概要
カワサキが2000年に発売したバイク。
1999年に発売され、「世界最速のバイク」としてギネスブックに認定されたスズキ・隼に対抗し、カワサキの新たなフラッグシップとして開発された。
いわゆるメガスポーツの一角で、サーキットやレースでのパフォーマンスよりも絶対的な数値での優劣を競ったバイクの一つだった。
新開発のエンジンは排気量1199cc、最高出力はカタログ上で178馬力、ラムエア加給時にはそれ以上という、当時としては非常に過激なものだった。
これを受け止めるリアタイヤは市販車では初の200サイズ。
フレームも市販車初のバックボーンフレーム(エンジンの上を跨ぐように通るフレーム)を採用。
空力にも拘り、航空力学を応用した外装形状は極めて戦闘的であった。
尖ったミラーやサイドに生えたウイングはその表れである。
しかし、想定した速度域が高すぎたせいで、街乗りでは高剛性なフレームや太いタイヤが足かせとなり、曲がりにくい危険なバイクという評判が定着してしまう。
後のマイナーチェンジで幾分か改善はされたが、このイメージを払拭するには至らなかった。
更に、肝心の最高速も公式記録で隼を抜くことは出来ず、2001年に300km/hでリミッターをかける規制が成立したことで隼の「勝ち逃げ」に終わってしまった。
登場時のインパクトこそ凄まじかったものの、商業的に成功したとは言えないまま2006年に生産終了。
後継はZZR1400。
余談
1999年の月刊オートバイ誌にて、本車の量産車の姿がスクープ写真として掲載されてしまい、事実上の情報漏洩が起こっていた。
但し、正式な車名は不明だった為、「ZX-12」と仮称されていた。