概要
『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(原題『Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves』) は、1974年に発表された世界最初のRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を題材として制作され、2023年3月に公開されたアメリカ合衆国のファンタジー・アドベンチャー映画。
脚本と監督はジョナサン・ゴールドスタインとジョン・フランシス・デイリー。
なお、原題の「Honor Among Thieves」は「盗人にも仁義あり」「小悪党にも矜持あり」のような意味。
ほぼ劇場公開が終了したと思われる5月中旬、早くも配信・セル・レンタル情報が公開された。
2023年6月14日にデジタル配信を開始。同年7月21日に4K UHD, Blu-ray&DVDの発売およびレンタルを開始する。(告知ツイート)
ストーリー
様々な種族とモンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガンと彼の相棒である戦士のホルガは、ある目的のために旅に出る。
目的を果たすべく、魔法使いのサイモン、ドルイドのドリック、聖騎士のゼンクといった個性的な面々とパーティを組み冒険するも、次第に世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙することとなっていく。
登場人物
※「ダンジョンズ&ドラゴンズ」はファンタジーRPGにおける「戦士・魔法使い・僧侶・盗賊」のパーティー構成を生み出したといえるゲームだが、その映像化である本作の主人公パーティーは、一応「戦士」「魔法使い」「僧侶」「盗賊」の役割のキャラは揃ってはいるが、全員が、一般的な「戦士」「魔法使い」「僧侶」「盗賊」から少しズレた、ゲームであれば上級者向きの癖の強い職業のキャラから構成されているのが特徴と言える。(戦士役であれば「防御力の高い鎧が使用出来ない」、魔法使い役であれば「いわば装弾数は多いが、使える魔法の種類は少ない」など)
※要は主人公パーティーの能力やメンバー編成は「映像化した際に派手に見えるが、ゲームでプレイヤーキャラクターとして使う場合にはピーキー過ぎる」ような連中だと思って、概ね間違いない。
- エドガン
チームのリーダーで、カリスマ性がありプランニングやインスピレーションに長ける。かつては「ハーパーズ」と呼ばれる所謂「世のため人のために秘密裏に活動する組織」の一員だったが、それ故に悪党から恨みを買って妻を殺され、現在は堕落し盗賊となっている。一人娘のキーラがいる。フルネームはエドガン・ダーヴィス (Edgin Darvis)。
公開されているキャラクターシートでは職業はバード(吟遊詩人)で、属性(性格)は「混沌にして善」。
実はキャラクターシート上では「味方が行なう何かの行為の成功率を上げる」などチートだが映像化しにくい能力を持っている。
- ホルガ
演:ミシェル・ロドリゲス / 日本語吹替:甲斐田裕子
エドガンの信頼厚い相棒である女戦士。優しい心を持つが、戦闘では圧倒的な強さを見せる。フルネームはホルガ・キルゴア (Holga Kilgore)。
公開されているキャラクターシートでは職業はファイター(一般的な戦士)ではなくバーバリアン(装備できる防具に制限が有る代りに「怒り」により一時的にパワーアップする事が出来るタイプの戦士)で、属性(性格)は「混沌にして善」。要は一般的な「防御力の高い盾や鎧を装備出来る特性を活かして仲間の盾となりつつ、敵に対しては高値安定のダメージを与える」ような戦士ではなく「攻撃特化型で防御力やスタミナに難あり。圧倒的な攻撃力による短期決戦に向く」タイプの戦士。
かつての夫と再会したシーンなどから、かつての夫とは「ハーフリングの男にしか欲情しない人間の女」と「人間の女のバーバリアンにしか欲情しないハーフリングの男」のカップルだったのでは?という疑惑が有る。
- サイモン
演:ジャスティス・スミス / 日本語吹替:木村昴
名家出身の魔法使いだが、自身の魔力は弱く、自分に自信が持てていない。フルネームはサイモン・アウマー (Simon Aumar)。
公開されているキャラクターシートでは職業はウィザード(学習により魔法を習得するタイプの魔法使い)ではなくソーサラー(先天的に魔法が使えるタイプの魔法使い)で、属性(性格)は「混沌にして善」。実はハーフエルフ。
ところが一族が魔法の名門となった切っ掛けである祖先はウィザード。
つまり高名な魔法使いの子孫だが、その高名な先祖が「学習で魔法を習得する」「重要な能力値は知性」「覚えられる魔法の種類は多いが、いわば『装弾数』が少ない」のに対し、彼は「先天的に魔法が使える」「重要な能力値は魅力(≒精神力)」「覚えられる魔法の種類は少ないが、いわば『装弾数』が多い」などの魔法使いとしてのタイプが全く違う。(むしろ、本作のメイン・ヴィランの方が、彼の先祖に近いタイプの魔法使い)
また、「高い知性を持つ者に反応する」モンスターが魔法使いである彼にも反応しなかったのは、彼が魔法使いでも「能力値の内『知性』が高くても、あまりメリットが無いタイプ」だからと思われる。
また、彼の自信の無さや魔法使いとしてのヘッポコぶりの原因は「自分の魔法使いのタイプ・種別を勘違いしている為」または「本当になりたかったタイプとは違う魔法使いになってしまった為」である可能性もある。
ドルイドの女性。あらゆる動物に変身する能力を持つ。英表記は Doric 。
公開されているキャラクターシートでは属性(性格)は「中立にして善」だが、実は、頭の角は魔物(デビル,デーモンなどの悪属性の異界の存在)の血を引く種族「ティーフリング」である証。
赤ん坊の頃に親に捨てられてエルフに育てられたという設定から、ティーフリングの一族の出身ではなく、両親は人間だが、隔世遺伝によりティーフリングとして生まれたと考えられる。
- ゼンク
演:レゲ=ジャン・ペイジ / 日本語吹替:中村悠一
とても博識で高い戦闘能力を持つ聖騎士(パラディン)。超がつくほど真面目な性格で、それ故に冗談や皮肉が通じず真に受けてしまう。フルネームはゼンク・イェンダー (Xenk Yendar)。
公開されているキャラクターシートでは属性(性格)は当然ながら「秩序にして善」。
にもかかわらず、作中で悪の帝国扱いされている国「サーイ」の出身で、しかも外見からは想像出来ないほどの高齢らしいが……。
属性(性格)を見ればわかる通り、「人助けをせずにはいられないが、合法的な方法で行なう」タイプであり、「人助けのためには、法律や慣習を無視する」タイプが多い他の主人公側の主要メンバー達とは、実はあまり相性が良くない。
なお、本作を観た観客から「セクシーパラディン」の渾名を付けられる。
(参考:ファミ通.com - 映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』でセクシーすぎるパラディン、ゼンクを演じたレゲ=ジャン・ペイジが「セクシーパラディン」とツイート)
ちなみに登場シーンで猫人間っぽい種族の子供を助けているのは、ハリウッド映画の脚本の定石の1つである「いい奴である記号的表現=猫を助ける」を踏まえた上でのギャグ。
脚本の段階ではフォーゴトン・レルムを舞台にした人気小説シリーズの一つである、ダークエルフ物語の主人公ドリッズト・ドゥアーデンをゲスト出演させる案だったものの、諸事情から見送りオリジナルキャラとして新たに創作されたとか。
- キーラ
エドガンの一人娘。
フルネームはキーラ・ダーヴィス (Kira Darvis)。
- フォージ
狡猾な詐欺師。かつてはエドガンらとパーティを組んでいた。
フルネームはフォージ・フィッツウィリアム (Forge Fitzwilliam)。
- ソフィーナ
魔法使いが支配する国「サーイ」の支配者階層である「レッド・ウィザード」の1人。タイムストップなど強力な魔法を扱え、リッチなどのアンデッドと化しているかのような描写も有る。
ただし、かつては善良な魔法使い達が支配する国だったが、現在は悪の帝国と化してしまったサーイの人間、それも支配者層に属する強力な魔法使いとなれば、他の地域では危険人物扱いされている為、国外では正体を隠している。英表記は Sofina 。
- ザス・タム
作中で悪役として描かれている国であるサーイの支配者。
サーイの支配者層である「レッド・ウィザード」は1人1人が何らかの専門分野を極めた強力な魔法使いだが、彼の専門分野は死霊・アンデッド関係。
かつて、国民をアンデッドの軍団に変えてクーデターを起こし、レッド・ウィザードの頂点に上り詰めた。
- 死体トーク(日本語吹替:神谷浩史)
- 死体スタンハード(日本語吹替:森川智之)
- 死体スヴェン(日本語吹替:津田健次郎)
- 死体ヴェン(日本語吹替:諏訪部順一)
- 死体イエス(日本語吹替:やま〈Kevin's English Room〉)
- ジャーナサン(日本語吹替:ケビン〈Kevin's English Room〉)
- ノリジウス(日本語吹替:かけ〈Kevin's English Room〉)
公式動画
映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』ファイナル予告(日本語吹替) @ パラマウント・ピクチャーズ(日本版)
関連タグ
ダンジョンズ&ドラゴンズ Dungeons&Dragons D&D DnD
モンスター(D&D):アウルベア(→オウルベア) インテレクト・ディヴァウラー ゴールドドラゴン ゼラチナスキューブ ディスプレイサービースト ミミック レッドドラゴン