Pathfinder
ぱすふぁいんだー
正式名は「Pathfinder RPG」。アメリカの出版社パイゾが展開している。
ルールはD&D第3版および第3.5版によく似たもの。…それもそのはずこの会社、元々D&D公式サポート誌の発行元である。
そもそもは2008年頃、D&Dが第3版から第4版へとリニューアルされたことから始まる。
そこで今まで蓄積してきたものを投げ捨てるがごとく、全く別のシステムに変化すると同時に、第3版(厳密に言うとそのバージョンアップの3.5版)の展開が一切打ち切られてしまった。この第4版への変更点を挙げればキリがないが、日本のTRPGで例えると「ソード・ワールドが急にアリアンロッドになった」くらいの変更である。
確かに第4版は遊びやすくはなったものの昔ながらのD&Dらしさがなくなっていたりなど、戸惑いを覚える層も少なからずいたらしく、そのような需要に応えるものとして登場したのがこのPFというわけである。
こうした経緯からD&D3.75版という別名もある。さすがに会社が別ということもあってビホルダーとかは登場しないが。
このPFだが、かつて日本では発売されておらず、未翻訳の英語版を洋書を扱っている書店で見つけるか通販せざるを得ない状況が長らく続いていた。
しかしそんな状況下でもパイゾ社は太っ腹に、PRDというルールのまとめをWEB上に公開しており、さらにそれを日本の有志の方々が翻訳してwikiに纏めて下さっていたため、そこを参照することで日本でも遊ぶことが可能であった。
そんな状態だったのだが、2018年に日本語版の発売が決定、そして無事、同年末に発売された(公式ページ)。
だがamazonで同書を扱うページにも評価の一つとして書かれている通り、「本書には「モンスター」はいっさい書かれていません」というオチがついていた。一応、日本語版のサポート雑誌となった「ロール&ロール」である程度のフォローはされてはいたし、D&D第3.5版のデータを少々修正するだけでほぼそのまま使うこともできたが。
モンスターの情報を載せた続編ブックも含め、今後のさらなる展開に期待…していたら2019年9月にモンスターデータ集の日本語版「ベスティアリティ」が日本語版ルールブックから10か月遅れで発売された。
パイゾ社は2018年のプロジェクトの一環としてプレイテストを行い、2019年の8月に第2版の正式版を発売した。わざわざプレイテストを行ったのは、大きな変更を行った箇所が存在するから。また文中の表現がアメリカで猛威を振るうポリティカル・コレクトネスに配慮したものに変更されたりもしている。
2021年には「Pathfinder Infinity」(-インフィニティ)と呼ばれる第1版第2版共用の誰でも使えるオンラインストアが現れ、ドイツ語版のルールブックはそこで販売されている。