「知識とは本来、どんな国や種族にだって贔屓してはいけない」
概要
タワーディフェンスゲーム『アークナイツ』に登場するNPC。
サイドストーリー『ツヴィリングトゥルムの黄金』で初登場し、その後実装された統合戦略#5『サルカズの炉辺奇談』では通常ルート(5層表)のラスボスを担う。
プロフィール
性別 | 男性 |
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種族 | サルカズ(リッチ) |
絵師 | 竜崎いち |
人物
リターニアの首都、『ツヴィリングトゥルム』の『ルートヴィヒ大学』でアーツ学の講師を務める気難しい老人。
そして、サルカズ十王庭が一門、『リッチ』一族の主である。
プレイアブルキャラクターとして実装されている『レッシング』、メインストーリーにも登場した『エルマンガルド』、そして『ツヴィリングトゥルムの黄金』のラスボス、『巫王ヘーアクンフツホルン』らの師匠でもある。
とにかく毒舌で、誰に対しても歯に衣着せぬ物言いをする性格。相手がテレシスやテレジアであろうと遠慮はなく、彼が送った書簡は、使者がこっそり校閲の手を入れなければならないほどの辛辣さだったらしい。
しかし決して悪人ではなく、罪人だった幼いレッシングを拾い、優秀な戦士として育て上げたほか、悪態をつきながらも「生徒は大学の宝」(強調したのは装置や術式だが)と称したり、前述した書簡とは別に、自分なりのアドバイスを綴った手紙を送っていたりと、随所で面倒見の良さが伺える。
また、統合戦略のフレモント戦は「危険地帯に入った一行を止めるためにフレモント自らが出向く」という成行きで、敵図鑑ではわざわざ「純粋にあなたたちを思ってのこと」と補足されている。
能力
「ではきっと知っているだろう。私に放り出された者は、二度と生きて帰れぬことを」
"リッチの王"という肩書は伊達ではなく、作中でも上位に位置する実力者。ブラッドブルード王庭の主を務める『ドゥカレ』同様(或いは協力して)『巨獣』の討伐を果たしている。
リッチは命結というパーツが無事である限り無限に生き続けることができ、事実、フレモントもすでに少なくとも500年の時を生きている。
リッチは自身の身体を構成している糸(命弦)を操るアーツを使用し、作中では
- シンプルに標的を縛る
- 身体を糸状に分解し各所へ飛ばす
- 言葉を糸に封じ、結び目を解いた者に伝える
などなど、多彩な技を披露した。
中でも特に強力で特異な技が荒域(千糸万弦の終始)への追放。荒域とは、テラの地から隔絶された異空間であり、無尽蔵の悪魔が巣食う混沌そのもの。到底生命を保てないそんな環境へと、フレモントは対象を引きずり込むことが可能。
要は即死攻撃で、彼の恐るべき力を象徴する能力の一つと言える。
作中の動向
過去
大学教授として、リッチ一族の責務である知識の伝達を果たしていたフレモントは、リターニアで若きウルティカ伯『オットー』と出会う。彼の類稀な才能に惹かれ、やがて二人は親友と呼べる関係性を築いていった。
その後、オットーが皇帝に即位し『巫王へーアクンフツホルン』と称されるようになっても、二人の関係は続く。しかし、フレモントから命結を借りて荒域に侵入した巫王は、そこで源石の創始者や悪魔を知ることになる。そして、賢者であるがゆえに、テラを襲う危機に対するための研究に執着するうち、過激な手段を厭わない"暴君"へと変貌していった。
その結末を後悔したのか、フレモントは巫王の打倒を目指す『イーヴェグナーデ』と『グリムマハト』姉妹に協力。
統治者が彼女たちへと代わった後も、フレモントはリターニアに貢献し続けた。
また、フレモントが訪れた頃のツヴィリングトゥルムは平野同然だったようで、現在の繁栄の中にリッチ一族の影響が各所で見られるという。
『ツヴィリングトゥルムの黄金』では
グリムマハトの協力者として登場。かつて自らが討伐した巫王を一時復活させ、その強大な力を得るという計画に加担する。
フレモント自身にも、巫王に貸したままの命結を回収するという目的があった。
巫王の肉体は滅びていたが、生前荒域の一部改造に成功しており、『始原の角』と呼ばれる塔を建設し、精神を保存していた。
フレモントは巫王の血縁者であり、彼の信奉者である術師の被験体であったエーベンホルツに植え付けられた『塵界の音』から始原の角へ至るための手がかりが得られると期待し、レッシングを通じて彼に接触する。
しかし、期待通りの成果は得られず、更には弟子『ゲルハルト』が巫王信者の術師と手を組み、不完全な復活の儀式を敢行。リターニアは混沌に陥る。
最終的には、単独で情報を集めていたアルトリアの演奏によって道が拓かれる。フレモントは荒域への侵入を試みる彼女を拘束するが、突入を許してしまい、後を追うように荒域へと向かうのだった。
自身やアルトリアだけでなく、エーベンホルツやヴィヴィアナ、フェデリコ、そして双子の女帝
外部の人間が侵入したことでより不安定となった荒域を糸で繋ぎ止める傍ら、外に残した部下と協働し一同が脱出するための手段を講じるなど活躍した。
そして、巫王が双子の女帝に再び討ち倒される間際、消え行く精神と面会。当初の目的通り、命結の返還を求めるが……
「フレモント、これほど愚かな貴様は初めて見たな……」
フレモントは何気なくポケットを探っただけのようだったが、失われたと思っていた鍵は、ずっと手の届く場所に転がっていたことに気付いた。
「貴様はただ別れを告げに来たのか?フレモントよ、我が親友よ」
実は、命結は既に返されていた。
フレモントは、無二の親友であった巫王との別れを、心の底で受け入れることができずにいたのである。
こうして、過去との決着をつけたフレモントは、「リターニアに留まりすぎた」と、リッチ一族の本来の役目を果たすため、リターニアを去ることに。しかし、500年も滞在した土地にすっかり愛着が湧いてしまったようで、最終的にはエルマンガルドに手を引かれるように第二の故郷を後にするのだった。
『溶炉「還魂」譚』および『サルカズの炉辺奇談』では
王庭の一角でありながら、政治には不干渉を徹底していたフレモントだが、カズデルの内戦とその後の(リターニアを含む)他国の侵入については目を光らせていた。
戦後、フレモントがカズデルのため取った行動は、カズデル全体を支えるコアである『魂の大溶炉』の整備だった。その燃料源となっていたのは、遥か昔に生贄とされたレヴァナントたちであり、溶炉の中に閉じ込められた魂の不満が長年にわたり燻っていた。フレモントは彼らの昂りを鎮める儀式を執り行おうとする
…が、ウィシャデルの、厳密には彼女の持つ武器に封じられた『レヴァナントの長者』の干渉により儀式は中断。長者と炉内の魂たちの衝突により、一部のレヴァナントが外へ飛び出してしまい、事態は急を要するものとなった。
フレモントはエルマンガルドに回収の命を下したはずが、知らぬ間に彼女は協力者を募っていた。許可した覚えのない人々が溶炉内部で動いていることに気づいたフレモントは、急ぎ彼女たちを追い出すため自ら足を運ぶことに。
こうした経緯で、『サルカズの炉辺奇談』の5層ボス『「迷想の解」・フレモント』戦へと突入する。
「知識の殿堂に戻ったら、お前の命結を握ったまま、ゆっくりと言い訳を聞かせてもらうとしようか、エルマンガルド」
「迷想の解」・フレモント
全員直ちに手を止め、その場を動くな。これより、儀式操作の安全にまつわる重要な授業を始める。休みの申請は許可しない。
ローグライクの大ボスということで、流石の高ステータスを誇る。
HP | S | 攻撃力 | A | 防御力 | A+ | 術耐性 | S+ | 移動速度 | C | 攻撃速度 | C |
---|
第一形態と第二形態、あまり目にする機会は無い(負荷を超えて思案を所持し"混乱"状態にある場合のみ、第三形態に移行)が第三形態まで分かれており、HPをゼロにすることで次の形態へと移る。
スキル
『即興護身アーツ』
攻撃していない間、周期的にエネルギー弾を獲得(最大3つ)し、エネルギー弾が多いほど被ダメージを軽減する(1つにつき30%)。
また、次の攻撃でエネルギー弾を全て消費し、消費した分ダメージを増加させる。
ちなみに、作中では弟子ゲルハルトがフレモントの攻撃を防ぐために使用していた。
『痴愚の懲戒』
形態移行時に使用。フレモントを代表するスキル。
オペレーターをランダムな位置に再配置するというとんでもない技。弟子である巫王も同名同種のスキルを使用するが、フレモントは配置したオペレーター全員を対象とする。
その初見殺しっぷりに振り回されるドクターもちらほら。
『追放の黒棺』
オペレーターが撤退もしくは撃破された際、その地点に棺を召喚し対象を戦場から"追放"するスキル。
追放されたオペレーターは、棺が破壊されるまで、再配置までのカウントが進まない状態になる。
荒域への追放を再現したスキルと考えられるが、過去イベントでは『炎魔』という種のサルカズが同様のスキルを使用してきた。他種族独自のアーツを真似れるほどの技術や知識を有しているとも示しているのかもしれない。
最も注意すべきが『痴愚の懲戒』。
フレモントのHPを削り切ったら、速やかにオペレーターを撤退しておき、後に配置した火力要員で棺を壊すという戦法が有効。
つい高速再配置で棺を処理したくなるが、その次は彼らが棺になるだけなので相性は悪い。
また、このステージではフレモントの状態に関わらず、時間経過ですべての敵が出現する。そのため、術耐性の高いオペレーターでフレモントをブロックし続け、雑魚敵を片付けた後で対応するという攻略法もアリ。
しかし、第二形態に入ると壊死損傷を付与してくるようになり、受け続けることが難しくなることには注意。
余談だが、フレモントの移動ルート上には『落とし穴』がある。
重量を低下させる『アンジェリーナ』や秘宝『重力蔑視装置』、強制移動の力を強化する妙想『行軍』などがあれば、こちらが彼を"追放"してしまうことも可能。