概要
正式名称は『Ruina ~廃都の物語~』。
枯草章吉氏により作られたRPGツクール2000製のフリーゲーム。ジャンルはRPG。
フリーゲームの登録サイト「ふり~む!」のコンテストにて大賞を受賞した。
一つの町とその地下という狭い世界での冒険にはなるものの、少しずつ行き先が表示されていく「ポイントによる探索」に加え、「SPによる主人公の多彩な転職」、「SPを得るチェックポイントとTTEXP」、仲間たちが持っている探索スキルの組み合わせなど、手の込んだシステム、膨大なテキストに裏打ちされた世界観とシナリオが魅力となっている力作である。
ツクール2000を使用していることからグラフィックは少々荒く、今となっては音響もややチープに感じられるが、むしろその粗さが本作の雰囲気に非常にマッチしており、Ruinaの世界観に浸る一助となることだろう。
ヘタレ兄貴に脳天気娘、風来坊爺、ツンデレ狩人少女、不良魔道士少年
そんな個性的な仲間達と共に、貴方もダンジョン探索に乗り出さないか?
あらすじ
町の近くの森で見つけた、不思議な洞窟の入り口。
主人公は何者かの声に誘われるかのように、洞窟の奥を目指し始めた。
そして、世界は物語に侵食されてゆく──。
やたらと大きくなる話のスケール。
でもやる事はずっとダンジョン潜り。
あなたは結末を見ることができるか?
地図の空白を埋めながらプレイする、ゲームブック的なRPGです。
*****ごく一部にホラー表現あり。*****
>「制作者からゲームの説明」より抜粋
ゲームシステム
ツクール製のRPGで一般的に想像されるような、歩行キャラクターを操作してマップ上を歩き回るものではなく、手描き風の地図の上でカーソルを動かし、点在するポイントを調べていくことで、地図の空白を埋め、探索を進展させるというシステムである。
また、先に進むために謎解きを要求されることもある。
中には、到着した時点ではまだ解けないようなものも存在するため、まずはマップの隅々まで探索し、会話コマンドで仲間の話を聞いたり、入手した書物を読み返したりしてヒントを得ることが重要。
特徴は戦闘ではほとんど経験値が得られないという点。
レベル上げのために雑魚敵といちいち戦う必要はなく、調査やイベントを進行させることによって経験点を入手できるというシステム。
この経験点はパーティに居なくてももらえるので、あまり連れ歩いていない仲間キャラでも、即座に起用できるのが嬉しい。
登場人物
主人公
物語の舞台である、大河のほとりの小さな町「ホルムの町」で育った若者。
プレイヤーの分身的存在、所謂「喋らない主人公」であり、ゲーム開始時に、性別・生まれ・顔グラフィック・名前(デフォルトネームあり)を決めることになる。
生まれは、「騎士の嫡子」「罪人の遺児」「賢者の弟子」「神殿に拾われた孤児」の4種類。
この選択により、能力値、装備や称号適性、一部のイベントやキャラクターとの関係性が変化する。
顔グラフィックは男女それぞれ4つずつ、合計で8パターン存在する。
容姿はグラフィックごとに大きく異なるが、色素の薄さ、瞳の色などの部分的な要素は共通している。
仲間キャラクター
「──へぇ。変な洞窟を調べに行くって?面白そうだな、オレも混ぜろよ」
町のチンピラ。主人公の幼馴染であり、兄貴分的な存在。周りが濃いのでツッコミ役になりがち。
主人公の生まれが「罪人の遺児」の場合、本当の主人公の兄になる。
パワー型の盗賊で、二刀流使い。
「仲間はずれにしたら、承知しないからね?危ないところに行くときは連れていきなさいよ」
町の雑貨屋の娘。パリスと同じく主人公の幼馴染であり、ほんわかした小市民的な性格をしている。特技は怪力。
器用なタイプの重戦士キャラ。多くの制作スキルを覚えるありがたい人。
「何というか、いきなり妙な話になったが……。なーに、なるようになるさ」
ホルムの町を時折ふらりと訪れる風来坊。色んな知識を教えてくれる気のいい爺さんだが、その過去は……?
強力な剣技を使う軽戦士。隻腕であり、盾が持てない。
「……何よ。そのくらいの義理は、あなたたちに対してあると思っただけよ」
ある事情から放浪の旅をしている遊牧民の女性。つれない態度とは裏腹に結構な人情家。ツンデレかわいい。
魔法も使える弓使い。獣を使役できる。
「地下に魔王がいるなんて噂があるみたいだが、冗談じゃないよな。魔王は僕一人だけで十分だっての」
力を求める妖術師。悪いことばかりしている傲慢な少年だが、子供っぽさが隠し切れない。
闇と雷の魔術を操る魔法使い。人工精霊という謎の生物を使役する。
「やあやあ君か。私を誘いたいのかね?それとも、私の遺跡調査を手伝いたくてたまらないのかい?」
学問狂いで遺跡マニアの神官お姉さん。探索中の会話ではヒントをくれることが多い。
回復・補助のエキスパート。防御コマンドが他のキャラより強力である。
「僕たちの愛が一つになれば、不可能なことなんか何もありません!」
愛と正義と善意の騎士様。心の底からいい人だが、ちょっと空気が読めない。
非常に優れた耐久力を持つ重戦士。
エンダ(デフォルトネーム)
「おまえ、お父(お母)さんか?」
主人公に付いて来た野生児。プレイヤーが名前を付けることになる。好物はチョコレート。
魔法戦士タイプのキャラであり、強力な全体攻撃を多く備える。
「この先、どんな戦いが待ち受けているのか分かりませんが……。この命を捨ててでも、お守りします」
町の領主に仕えるメイド忍者。天然ボケしたところが目立つが、なにより忠義を重んじる仕事人。
スピード型の盗賊で、二刀流使い。暗殺技を多く覚える。
「…………」
暗い雰囲気をまとった傭兵の男。シリアスキャラなのかネタキャラなのか判断に困る人。
バランスの取れた神官戦士タイプ。防御コマンドが他のキャラより強力である。
町の人々
チュナ
パリスの妹。フラフラしている兄とは反対に、子供ながらにしっかり者。
条件を満たすことで、期間限定で仲間になる。
主人公の生まれが「罪人の遺児」の場合、主人公の妹になる。
領主カムール
ホルムの町を治めている伯爵。真面目で誠実だが、その分悩みの多き苦労人。
主人公の生まれが「騎士の嫡子」の場合、主人公の父親になる。
アダ
神殿に仕える老巫女。さっぱりとした性格のおばあちゃん。
主人公の生まれが「神殿に拾われた孤児」の場合、主人公の育ての親になる。
デネロス
町外れの森の方に暮らす老魔術師。酒好きでだらしないが、医師として信頼されている。
主人公の生まれが「賢者の弟子」の場合、主人公の育ての親になる。
オハラ
プレイヤーが必ずお世話になる酒場「ひばり亭」の女将さん。商売人だけあって抜け目がない。
昔はよその国で美少女怪盗として鳴らしていたとか何とか。
ライトノベル化
著者:嬉野秋彦
イラスト:弘司
2018年にエンターブレインから小説版が発売された。全二巻。
騎士の嫡子(女)ルートでの、原作とはやや異なったストーリー展開となっている。
リメイク版
原作リリースから十数年、steamにてリメイク版が発売されることに!
原作の雰囲気を継承しつつも綺麗になったイラストや、原作者である枯草章吉氏が監修に関わっていることが判明。
https://twitter.com/dengekionline/status/1570215955946700800