Gaiyo Fighter Otoko
主に『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第3版をプレイしていたサークル界隈で使われだした用語。
Human(人間)Fighter(ここではキャラクタークラスのファイターを指す)Otoko(男)を略して「HFO」(エッチエフオー、ではなくエイチエフオーと読むのが正式らしい)。
これが何を意味するかというと、とかく不憫・不遇極まるPCを作ってしまったということである。
それがなぜかと言われると、
- 「前を通るだけで勝手に隠し扉が発見できる」とか「呪文に対する抵抗力が高い」とか様々なボーナスが貰える種族がいる横で、特技(後述)が1個と技能ポイントがちょっと増えるだけの人間
- 怒って筋力増強できるバーバリアン、悪人相手ならとにかく大ダメージを与えられたりするパラディンといった高い攻撃能力を持った他の前衛職と違い、どんだけレベルを上げても特技を覚えるだけのファイター
…といった(旧)第3版の仕様が重なった結果、大した能力を持たないザコっぽいキャラが出来上がってしまうのだ。
「特技」というのはSW2.0の戦闘特技と同じようなもの、と言って分かってもらえると話は早いのだが、それでひと目見て分かるほどの強力な効果を受けられるものは当時少なかった。他のクラスであった場合もレベルアップで獲得できるため、アドバンテージになりにくかったのも災いしている。
技能ポイントもそれでやることが多いローグならばともかく、ファイターはその分野にはまったくもって疎く、得意な事といえばちょっと飛んだり跳ねたりとか動物のしつけとかそんなものという不遇ぶり(前者も重い鎧を着てるとさっぱりだし)。
それが女性キャラならまだパーティのアイドル的存在としてチヤホヤしてくれるかもしれないが、男ではそんな期待もできるはずもなく、何の救いもないという悲しい事に…。
ひどい場合には「HFOの仕事は(敵を倒す事でも仲間を守ることでもなく)パラディンの馬の世話」などと言われてしまったり。
ただし「特技がたくさん覚えられる」という点に関しては、レベルが上がってからなれる上級クラスにいくつもの特技を要求するものが多く、それらに転職する為の踏み台としては有用な道であったりする。上級クラスに上がれるまでの日々を耐え忍ぶマz…修行中の身という感じと言えば少しは格好が付くだろうか。
故に、最大の20レベルまでファイターを上げるという選択肢はほぼあってないようなものであった。
そもそも第3版には複数クラスを取るマルチクラスが可能で、特に人間はマルチクラスがしやすい種族だった事もあり、必要な特技を取ったらそれでおしまいな足掛けで終わるのも普通。
ファイター専用特技も勝手についてくる上級クラスもあったしな!
その後のHFO
だがしかし、敢えてこの道を突き進むリアルマン(マンチキンの項をご参照あれ)もいないわけではなかった。
彼らはHFOの地位向上を目指し、HFOのみでダンジョンに潜るという無謀なる挑戦までやってのけたのである。
その甲斐あったのだろうか、第3版のアップデート版になる3.5版や実質後継システムの『pathfinder』では改善が見られた。
ファイター専用特技が増えたり、他にも魅力的な特技が増えたのだ。特技数に余裕のあるHFOにとっては利点になる一方である(元々それを見越していたのかもしれないが)。
技能に関してもメンチ切って相手をビビらせることもできるようになり、交渉の場でも少しはできることが増えた。
pathfinderにもなるとファイターが選べる特技がカテゴライズされて検索性が増し(3.5版でも「この特技はファイターも選べる」といちいち書いてあった)、さらには特技以外のクラス能力・技能も充実と、生まれ変わったように強くなっている。
「HFOには特技しかない そんなふうに考えていた時期が 俺にもありました」
男(いやさ、漢か)達の奮闘はD&D以外のプレイヤー層にも伝わってか、「特異な力は持たず、鍛えた身体と技量のみで渡り合う漢」というキャラクター類型の表現としてそれなりの認知度を得ている。
ついには『ソードワールド2.0』のSNE公式リプレイでもこのワードを使用する例も見られた。
ただし血まみれ伯爵 てめーはダメだ プリースト技能取って魔力撃使う時点でHFOじゃねーからお前!
また、Human Fighter Onnaに対して使われている例もある。
しかし、本来女性の場合はHuman Fighter Naon(略してHFN)といって明確に区別されるものである。誤用だと言わざるを得ない(まあ、上イラストは「HFO()」らしいが…)。