優れた輸送性能と航続距離。世界初の遠隔視認装置を採用した空中給油機能を持つ、マルチプレーヤーです。
特徴
給油装備はKC-10と同様で、尾部にフライングブーム式給油装置、その根元にホーズ&ドローグ式給油装置1基を備えている。給油オペレーター席はコックピット後方にあり、テレビカメラの映像を見ながらブームを遠隔操作する。
また、ボーイング767系統の機なので操縦や整備の要領、機体に関わる部品も共用にできる。これはE-767も運用している日本では大きな利点となっている。
当初は輸出向けだったが、後にアメリカ空軍にもKC-46として採用される。
A330MRTTに比べると原型機の設計が古い上に一回り小さく、搭載量は重量にしておおむね3分の2程度に留まるため、世界的にはA330MRTTの方が人気。ただ機体が小さい分、必要な滑走路が短くて済む事から、小回りが利く運用ができるという利点がある。
運用国
イタリア
最初に発注した国だが、翼端のホース&ドローグ式給油装置が異常振動を発し、この解決のために就役は遅れることになった。2011年に最初の機が就役し、現在は4機が現役。
日本
次に発注したのが日本である。
こちらはフライングブーム式給油装置のみが要求されていたため、就役は順調に進んだ。調達は4機行われた後に中断し、2015年にはKC-46を改めて導入することが決定された。現状に加えて4機調達する見込み。
アメリカ
前述のとおり、KC-46A「ペガサス」として179機が配備される予定。
コロンビアのそっくりさん
コロンビアでもKC-767と呼ばれる空中給油機が運用されている。
しかしこちらは中古の767をイスラエルのIAIが改造したもので、正規名称は「B767 MMTT(Multi-Mission Tanker Transport)」。翼端にホース&ドローグ式給油装置のみを備える。