「少年。未来を背負う覚悟はあるか?」
概要
各国の諜報機関から十年以上に亘って追跡を逃れてきた凄腕テロリスト。国際指名手配中であり、暗殺王ヴェルレエヌをして世界最悪のテロリストと言わしめるが、本人曰くそれは誤りであり、偶然付近で起こった事件・事故を後述の異能力によって回避しているだけとのこと。
また、「未来を知る男」という異名を持つが、それは普段偽装皮膚を用いて男装しているからであり、生来の姿は金髪の女性。
14年前の大戦中には英国で異能技師として特異点を用いた異能兵器を研究、製造していた。
特に大戦末期に自身の異能力を基礎に作られた特異点兵器"殻"(シェル)はその圧倒的な熱出力と設定可能な半径の広さから消滅兵器と呼ばれ、戦争が生み出した《三大厄災》のひとつに数えられる。
異能力
『タイムマシン』
古風な映写機から出る光を浴びた物体の時間を操る。
「この世の理を外れた異能」と呼ばれる時間干渉系の異能力で、存在の不確定性を利用し「存在」そのものが過去にあるように誤認させる。
ひとつの物体に対し一度しか使えないながらその威力は脅威的で、人の記憶信号を過去の同一人物に送り擬似的な過去遡行を行ったり、一瞬しか存在し得ない極大なエネルギーを現実世界に固定させ、半径数十km以上を一瞬にして焼き尽くす兵器を運用できる。
また、映写機は一度に複数個存在できる上、それさえあればウェルズ以外の人間も異能力を使用することができる。実際、"殻"も(あらかじめ調整していたとはいえ)外部の人間が配線を少し組み替えるだけで作動していた。
モデル
モデルとなったのは20世紀イギリスの文豪、H・G・ウェルズ。
ジュール・ガブリエル・ヴェルヌと並び「SFの父」と称される小説家で、科学知識に基づいた未来小説を多く著した。
代表作は『タイム・マシン』『透明人間』『宇宙戦争』など。
特に、異能力の由来にもなった『タイム・マシン』はタイムトラベルを世に知らしめた作品であり、過去・未来へ自由に行けるが空間移動能力は持っていないという設定は『ドラえもん』などに代表される後年のタイムマシンの原型となった。
その他
泉鏡花、尾崎紅葉と同じく、史実では男性ながら本作では女性として描かれている。
その為、作中では本名「ハーバード・ジョージ・ウェルズ」は男性的であるためか使われず、一貫して「H・G・ウェルズ」と記されている。