪中の“おじいちゃん”を探すため「花楽里食堂」へと赴くのであった。



登場人物編集

現代編集

るくが暮らしている時代。舞台は日本、神奈川の横浜。


桜木町

  • 港町るく

本作の主人公である女の子。15歳の女子高生。小さい頃から食べることが大好きで、チャームポイントは白髪。

表情やリアクションなど実に感情表現が豊かで、明るく優しい普通の子。ちょっと天然気味で食いしん坊なところも。白い髪以外は大体普通な女の子なので、見た目は派手でも性格は地味と言われたこともある。

しかしある日、実は自分が『高性能時空探査アンドロイド』であったという事実を両親から告げられ、祖父であり彼女の製作者でもあった丸亀博士が大正時代に失踪している現状を知り、時間旅行することを決心する。


アンドロイドとして起動スイッチを押してからは瞳の色が桃色に変わり、その機能もしばしば活用しながら「花楽里食堂」にて住み込みで給仕(という名のただ働き)として働き、丸亀博士の来訪を待つことになる。


  • おじいちゃん

るくの祖父を演じていた彼女の製作者であり、稀代の科学者・発明家『丸亀博士』。美食家でもあるらしく、自称『横浜のグルメ王』。

どうやらかなりぶっ飛んだお茶目な性格らしく、「信長見たーい」との理由で時間旅行技術(ただし人などの有機物の転送は成功しなかった。それ故タイムマシン技術の研究に傾倒する事となる)を開発、「ちょっくら宇宙の神秘解明しちゃうぞ!」ってな感じで宇宙の法則に影響する発明をマジで成してしまったとのこと。

現在はどういった経緯か、なんと大正時代に失踪中。


  • お母さん

るくの母親・・・・と思われていた女性。しかしその正体は丸亀博士の部下の1人で、プログラミング部長。本名は雪町さん。

気が強くてさばさばとした女性。知的な美人で、何でも熟すしっかり者。

るくを実の娘のように想っており、るくを心配ながらも大正時代へ送り出した。


  • お父さん

るくの父親・・・・と思われていた男性。その正体は丸亀博士の部下の1人で、アンドロイド部長。本名は栄さん。

おっとりとした性格であり、よく雪町さんにぐいぐい引っ張られている。

るくを実の娘のように可愛がっており、大正時代へのタイムスリップ時には心配で泣く泣く送り出した。



大正時代編集

るくがタイムスリップしてきた横浜。しかし歴史上の大正時代とはかなり違うところが・・・!?

舞台は横濱、櫻木町


『花楽里食堂』

  • 鬼さん

本作におけるもう一人の主人公。武者甲冑に似た姿をしている大男。櫻木町にある「花楽里食堂」の凄腕料理人であり、彼を知る仲間内からは“鬼さん”と呼ばれている。

基本的に威圧的ながらも明るくコミカルな人物。素っ頓狂で奇行も目立ち、怖めず臆せず周りに気を遣わぬ言動と行動力はある意味で実に豪胆

タイムスリップして空から降ってきた るく を偶然受け止めるも、彼女を本気で天女と勘違いして店に連れ帰る。桜敦祭以降は“ただ働き”ということで給仕をさせているが、美味しいまかないを出してあげている模様。

顔の一部以外全てを覆っている機械の身体は“機操筋廠”によるもので、このため「瓦斯兵」と呼ばれる人々の一人である。町人の多くからは“櫻木町の鬼”と呼ばれ怖がられている。

出身は岐阜陣・下羹却(ぎふじん・しもかんごう)。


  • かるた

鬼さんの実弟で、「花楽里食堂」の料理人。

料理の腕は半人前で、まだまだ当たり外れが大きい。奇行の目立つ兄のツッコミ役であり、るくが来てからはお転婆な彼女のストッパーにもなっている常識人不器用だが真面目お人好しな青年。

十年前の『天狗礫の日』、幼かった彼は光に当たりそうになるも、咄嗟に庇った兄に助けられた。しかしながら右手に僅かながら光を受けてしまい、右腕からは次第に“機操筋廠”が進行している。

出身は岐阜陣・下羹却。



料理店『くらわんか』

  • 銭屋 萬付

櫻木町の兄貴分にして人気料理店『くらわんか』の店主。男らしく快活な青年で、面倒見もよい人柄から多くの人達に慕われている。何でもそつなくこなせるタイプだが少々頼りないところも。

絶望的なまでに走るのが遅く、鴨にさえ負けてしまう上にすぐスタミナ切れを起こしてしまう。

ちなみに鬼さんは横濱最速らしい。


  • かんらん

『くらわんか』の看板娘。萬付が妹分として可愛がっている少女。かなりの恥ずかしがり屋。

幼い頃に妹をなんとか養うため横濱に来たが、騙されていかがわしい店に売り飛ばされそうになったところを萬付に助けられた。出身は加賀陣。


  • グエン・ケム・チャイズア

『くらわんか』の優秀な料理人。ベトナム出身の青年。性格に難ありとのことで様々な店に馴染めずにいたが萬付にだけは懐いており、料理人として彼を支えながら、遠慮のいらないよき友人となっている。



香港の不良集団

  • 九龍(ガウロン)

香港の食榮聯盟(しょくえいれんめい)に料理人資格を剥奪された中華料理人の青年で、国外追放された不良集団の頭領

仲間内からは不良王として尊敬を集め、「BOSS」と呼ばれている。

尊大且つ堂々とした言動・態度をとり不良達をまとめ上げているが、実はもともと、もの凄く真面目で普通な料理人だった。

不良申請を受けた料理人の更生機関で景気づけに関羽っぽい格好をして登場した結果ボスに祭り上げられてしまい、成り行き上仕方なく頭領としての威厳を保ちながら現在の不良達を率いているものの、いつかは彼らを立派な料理人に育てあげ、共に名を上げたいと志している。



伊太利亜大使館

  • トポリーノ

伊太利亜大使の息子にして公邸料理長。偶然出会った るくの手作りイタリアン料理を食して伊太利亜が誤解されていると感じ、彼女に本場のイタリアンを教えるため大使館のパーティへと招待する。


  • コントルノ

トポリーノの補佐を任されている男性。陰ながらトポリーノを嫌っていて、結構嫉妬深い性格。


  • パーパ

伊太利亜大使。トポリーノの父。



その他

  • 誘拐犯の青年

丸亀博士を誘拐した青年。るくを狙う組織の下っ端だが、“ハ◯ワの求人でいなくなってもいい人の条件で大正時代への派遣を受けてブラックな組織に入れられた”ただの一般人

るくや丸亀博士と同じく現代の人間。現在は組織にて拉致・監禁されている博士の助けとなるべく行動を起こしている。


  • FUB-002(仮)

組織から脱走してきた、身体の各部位が取り外し可能になっている謎の青年。作中後編にて大事な役目を担うキーパーソン。受けた恩は忘れないタイプだが怒るとかなり恐い。



その他

  • 端麗なポニーテールの女性

しばしば鬼さんに料理を届けて貰っており、その腕を大いに買っていると同時に彼のことを想っている。

お付きの ばあや曰く、鬼さんと彼女は幼馴染であり、男性風の喋り方からしておそらくは武家の娘と思われる。


  • 常連の瓦斯兵たち

瓦斯兵でも美味しい食事を出してくれる店、ということで夜になると時折「花楽里食堂」に来店する鬼さんや かるたの知人たち。

かつて夜間工だったため鬼さんと同じくほぼ全身が機械。


  • 隣の店のおっちゃん

桜敦祭の出店で、鬼さんと るくの構えた「花楽里食堂」店の隣に店を出していた男性。

鬼さんを怖がりながらもラーメンの匂いに惹かれて一杯食したところ大いに気に入り、彼の絶賛に後押しされてラーメンが売れ始めた。


  • 常連さんたち

桜敦祭を機に「花楽里食堂」へちょくちょく来店してくれるようになった人達。

るくに何かしらの情報をくれることもしばしば。



用語編集

  • 高性能時空探査アンドロイド

るくのことで、丸亀博士が開発した超高性能なアンドロイド。

時空探査というだけあり、タイムスリップで様々な時代に行くことが出来る。

るくの髪に飾っているリボンはアンドロイドとしての起動スイッチをカモフラージュするためのもの。ちなみに彼女はロケットパンチも出せるしeionaも持っている。


  • 横濱(よこはま)

本作の大正時代における、日本国の割と新しい国際港。外国料理店が多い。本作の主な舞台である。


  • 花楽里食堂

櫻木町にある新しく開店したばかりの食堂。オーナー兼調理人は鬼さんと かるた。

瓦斯兵達のたまり場でもあり夜になると店内は少し賑やかになる。

昼間にほとんどというか全く客が来ないため、言わずもがな経営状況は芳しくなく、下手したら るくがタイムスリップしてきた日から数えて来月には無くなるかもしれないというほど。鬼さんと かるたが瓦斯兵であることが原因の1つだという。


  • 瓦斯兵(がすへい)

身体がカラクリみたいになってしまった人々の総称であり、蔑称でもある。

機械化性疫病である『機操筋廠』の患者であり、刺繍のような模様が浮き出た部分から機械化が進んでしまう。中には元が人間だったとは思えないような形・大きさの者もいる。

人生を良い意味でも悪い意味でも大きく変えられてしまった者達で、特徴である丈夫な身体で仕事を精力的に行ったり、逆に周囲からの差別に晒され苦悩する人も。

瓦斯兵という呼び名の由来は、かるた曰く「香のような匂い」がするから。


  • 天狗礫の日

天より地へと災厄もたらす星が降る、一夜の祟り。

空から降ってくる無数の光に触れた者は、『機操筋廠』にかかってしまう。鬼さんや かるたがこれにかかってしまったのは十年前の夜。100年の間に数度起こっているのだという。主に、夜間工や無知な子供達が多く災厄の被害者となった。


  • 桜敦祭(おうとんさい)

正式には「横濱開港記念79周年祭」。出店などが多く、上手な者は三ヶ月分の稼ぎを三日であげたりするらしい。



関連イラスト編集

鬼さんやめてえぇっ!!無題


関連タグ編集

漫画 日丸屋秀和 ジャンプSQ 大正浪漫

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