SCP財団日本支部にて収容されているオブジェクトで、クラスはEuclid
メガホンの様な発声器官と歯車の様な口を持った生物で、全体像はどんな姿なのかは不明。
(メイン画像はあくまで想像図である。)
SCP-683-JPは前述の通りメガホンに似た異常な発声器官を有しており
聴覚に認識災害を引き起こす特異な鳴き声を発する。この鳴き声は
周囲に別の生物が侵入した場合、及び摂食活動を行う際に主に発せられることが
判明している。この鳴き声を聞いた者は、あらゆる音に対して耐え難い
恐怖感を覚えるようになる。例えば車やバイクの走行音や鳥や虫の鳴き声など
この日常において当たり前である音に対しても恐怖心を抱いてしまう様になる。
しかもこの恐怖感は時間が経つにつれ増えていき、さらに音に対して過敏になる上に
記憶処理を施したとしてもこの恐怖心を消すことはできないという極めて
厄介な性質を持つ。鳴き声は非常に大きな音量であり
SCP-683-JPの付近で聴取した場合、前述した認識災害とは別に内耳器官の鈍化
或いは麻痺に伴い突発性難聴に類似した症状を呈す。難聴の症状は可逆的なものであり
SCP-683-JPから離れることで難聴は回復するが
逆に近づくことで音を感じ取ることができなくなる。
認識災害と難聴の両者の効果によって鳴き声を聞いた
生物はSCP-683-JPに向かって移動する。
SCP-683-JPはこの効果を用いて生物の捕食を行っていると考えられている。
SCP-683-JPは██県において禁足地として知られている██山中に棲息しており
当該領域を調査していた財団フィールドエージェントの遭難によりその存在が発覚した。
遭難時の無線の音声記録を解析した際認識災害の兆候が見られたため
ドローンを用いた調査及び小型哺乳動物とDクラス職員を用いた影響調査を実施し
鳴き声の効果範囲を特定した。その後、聴覚型認識災害の収容に長けた機動部隊
む-5("魔女の犬")の人員を運用し、確保作戦が実施された。
しかし、この確保作戦は失敗し、捜索に携わった機動部隊員全員が死亡
または行方不明となる凄惨な結果となった。作戦失敗の結果から
SCP-683-JPの財団施設への収容は見送られた。SCP-683-JPの移動速度は極端に遅く
また通常殆ど移動する兆候を見せないことから長距離の移動を嫌っていると考えられている。この生態を利用し、特別収容プロトコルに示す通り
棲息する周辺地区を封鎖した上で定期的に大型ドローンで
鹿や猪などの大型の哺乳類を生きたまま給餌を行い
現在の位置に留める措置を取っているという。