発足までの経緯
これまで、日本における男子バスケットボールのトップリーグは、実業団チーム中心の日本リーグだった。しかし、2005年4月14日にアルビBBが同じくプロ化のために日本バスケット協会からの脱退を表明したさいたまブロンコスとともにプロ化を目標としたbjリーグ(後にターキッシュ・エアラインズbjリーグ(TKbjリーグ)に改称)を発足し、国内に2つのリーグが存在することになった。
そこで、日本バスケットボール協会(JBA)は両チームの統一を目指して、2013年に新リーグNBLを発足するが、bjリーグ側は「実業団チームが所属しているのは、プロチームとは言えない」と新リーグ合流を拒否し、分裂は解消されなかった。同年12月、事態を重く見た国際バスケットボール連盟(FIBA)は、リーグ分裂はファンの拡大や競技レベル向上の妨げとなり、解消できない原因はJBAの組織運営に問題があるからだとして、分裂解消と組織運営の改善を求め、国際試合の出場制限や、東京オリンピックへの開催国枠出場の適用除外もあり得るとも言及した。
これを受け、JBAは2014年2月に改革委員会の設置と、新たなプロリーグの発足を決定した。しかし、進展が見られなかったため、FIBAは同年4月、JBAに10月末までに方向性が示さなければ、資格停止処分の可能性もあると最後通告を出した。6月、JBA・NBL・bjリーグの三者で統一プロリーグの設立に向けた話し合いを行うと発表、翌月に統一プロリーグ推進会議の発足が決定された。しかし、企業チームの多いNBLから「企業名を排除することは好ましくない」と反発し、結局期限までに方向性を示すことが事実上不可能になり、11月、FIBAはJBAに対し無期限の資格停止処分を科した。この処分は男子代表だけでなく、無関係の女子代表やユースチームも対象に含まれていて、全てのバスケットボール日本代表が国際試合に出場できないほか、リオデジャネイロオリンピックの予選にも出場できないという異常事態に陥ってしまう。
2015年1月28日、FIBAはJリーグを創設にあたった川淵三郎をトップにタスクフォース「JAPAN 2024 TASK FORCE」を発足。チーム主導で改革と統合リーグの検討を進め、4月にBリーグは発足され、2016年9月22日開幕戦を迎えた。
なぜ2つリーグがあったか
当初日本初のプロチームになったのはアルビレックスBB。
プロチームということはつまり、チーム自らの収入でチームを運営するという話につながるため、基本、バスケをやるためのお金をバスケで稼ぐしかないというのに、試合などで得た稼ぎをみんなリーグが持っていってしまう。というのも、基本、日本のバスケットボールというものはアマチュアの世界であるため、興行でお金を稼ぐというシステムになっておらず、プロチームなのに興行権を持っていない、そのためプロチームなのに興行でお金を稼ぐというシステムになっておらずスポンサーも撤退したためスッカラカンになってしまった。
実際、実業団のあるチームは大企業がバックについているため稼ぎを持っていかれてもどうってことないがそんなもんが無いチームはどうしようもない。
という訳で逃げなきゃ死ぬという状況の中脱退を表明しさいたまブロンコスととも新リーグを立てるのは当たり前だった。
断絶
2005年、アルビレックスBBとさいたまコロンブスを失ったJBAはbjリーグと断絶、選手からの接触を禁止(青山学院大学などでbjリーグのトライアウトを受けた選手に除籍処分を下す方針を打ち出すほど)した。さらには協会主導の新リーグを立ち上げようとしたが、企業側の反発により断念、企業チームと新たなプロチームの混合となる日本バスケットボールリーグ(JBL)を設立した。
しかし2006年に行われたFIBAバスケットボール世界選手権日本大会において赤字が13億円に上り、その責任の所在を巡りJBA評議委員会で内紛に発展した。それにより日本オリンピック委員会(JOC)が12月10日に2007年度の強化交付金約1100万円をJBAに交付しないことを決め、翌年にはJOCが主導でJBA人事を決めるはずが、JBAが断りもなく衆議院議員の麻生太郎を会長に選出したため、JOCはJBAに追加で無期限資格停止処分を課した。麻生会長は8月10日に就任が決まり、同月23日付でJOCがJBAの資格停止を解除した。その後2013年にFIBAから改革要求を受ける形で統合となった。
試合方式 ※
レギュラーシーズン
1部リーグの「B1」、2部リーグの「B2」ともに18チームが所属する。両リーグとも、チームが本拠地を置く地域ごとに、「東地区」「中地区」「西地区」の3つに分かれ、同じ地区のクラブと6試合ずつ(計30試合)、さらに別の2つの地区の12クラブと30試合の計60試合行う。
レギュラーシーズン終了後、B1・B2の上位8クラブならびにB1下位4クラブはプレーオフに進出、B2最下位クラブはB3クラブとの入れ替え戦に出場する。
プレーオフ
基本的に上位クラブのホームでの2戦先勝方式のトーナメント戦で行われる。
Bリーグチャンピオンシップ
各地区の勝率上位の2クラブと各地区3位以下のうち勝率上位2クラブを加えた計8クラブが出場し、決勝のみ中立地(主に横浜アリーナ)で行われる。
B1残留プレーオフ
B1勝率下位の4クラブが出場。1回戦で敗退した2クラブがB2に自動的に降格。2回戦で勝利したクラブはB1残留、敗れたクラブはB2の3位クラブと一発勝負の入れ替え戦を行う。
B2プレーオフ
Bリーグチャンピオンシップ同様の要項で8クラブ出場(2017-18まで各地区優勝クラブ+勝率最上位クラブの4クラブ)。
決勝戦進出の2クラブがB1へ自動昇格。3位決定戦の勝利クラブはB1残留プレーオフ2回戦敗退クラブとの入替戦に進出。
リーグの将来構造
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2019-20シーズン途中でリーグ戦が打ち切りとなり、B1→B2への降格がなくなったが、これを機に、2022-23シーズンまではリーグ昇格はあっても降格はなく、B1は24クラブまで増加させる。
ただ、無尽蔵にB1クラブを増やす目的ではない。2026-27シーズンの前に、改めてクラブの入場者数・アリーナ等を審査し、リーグを再編成する計画となっている。
クラブ名
クラブ名は、地域に根差したスポーツクラブを目指すという理念から、一定のルールを設けている。
チーム名
- クラブの公式サイト、印刷物等で使用。
- 企業名は入れられる。(※前シーズンに企業名が入っている場合に限る)
呼称
- Bリーグ公式サイト、印刷物等で使用。
- 地域名+愛称または愛称+地域名とすること。
- 企業名は入れてはならない。
クラブ一覧(2023-24シーズン現在)
※2015-16所属は2015-16シーズン(NBL、NBDLおよびTKbjリーグにおける最後のシーズン)時点での所属先。
※※2020-21・2021-22シーズンはレギュレーション変更に伴い、B1,B2共に従来の「東中西」の3地区制ではなく「東西」2地区制で行われる。
B1
地区 | チーム名 | 略称 | 前期所属 | ホームタウン | 2015-16所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
東 | レバンガ北海道 | 北海道 | B1東 | 北海道札幌市 | NBL | |
東 | 仙台89ERS | 仙台 | B1東 | 宮城県仙台市 | TKbjリーグ | |
東 | 秋田ノーザンハピネッツ | 秋田 | B1東 | 秋田県秋田市 | TKbjリーグ | |
東 | 茨城ロボッツ | 茨城 | B1東 | 茨城県水戸市 | NBDL | |
東 | 宇都宮ブレックス | 栃木 | B1東 | 栃木県宇都宮市 | NBL | |
東 | 群馬クレインサンダーズ | 群馬 | B2東 | 群馬県太田市 | TKbjリーグ | |
東 | 千葉ジェッツ | 千葉 | B1東 | 千葉県船橋市 | NBL | |
東 | アルバルク東京 | A東京 | B1東 | 東京都渋谷区 | NBL | |
中 | サンロッカーズ渋谷 | SR渋谷 | B1東 | 東京都渋谷区 | NBL | |
中 | 川崎ブレイブサンダース | 川崎 | B1中 | 神奈川県川崎市 | NBL | |
中 | 横浜ビー・コルセアーズ | 横浜 | B1中 | 神奈川県横浜市 | NBL | |
中 | 富山グラウジーズ | 富山 | B1中 | 富山県富山市 | TKbjリーグ | |
中 | 信州ブレイブウォリアーズ | 信州 | B1中 | 長野県千曲市 | TKbjリーグ | |
中 | 三遠ネオフェニックス | 三遠 | B1中 | 愛知県豊橋市 | TKbjリーグ | |
中 | シーホース三河 | 三河 | B1中 | 愛知県刈谷市 | NBL | |
中 | ファイティングイーグルス名古屋 | FE名古屋 | B1西 | 愛知県名古屋市 | NBDL | B2より昇格 |
西 | 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ | 名古屋D | B1西 | 愛知県名古屋市 | NBL | |
西 | 京都ハンナリーズ | 京都 | B1西 | 京都府京都市 | TKbjリーグ | |
西 | 大阪エヴェッサ | 大阪 | B1西 | 大阪府大阪市 | TKbjリーグ | |
西 | 島根スサノオマジック | 島根 | B1西 | 島根県松江市 | TKbjリーグ | |
西 | 広島ドラゴンフライズ | 広島 | B1西 | 広島県広島市 | NBL | |
西 | 佐賀バルーナーズ | 佐賀 | B2西 | 佐賀県佐賀市 | - | 2020年設立。B2より昇格 |
西 | 長崎ヴェルカ | 長崎 | B2西 | 長崎県長崎市 | - | 2020年設立。2022-23はB2。B2より昇格 |
西 | 琉球ゴールデンキングス | 琉球 | B1西 | 沖縄県沖縄市 | TKbjリーグ |
B2
地区 | チーム名 | 略称 | 前期所属 | ホームタウン | 2015-16所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
東 | 青森ワッツ | 青森 | B2東 | 青森県青森市 | TKbjリーグ | |
東 | 岩手ビッグブルズ | 岩手 | 岩手県盛岡市 | TKbjリーグ | ||
東 | 山形ワイヴァンズ | 山形 | B2東 | 山形県天童市 | NBDL | |
東 | 福島ファイヤーボンズ | 福島 | B2東 | 福島県郡山市 | TKbjリーグ | |
東 | 越谷アルファーズ | 越谷 | B2中 | 埼玉県越谷市 | NBDL | |
東 | アルティーリ千葉 | 千葉 | 千葉県 | - | 2021-22より加盟 | |
東 | 新潟アルビレックスBB | 新潟 | B1中 | 新潟県長岡市 | TKbjリーグ | |
西 | ベルテックス静岡 | 静岡 | 静岡県静岡市 | - | ||
西 | 滋賀レイクス | 滋賀 | B1西 | 滋賀県大津市 | TKbjリーグ | ※1. |
西 | 西宮ストークス | 西宮 | B2中 | 兵庫県西宮市 | NBL | |
西 | バンビシャス奈良 | 奈良 | B2西 | 奈良県奈良市 | TKbjリーグ | |
西 | 香川ファイブアローズ | 香川 | B2西 | 香川県高松市 | TKbjリーグ | |
西 | 愛媛オレンジバイキングス | 愛媛 | B2西 | 愛媛県松山市 | TKbjリーグ | ※2. |
西 | ライジングゼファー福岡 | 福岡 | B2西 | 福岡県福岡市 | TKbjリーグ | |
西 | 熊本ヴォルターズ | 熊本 | B2西 | 熊本県熊本市 | NBL |
※1.滋賀レイクスは2022年までは『滋賀レイクスターズ』の名で活動。
※2.愛媛オレンジバイキングスは『大分ヒートデビルズ』(2005年 - 2015年)として創設、
大分・愛媛ヒートデビルズ(2015年 - 2016年)を経て改名。
過去に参加していたクラブ
過去にB2以上のカテゴリに所属していたが成績・財政面などの問題などで、現在B3リーグ以下のカテゴリに参加しているクラブ。
成績面でのB3降格
所属 | チーム名 | 略称 | ホームタウン | 参加年度 | 2015-16所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
B3 | 東京八王子ビートレインズ | 八王子 | 東京都八王子市 | 2018-19 | NBDL | 2020年1月より経営面の問題で準加盟資格失格 |
B3 | アースフレンズ東京Z | 東京Z | 東京都大田区 | NBDL | 2016-2020年までB2中。 |
B2ライセンス不交付によるB3降格
所属 | チーム名 | 略称 | ホームタウン | 参加年度 | 2015-16所属 | 備考 |
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B3 | 鹿児島レブナイズ | 鹿児島 | 鹿児島県鹿児島市 | 2016-17 | NBDL | 運営団体の経営悪化 |
B3 | 金沢武士団 | 金沢 | 石川県金沢市 | 2017-19 | TKbjリーグ | 3期連続での赤字計上 |
B3 | 東京エクセレンス | 東京EX | 東京都板橋区 | 2016-17,2019-20 | NBDL | ホームアリーナの要件を満たせず |
準加盟クラブ
準加盟クラブは翌シーズンのBリーグクラブライセンスの申請が可能になる。なお現在は3部に相当するB3リーグに参加。
チーム名 | 略称 | ホームタウン | 承認年度 | 2015-16所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
さいたまブロンコス | 埼玉 | 埼玉県 | 2016-17 | TKbjリーグ | |
トライフープ岡山 | 岡山 | 岡山県岡山市 | 2019-20 | - | |
鹿児島レブナイズ | 鹿児島 | 鹿児島県鹿児島市 | 2017-18 | NBDL | 2016-17はB2所属。 |
承認されなかったチーム
所属 | チーム名 | ホームタウン | 2015-16所属 | 備考 |
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近畿 | 和歌山トライアンズ | 和歌山県 | なし※ | 「クラブが実質的に存在していない」と判断されたため入会不可、現在は地域リーグ所属 |
中国 | 広島ライトニング | 広島県 | TKbjリーグ | 広島県バスケットボール協会からの支援文書の提出がないため入会不可、その後クラブは活動休止。 |
※和歌山トライアンズは前身が1951年創設・2013年解散の『パナソニックトライアンズ』で2014-15シーズンまではNBLに所属していたが、2015-16シーズンへの参加を拒否された。