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センシティブな作品

※本記事には単行本21巻までのネタバレ情報を含みます。閲覧の際にはご注意ください。

概要

国家の「消滅」を掲げたテロ組織・殺人結社。五人の特一級の危険異能犯罪者で構成されている。

探偵社を陥れ、理想を実現すべく暗躍している。

名前の由来は同名の仏教用語または、それから取られた三島由紀夫の小説「豊饒の海」の最終巻のサブタイトルと思われる。

構成員

神威《天人五衰》の首領。ゴーゴリ、ドストエフスキーらを手駒として使役できるほどのカリスマ性を持ち、「凡ての黒幕」とまで称される人物。
フョードル・ドストエフスキー「魔人」の異名を持つ、死の家の鼠の頭目。その頭脳は太宰と同等と言われる。異能力は『罪と罰』。
ニコライ・ゴーゴリ「道化師」の異名を持つ、ピエロのような格好をした男。自らの自由の証明のため《天人五衰》に入る。異能力は『外套』。
シグマ「支配人」の異名を持つ天空カジノの総支配人。ドストエフスキーとの取引により《天人五衰》に入った。異能力は名称不明。
ブラム・ストーカー「不死公主」(アニメでは「不死伯爵」)の異名を持つ北欧の伯爵にして、かつて「人類を滅ぼす十の厄災」の一つにまで数えられた吸血種

その他

本来の天人五衰とは仏教用語で、六道の最高位たる「天人」が死の間際に顕す次の5つの兆しのことである。

  • 衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服に垢と脂が染み出す
  • 頭上華萎(ずじょうかい):頭部の華鬘(けまん)が萎れて腐る
  • 身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れ臭い出す
  • 腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れる
  • 不楽本座(ふらくほんざ):自分の席に戻るのを嫌がり、楽しみが味わえなくなる

実際に天人五衰が探偵社を陥れた際、これらになぞらえて殺人を行った。

作中で「天人の世の終焉を告げる五指」とゴーゴリが述べているように、この世の終焉を掲げた彼らを象徴するかのような名前となっている。

ただし、上記のように本来の意味(仏教用語)はあくまで「個々の天人の死」であり、喩えるなら作中の使い方は「個人の死を意味する用語」を「人類全滅」「世界滅亡」の意味に拡大解釈したようなものである。

なお、仏教では宗派にもよるが、人間界→平常心、修羅道→媚び諂い,邪見、餓鬼道→欲望,貪りのように、六道の各世界に対応した心の状態が有るとされ、その考えを取る宗派では天界に対応する心の状態は「喜び」「楽しみ」となる。

つまり、天人にとって「今まで味わっていた楽しみを楽しみと感じられなくなる」「楽しみや喜びしかない人生に虚しさを感じるようになる」のは、ある意味で天人でなくなる事≒死の兆候と言える。

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