概要
ブランド名の由来は英語で重力を意味するGravity(グラビティー)から。
特徴はなんといっても異常なまでの耐久性であり、机から落とす程度ではもちろん、トラックで踏みつぶしてもプロホッケー選手のシュートを受けても壊れなかった。
さらに防水性も優れており、20気圧までなら耐えられるので、日常生活の範囲で水没した程度なら平気。手洗い程度なら余裕(潜水士用により耐圧性能を強化したモデルもある)。一部モデルには防塵機能や防錆機能も備えられており、宇宙飛行士や軍人、特殊部隊(ネイビーシールズなど)など、職業として過酷な環境下に飛び込むシーンでも使われている。
時代の移り変わりと共に機能も強化していおり、太陽電池や電波時計、GPSによる方位・高度計測といった機能も追加されている。
歴史
1981年、開発者の伊部菊雄氏が腕時計を落として壊してしまったことをきっかけに、若い技術者が中心となって頑丈な腕時計の開発をスタート。
バラエティ番組『しくじり先生』によると、カシオではプロジェクトに参画していない技術者は毎月、新企画の提案書を提出することになっているが、伊部氏はアイデアが浮かばず悩んでいたときに、上記の出来事が起こった。当時は薄くてスタイリッシュな時計が主流であり、落して壊れるのは当たり前であった。そのため、どうせ通らないだろうとの気持ちから思いつきで『落としても壊れない丈夫な時計』という1行だけを書いた企画書を提出したのだが、何故かあっさりと通ってしまったとのこと。しかも企画書を出す際は、既に基礎実験に成功したものを提出しなければならなかったものの、その場しのぎなので全く何も出来ておらず周章狼狽したという。
猶予は2年間。最初は緩衝材でぐるぐる巻きにして、さながらボールのようになった時計を3階のトイレの窓から落とす、という実験をしていたが失敗。緩衝材を増やせばどうにか耐えられるが、腕時計としては論外な大きさになってしまうというジレンマに悩まされていた。
そんな折、休日も出勤していた伊部氏が(『しくじり先生』によると、既に開発スタートから1年8ヶ月経っており、この時点でもう時計の名称も発売日も決定しているにもかかわらず全く上手くいかなかったため、責任を取って退職すべく荷物を整理するために出社したとのこと)、開発センターの隣の公園でゴムまりで遊んでいる子供達を見て「腕時計内部を中空にして、その中にコアとなるモジュールが支点を持って浮いた構造にする」というヒラメキを得る。これにより衝撃がコアモジュールに伝わるのを防ぎ、耐衝撃性を確保しつつ大きさも抑えることに成功した。
1983年に初代モデルを発売したが、当初は売り上げが振るわなかった。
しかし、アメリカで「アイスホッケーのパック代わりにしても壊れない」というCMを放送したところ、「誇大広告ではないか」というクレームが寄せられ、TV番組で検証が行われた。その結果、見事にCM通り耐え抜いたことが証明され、のみならずトラックが踏んでも壊れないほど頑丈であったことから人気が爆発。アメリカでの人気が逆輸入される形で日本でも知名度を得ることになった。
登場から40年を経て世界中で人気と知名度を獲得し、ファッションからアウトドアまで幅広く愛用されている。
カシオにとっても売り上げの30%を占める基幹商品となっている。
ちなみに、カシオは模倣品対策として、A-SHOCKからZ-SHOCKまでのアルファベット26文字全てを日本で商標登録している。
関連項目
セイコー・アストロン:G-SHOCKの一部モデルではGPSソーラーモデルも展開している事もあり比較されやすい。
こちら葛飾区亀有公園前派出所:第1035話でG-SHOCKを特集した。掲載された1998年は若者の間でG-SHOCKブームが過熱していた時期であり、その様相が描かれている。
OsakaMetro400系:車体前面がG-SHOCKに似ている。