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概要編集

小説家・平山夢明が1999年に発表した作品。

偶然の出会いから意気投合し、「人を殺して密かに埋める」という禁断の趣味に魅せられた2人のクズの出会い、感動、友情、破滅を描いた物語。「命」という究極的に現実に根差したテーマでありがなら、「呪術」「神の加護」といったオカルトチックな要素が不気味さとエンタメ性を高めている。

殺人という禁忌が今までロクなことのなかった2人にとっては新鮮な喜びであり、彼らが心から意気投合しあう様はさながら青春物語のようであり、さながら『スタンド・バイ・ミー』的な「いけないことを皆でする喜びや友情」に満ち溢れている。


作中では飲料の自動販売機営業の狂気の実態が描かれているが、平山氏は小説家になる前は同職に就いていたことがあるため、全くの絵空事とはいえないだろう。


THE_HIGH-LOWSの楽曲「ミサイルマン」が作品の象徴として用いられており、表社会でくすぶる若者たちの反乱、生への渇望、といった作品テーマが窺える。

主な登場人物編集

カシマツヨシ

自動販売機の営業で働く非正規労働者。「少しでも貰えれば満足」という性格のため、人生を欲張らずに無為に過ごしてきたが、シゲとの出会いにより生きる喜びを見つけ、最初はガキ同然に嫌っていた彼に対しても友情を抱くようになる。

シゲ

カシマより年下の男で、少年的な愛嬌と残酷さにあふれた若者。人が死に、壊れ、朽ちる様を見ることに喜びを感じるサイコパスだが、それが病気であることもまた自覚している。

精神科に通う無職だが何故か羽振りが良い。


関連タグ編集

ウェルフィン:漫画『HUNTER×HUNTER』の登場人物。彼の能力名『卵男(ミサイルマン)』は本作が由来。ちなみに、漢字表記の方も平山氏の小説『卵男(エッグマン)』が由来で、『H×H』作者・冨樫義博先生は平山作品の大ファンを公言している。

ミサイルマン(ロボット刑事):特撮「ロボット刑事」に登場する犯罪ロボット。

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