概要
スクウェア・エニックスより「Apple Arcade」独占配信タイトルとして配信されたApple製品用のアプリケーションである。
2019年9月20日に配信されているが2022年8月1日頃には配信終了が確認されている。
その後、2022年9月14日にSwitch、Steam版が、9月16日にPS4版が配信された。
『オクトパストラベラー』『ブレイブリーデフォルト』を手掛けたチームがRPG世界の日常を体験することをテーマに開発したRPG。
またスマートフォンに特化することも同じくテーマとして開発されていた。
( 「デバイスを片手で縦に持ち、親指一本で遊ぶことができる仕様」を意識したという経緯から配信初期は縦画面のみ対応となっていたものの、現在ではアップデートにより横画面でのプレイにも対応している)
また、本作はオクトパストラベラーやトライアングルストラテジーと共に大人向け物語三部作に含まれており、そのうちの日常編であることがバリアスデイライフ(Switch、steam版のみ)の早期購入特典にて明かされている。
タグとしてはバリアスデイライフが多く使用されている様子。
経緯
本作は元々スマートフォン向けの「遊び切り」ゲームとして開発されており、当初は5000円の買い切りアプリとして販売される予定であった。
開発の際Appleから「Apple Arcadeのサービス開始にともなう、新たなコンテンツが欲しい」との誘いを受けたことからApple Arcade独占配信タイトルとなった。
なおApple Arcadeは月額600円なうえ、初月(場合によっては3ヶ月)無料となるため、当初よりもプレイヤーの金額面の負担は相当抑えられていることがわかる(このことに対して企画、プロデュースを担当した浅野智也氏は「ゲームがどんどん安くなってしまう!という複雑な思いはあります」と発言している)。
ストーリー
帝国歴211年、新大陸が発見された。
あなたは移植者の1人としてこの大陸の踏破を目指す。
移植者の街である新都エレビアで生活を送りながら。
システム
本作では「日々を過ごしながら大陸の踏破を目指す」ことが目的となっており、プレイ面では下記のような「日常パート」と「攻略パート」に分けられる。
日常パート
新大陸における拠点である「新都エレビア」での生活を行うパート。システム面では主にキャラクターの育成に関わっている。
- 仕事をする
新都に住む人々と関わり合いながら仕事を行う。
新しいジョブやスキル、経験値、そして報酬が獲得できるため、本作における基本的な金策であり、主人公の育成策にもなっている。
主人公は「レベル」の他にも「HP」、「筋力」といったステータスにも経験値が設定されている。各ステータスの経験値が一定以上となると「ランク」が上昇し、ステータス値も上昇する、というシステムとなっている。
また上記ステータスの他に「体力」と「気分」というステータスがあり、こちらは仕事の成果、故障率に関わってくる。
- 「体力」が少ない状態だと、仕事を行った後に療養が必要になる危険性が高くなってしまう。療養状態になるとしばらくどのコマンドも行えなくなる他、各ステータスの経験値も減少してしまうため出来るだけ避けたい。この危険性の確率については「故障率」として表示されており、「体力」の他にも選択する仕事の負荷の大きさにより確率が変化する。
- 「気分」が高いほど仕事が成功しやすくなる。大成功(excellentと表示される)すると成功時の3倍の報酬金額が獲得できるが、逆に失敗(failと表示される)すると成功時の0.1倍しか獲得出来ないため、「気分」は一定以上に保っておくのが吉。
ちなみに連続で仕事を行う「連勤」をすることでレベルの経験値に倍率が掛けられレベルアップしやすくなる仕様となっているのだが、なんと最大「999連勤」までカウントされる。
- 仲間を特訓する
仲間キャラクターの育成は別途お金を支払って行う。一度の特訓で強化出来るキャラクターは1人であり、1レベルずつ上昇する。また対象となるキャラクターのレベルが上がるほど、金額と経過日数が増えていく仕様となっている。
- エレビア移動
新都エレビアを散策し、酒場で酒を飲む、サーカスを見るなどの娯楽から、武具屋や道具屋での調達、仲間達とおでかけ(後述)をするなどが出来る。
「体力」や「気分」を回復できる他、コマンドによっては大きくステータスを上昇させることが可能。
また各施設のNPC達と「話す」ことで該当ステータスの一時的な強化、仕事の報酬金額が増加するなどの恩恵を得ることもできる。
なお、「話す」で聞くことが出来る内容については彼らの過去や日常はもちろん、本国や新大陸、さらにはメインキャラクター達についてストーリーの本筋で触れられないような細かい部分も触れてくれるため情報量は相当なものとなっている。ひたすら「話す」で世界観への理解を深めるのもまた一興。
- 仲間をおでかけに誘う
仲間キャラクター達には「親密度」が設定されており、誕生日を祝う、催し事に参加するなどで親交を深めることにより上昇させることができる。
仲間をおでかけに誘うのもその方法の1つであり、任意の場所を選んで出掛けることが可能。各キャラクターの好きな場所へ誘って出掛ければ「親密度」を上昇させられる。
「親密度」が一定値まで到達するとイベントが発生する他、各キャラ固有の「必殺技」が強化される。
ちなみに選択肢では補足されていないが、仲間と出掛けることで「気分」も回復可能。
攻略パート
第七次移植民である主人公は「外征」を義務付けられている。仲間と協力し、人類の敵である「蛮族」を退けながら大陸の踏破を目指していくパート。
マップの進行や敵モンスターとの戦闘を行う。
- 外征の準備
「外征」に向かう前にはギルドで依頼を選択し、主人公以外の3人のメンバーとアイテムを選択する必要がある。また、アイテムは持ち込める数が限られている。
- マップの進行
本作では「外征」時の移動は自動で行われるが、その間キャラクター達は最大HPが常に減少していく。減少した最大HPは「キャンプ」で食事を行うことで回復が可能となっている。ただし食事を行うためにはアイテムとして「食材」を持っていなければならないうえ、「食材」は時間が経過すると腐ってしまうため注意が必要である。
- 戦闘
移動中に敵と遭遇することで戦闘が開始される。本作の戦闘はターン制のコマンド式となっている他、独自のシステムとして「Change」「Chain」「Chance」という3つのCHAを利用して行われる。
- 「Change」は炎の魔法で火だるまになる、水の魔法で水浸しになる、などの「状態異常」が付与された状態を意味する。
- 「Chain」は「Change」の状態でさらに「状態異常」を変化させた状態となる。「Chain」は最大で10Chainまで溜めることが可能。
- 「Chance」は水浸しの敵に雷の魔法を使うなど、「Change」や「Chain」の状態になった対象に特定の攻撃を行うとその攻撃が強化される状態。いわば「トドメの一撃」。「Chain」が多いほどダメージが大きく上昇するため、出来るだけ溜めておきたい。
また「Change」もしくは「Chain」の状態になるのは敵だけではない。味方が上記いずれかの状態で特定の攻撃を受ける場合には「Danger」と表示される。
用語
本作に登場する用語の一部について記載していく。
新大陸
本作の舞台となる大陸のこと。帝国歴211年に発見され「アントエシア」と命名された。本国よりも精霊の活動が活発であることから1つの大陸に平原、湿原、火山など様々な気候や地形が存在している。
かつては文明が存在していたものの、現在ではその名残として石板や遺跡などが点在するのみとなっている。作中ではこの文明を「古代文明」と呼んでいる。
本国
帝国のこと。貧富の差が激しいことや、一部富裕層のみが権力を握っていることから貧民層にとっては過酷な場所。新大陸とは違い、自由に職を選ぶことも出来ないらしい。エレビアの移植民達は大半が本国から志願してやって来ている。
移植民
帝国歴212年に初上陸以降、「定期船」に乗船して新大陸へやって来る人々。上陸したタイミングにより「第一次移植民」「第二次移植民」といったように分けられており、第七次移植民は「外征」が義務付けられるようになった。貧民から富裕層、移民まで、本国での立場は様々である。
外征
新都エレビアの外に広がる未開拓地を切り開くための調査。天候の変化への対応や魔物、特に「蛮族」との戦闘などを避けられないため危険。新都の外での活動は、本来は皇子の私兵である「風使槍兵」の領分であるらしい。以前はエレビアの整備を優先していたため、第七次移植民が上陸してから外征が本格化することとなった。
蛮族
新大陸の先住者。「外征」が進まない最大の理由とされる。魔物の一種であるが並の魔物より精強にして狡猾、さらに群れで行動する習性を持つため非常に厄介な存在。第一次移植民のほとんどが犠牲になったと言われている。
キャラクター
メインキャラクター
- 主人公(プレイヤー)
第七次移植民の男性。容姿を選択可能であり、容姿によりボイスも変化する。
本国での立場、新大陸行きを志願した理由などはゲーム序盤で選択出来るが、それ以外についてはプレイヤーの想像に委ねられている。
システム面では全キャラクターの中で唯一作中で登場する全てのジョブを習得可能なキャラクター。
- ブルーノ・システィーナ(CV:堀総士郎)
主人公が所属する外征ギルド「ブルーノ組」のリーダーを務める「戦士」。大柄だが物腰柔らかな青年。孤児院育ちであり、妹のウィラとは血が繋がっていない。
- ジルダ・ワーズワース(CV:早見沙織)
宮殿で働く真面目な性格の「書司」。見た目に反して大食漢で、特技は超高速の写本。エフィルの親友であり、ロゼルタの部下。
酒場の看板娘として働く、明るく元気な性格で人気のある「給仕」。泣きボクロがチャームポイント。アプリアイコンで手を振ってくれているのは彼女である。
協会に所属する「修道士」。聖職者だが酒好き。一見素行不良だが、面倒見の良さから街の人々に信頼されている。
- アデレード・シヴァール(CV:伊藤静)
国に忠誠を誓った「騎士」。真面目な性格で厳しいが、面倒見がよく部下から慕われている。少し世間離れしたところもある。
オシャレと女性が好きな「仕立て屋」。エレビア最大手武具屋の店主の息子。現在は勘当されているものの、才能を活かし仕立て屋として独り立ちの真っ最中。
皇子に仕える「火使剣兵」。火使剣兵達をまとめる隊長として、騎士団と共にエレビアの治安維持を任されている。『皇子の右腕』と称されるほどの実力者。
- ロゼルタ・シューラー(CV:遠藤綾)
皇子直属の「学者」。大陸調査に関する全権を統括している。自他共に認める優秀な人物だが、トラブルメーカーでもある。
未知の食材を求めて新大陸へとやってきた「料理人」。『人を笑顔にする』ことを信条として行動する心優しい性格。リュート弾きの親友がいる。
NPCキャラクター
- ウィラ(CV:青木瑠璃子)
ブルーノの血の繋がらない妹。車椅子の女性。第一次移植民としてやってきて以来、謎の病におかされてしまい弱っている。
- エルフリック・ドラクロワ(CV:諏訪部順一)
帝国の第三皇子。帝国より新大陸の統治者として任命され、第一次移植民達と共に新大陸に上陸した。英明であると評判の人物。
上記以外にも、様々な移植民達が生活を営んでいる。
音楽
テイルズオブレジェンディアやゴッドイーターなどのBGMを手掛けた椎名豪氏が担当している。
曲数自体も豊富だが、一例としてエレビア散策時、「メインストリート」や「港エリア」など場所によってBGMのアレンジが変わるなどのバリエーションも豊富なため、配信されているサウンドトラックの収録曲は全111曲と相当なボリュームとなっている。
「オクトパストラベラー」との関連について
本作では一部キャラクターやアビリティの名前、出現する一部の魔物、作中で使用されている文字など「オクトパストラベラー」との関連を感じさせる要素が多く存在する。
これについて本作のプロデューサーであり、シナリオディレクションも担当した早坂将昭氏は「ぜひそのあたりも、いろいろと想像しながら楽しんでもらえるとうれしいです」、「世界観のつながりを感じさせる、イースターエッグ的な要素を散りばめています」と発言している。
関連イラスト
外部リンク
公式サイト(※音量注意)
表記ゆれ
関連動画
関連タグ
オクトパストラベラー-大人向け物語三部作のうち旅情編となるRPG
トライアングルストラテジー-大人向け物語三部作のうち戦場編となるSRPG