概要
CV:野沢那智
演:塚本高史(2008年の映画版)
釣り大会が行われた三日月湖で三平三平が出会った「風来坊釣り師」である。
大会の後、同じ三日月湖で「三日月湖の主」釣りで競い、このときは三平が勝利を収めた。その後再会してからは日本国内外で何度となく行動を共にするようになる。
三平からは兄のように慕われており、また魚紳自身も「相棒」と呼ぶなど二人の強い絆が描かれている。また三平の祖父である三平一平とも交流を深める中でその人柄に惹かれ尊敬するようになり、互いに深い信頼関係を築いていた。
基本的にスポーツ万能で身体能力抜群である。足場の悪い中、ウルトラCレベルの跳躍を披露したほか、フェンシングではオリンピック選手レベルの腕前の持ち主である(平成版では乗馬・クレー射撃も得意としている)ことが語られている。さらに学業も優秀で、大学では法律を学び弁護士資格も持っている。
実は「鮎川財閥」という財閥の御曹司。しかし、早くに家を出ており、両親との関係も少しギクシャクしている。
実は少年のころ、父の釣りに同行した際の事故で右目を失明しており(右目から頬にかけての傷跡はこの時ついたもの)、常にサングラスをかけているのはこのためである。早くに家を出たのも父に失明に対する気遣いをさせまいという考えからであった。その後『イシダイ編』にて帰郷し、両親とも和解している。
三平の能力を高く評価し親身に接するが、キャスティングの技に夢中になるあまりその危険性を無視した時など人として好ましくない行動を取った時には厳しく叱り、突き放す事もあった。三平の釣りの技はのびのびとありのままに育てるべきと考えており、必要以上にテクニックを教える事もない他に、他者からの教育の申し出を断る事もある。
本人は実戦主義であり、キャスティング大会などには否定的な意見を示している。
登場当初は文字通りやさぐれた風来坊の様相で釣りの合間にウイスキーをラッパ飲み、(時代的な都合もあるが)タバコの吸い殻を地中に埋めるなど(※)若干問題行動が目立つ人物であったが、女子中学生や高校生からのファンレターが多く来たことから、10巻以降は性格の描写が変わっている。ちなみに連載中のバレンタインデーには多数のチョコレートが編集部宛に送られていたとのことだが、作中で「チョコレートが嫌い」と発言した後は数が激減したらしい。
実は一平の依頼を受けて自身の交友関係や人脈等を利用しながら消息不明となった三平の父・三平平の消息を探っており、作中で三平を連れて行く場所は平に縁のあると思しき地が多い。最終章では一平の推理の元、事故で記憶喪失となった平本人を探し出している。
2018年からはイブニングにて、彼を主役に据えたスピンオフ作品『バーサス魚紳さん!』(原作:矢口高雄、漫画:立沢克美)が連載された。
※連載当時は「ゴミは土に埋める」のがマナーであり、当時のマナーとしては間違っていない。野外ではゴミをその場に散らかさず、埋めるのが礼儀とされていた。実際、漫画版では吸殻をきっちり埋めて処理している魚紳を尊敬している三平の台詞がある。ゴミを持ち帰るようになったのは1974年から開始されたゴミ持ち帰り運動が元なので、連載初期の1973年頃はそのマナーが出てくる前、及びその運動が全国へ広がる前である。なお、2024年の現在は当然ながらゴミは持ち帰りゴミ捨て場へ捨てるのがマナーである。これは土壌汚染等もあるが、土中で分解されないゴミも多いためである。(炭なども土中で分解されないので、適切に処理する必要がある。)