ゲーム概要
概要にも記述したように、オーストラリア在住のゲームクリエイター・RB-D2氏が自身の個人スタジオ「Sector D2」を率いて、クラウドファンディング等も駆使しながらほとんど氏個人の独力で開発を行ったフライトシューティングゲーム。販売はHumble Gamesが担当。
エースコンバットをはじめとした、過去にリリースされた数々のフライトシューティングゲームをリスペクトしつつポストアポカリプス的な独特の世界観や、そこに生きるキャラクター達等の設定が綿密に練り込まれている。登場する航空機は、ライセンス問題を回避する為に名称を変更した上で実在の軍用機をモデルにした物が殆どだが、PW.MK1をはじめとして本作独自の世界観設定を活かしたオリジナルの架空機も複数登場する。
その上で、複数種の特殊兵装の携行に全てのモードにおいてのVRプレイへの対応や、ローグライクの要素を含むもう一つのメインモード「コンクエスト」といった、システム面での差別化も図った事により、後発のオマージュ作品とはいえどもリスペクト元の作品群にも劣らない魅力が溢れる作品となっている。
また、海外産のインディーゲームとしては珍しくゲームUIや台詞の字幕は日本語訳がなされている為、英語が解らなくとも快適にプレイが可能である。ただ、一部の漢字に日本人には馴染みの薄い繁体字が使われていたり、若干意味や文脈が怪しい箇所があるのはご愛嬌。
2021年10月28日にXboxSeriesX/S向けに初のコンシューマー機移植版がリリースされ、2023年10月4日にはPlayStationVR2対応の新規ミッション6ステージ等の追加要素を収録したPlayStation5向けアップデート版「Frontline:59」がリリースされた。ただし、CS機移植版ではキャンペーン本編やコンクエスト等の主だったゲームモードでのVRプレイには、残念ながら対応していない。
ゲームモード
キャンペーンモード
本作においてのストーリーモードで、プレイヤーは民間軍事会社に所属する傭兵パイロット・ヒットマン1「モナーク」となって、大規模な地殻変動や火山活動によって荒廃した未来の地球「AC(アフター・カラミティ)」を舞台とする全21ミッションを戦い抜いていく。
各キャラクターが語る無線字幕を中心にストーリーが進んでいく為にムービーやカットシーンは殆ど存在しないが、ゲーム内に用意されている用語集を参照する事で世界観の設定や各人物のプロフィールに関しての知識を得たり補完する事が可能。
第59戦線キャンペーンモード
PS5版「Frontline:59」にて追加されたモード。
キャンペーンモードでの敵勢力「太平洋連邦」傘下のシベリア地方にある国家・マガダン共和国の空軍予備役部隊「K-9」隊長・K-9A「ドライバー」となり、ベーリング海峡を越えてマガダン本土へと侵攻してきたカスカディア軍を迎え撃つ。
時系列としては、キャンペーン本編のミッション11~15の間に当たる1ヶ月間を描いている。
コンクエストモード
プレイヤーの行動次第で状況が変化していく北米大陸を舞台に、特定のミッションを攻略する事でエリアを制圧し、その際に獲得できる報酬によって味方機やユニットを雇用。そして彼らと共に更なるミッションに挑んでいく事で、最終的には北米大陸全土の制圧を目指すというローグライク的な色味の強いモード。
各ミッションでは一定スコア値への到達や優先目標の全滅を目的とした前哨戦の後、各ステージにてボスを務める敵エース部隊と交戦するというのが一連の流れ。
このモードでは「アラートレベル」と呼ばれる指標が用意されており、ミッション中において一定スコアの獲得とともに上昇する。このレベルが上がれば上がるほどそれぞれのミッションの難易度も上がり、クリア時の報酬も増える。
撃墜されるとゲームオーバーとなり、アンロックされた機体と一部のクレジットを残して制圧したエリアやアラートレベル等はリセットされ、最初からやり直しとなる。
難易度調整オプション
キャンペーンとコンクエストは共にイージー・ノーマル・ハードといった大まかな難易度の設定が出来る他、キャンペーンにおいては難易度を問わず一周クリアした後に最高難易度「傭兵」と、「敵味方問わず与えるダメージが倍増」「ステージに登場する敵機が2倍に増加」「全ての敵戦闘機の思考ルーティンを最高レベルに固定」等の個別設定可能な難易度調整オプションが解禁される。普通のプレイに飽きたという時に使ってみると、新鮮な気分でプレイが出来るだろう。
なお、難易度「傭兵」と難易度調整オプションに関しては、コンクエストモードでは最初から解放されている。