概要
『ラマになった王様(原題:The Emperor's New Groove)』は、2001年に公開されたディズニー映画。2005年に続編『ラマになった王様2 クロンクのノリノリ大作戦』が、2006年には続編のTVシリーズ『ラマだった王様 学校へ行こう!』が制作された。
近年のディズニー作品としては珍しく、ミュージカルではなくセリフやキャラクターの動き、ギャグで雰囲気を盛り上げる。人情を持たない王族が因果応報で獣の姿にされ、元の姿に戻るまでに人の心を知るという構図は同じディズニー作品の美女と野獣(1991年)に類似しているが、そのような類似性を特に意識させることなく、単純にコメディ映画として楽しむことができる作品となっている。
ストーリー
南米のジャングルに君臨する若き国王クスコ。才能と美貌を兼ね備えた国王ではあったが、ワガママでイジワルで傲慢なその性格から民からの信望はまったくなかった。
ついには魔女からの恨みまでも買ってしまい国王は”ラマ”の姿に変えられてしまう。城からも追い出されてたクスコを助けてくれたのは、心優しい農夫のパチャだった。ラマになっても王様気取りのクスコとパチャは仲違いを繰り返しながらも城を目指して旅をするが……。
登場人物
- クスコ(吹き替え:藤原竜也→森久保祥太郎(2以降)) 17歳の若き国王。美貌と才能を持っているが、性格は意地悪、わがまま、傲慢、ナルシスト、そして自分勝手と最悪なため人望はほとんど皆無。薬でラマに変えられてしまった。パチャと冒険するうちに友情の大切さに気付き、傲慢さや意地悪な所がなくなる(ただし、自己中でナルシストな所は治っていない)
- パチャ(吹き替え:楠見尚己) 真面目で心優しい農民。妻子持ち。当初は自分の家をリゾートに作り替えようとしたこともあり、ラマになったクスコとも喧嘩ばかりだったが、持ち前の人の好さもあり、一緒に旅をするにつれ、友情を築くようになる。
- クロンク(吹き替え:堀内賢雄) イズマの手下。筋肉質な大男で思考力は極めて低い。リス語がわかる。彼が窮地に陥った時は心の中の天使と悪魔が言い争いを始めるが、どちらもあまり役に立たない。得意料理のほうれん草のパイを貶されたことで激怒し、天使と悪魔の意見も一致して、イズマの手下をやめるという根は善良で非常に純粋。テレビシリーズではたまにクスコに協力することもある。続編『ラマになった王様2 クロンクのノリノリ大作戦』では主役を務め、天使の方がやや役に立つ。
物語の冒頭と終盤で、クスコのテーマソング(主題歌)を歌う。
関連イラスト
関連タグ
裸の王様:原題「The Emperor's New Groove」はこの昔話の英題「The emperor's new clothes」をもじったものである。しかし原題をそのまま訳しても日本人一般に意味は通じにくいため、本作は昔話っぽさを感じる邦題が付けられている。
美女と野獣:同じく傲慢な王族が呪われて獣の姿となり、その後一般の人間と触れることで友愛の概念を学んでいくというお話。本作はどっちかというと「農夫と動物」だが。