オブジェクトクラス:Euclid(手順を守って収容すれば安全)
概要
SCP-095-JPは、日本国内で行われる選挙において出現する、謎の人物に対する投票用紙である。
該当する用紙に書かれた名は「佐藤斎藤」。ひらがな、カタカナの場合もあり、現在、財団ではサンプルとして三種類の記述がされた紙をそれぞれ一枚ずつ保管している。
そんな名前の候補者はどの選挙にもいないどころか、この世に存在しない。もちろんいない人間に投票する有権者もいるはずがないため、財団では不明なプロセスで投票箱の中に直接出現していると結論付けている。
当然選挙管理委員会にも数が少なければ「なにこれ、イタズラ?」と無効票として捨てられてしまう。
問題は実在するどの候補よりも得票数が多かった場合で、なんとこれらは有効な票として扱われ、「佐藤斎藤」という名前だけの人物がその選挙で当選してしまう。にもかかわらず周辺住民たちはまるで「佐藤斎藤」が実在するかのように振る舞ってだれも疑問を抱かない。周りで働く者たちなどは「実際に話した」「指示を受けている」というほどだ。
こうなると後述するような事態を招きかねないため、財団は各種選挙の管理委員会に介入し、該当する票を探して中抜き・破棄することで収容している。
ある町の場合
神奈川県のとある町で行われた町長選挙でこの「佐藤斎藤」が当選してしまった。
名前だけの町長が敷いた新たな規則の中で、代表的なものをいくつか挙げると、
・指定されたゴミの日を守らない者に対する、最低2名以上の住人によって行われる集団での暴行
・役場前で駐車違反をした者への数時間にわたる拷問
・多くの苦情を受けている暴走族の構成員を捕まえて四肢を切断し、その死体を役場前に吊るす
・町長に対して解任を要求する者への火を使用した儀式殺人
……こんなことが普通に起こっていたにもかかわらず、疑問を抱く町民はいなかったということである。
最後の規則がなかなか手ごわそうだが、それでも財団が各所に手を回すことでなんとかリコールに成功したらしく、その後町民全体に記憶処理が施された。
なお、役場の職員は「佐藤斎藤」氏は基本的にデスクで仕事をしていたと主張したが、町長のデスクは選挙後から誰かが使用した形跡はなかった。
関連タグ
SCP_Foundation SCP財団日本支部 SCPオブジェクト
選挙:日本の法律では18歳以上は有権者。候補を選ぶことは、自分達自身の明るい未来を選ぶことにつながる。与えられた権利は有効に使うようにしよう。