概要
79式対舟艇対戦車誘導弾とは、1979年に陸上自衛隊で制式化された国産の対戦車ミサイルである。通称「重MAT」(じゅうマット)。
名称にある「対舟艇対戦車」の通り、敵の戦車と舟艇(小型船舶)の撃破を目的に開発されたミサイルである。
半自動指令照準線一致(SACLOS)という誘導方式を採用しており、これは誘導弾が命中するまでの間、誘導手が照準器で目標を照準しつづける必要があるというもの。このため命中精度は隊員の技量に左右される。
発射機には照準器を取り付けられる1型と、発射機単独の2型があり、2型では隊員が発射機から離れた位置から本誘導弾を発射できるようになっている。
発射機は大型のため、移動には装置をトラックに搭載し、発射位置に着いたらトラックから下ろして設置するというものとなっている。
また、89式装甲戦闘車にも本誘導弾の発射機が砲塔左右に1基ずつ装備されている。
旧式装備のため大半が退役しており、89式装甲戦闘車用以外では現在ほぼ運用されていない。
仕様
- 総重量:約224kg(誘導弾重量:約33kg)
- 全長:約155cm(誘導弾)/約170cm(発射器)
- 使用弾種:対戦車榴弾(HEAT)、対舟艇榴弾(HEAS)
- 誘導方式:半自動指令照準線一致(SACLOS)誘導方式
- 射程:4000m