アイちゃん(プリキュア)
あいちゃん
※この記事には作品の核心に触れるネタバレがあります。
CV:今井由香
概要
ドキドキ!プリキュアのキャラクター。キュアエース/円亜久里のパートナー。外見から判別しづらいが女の子。
本作の他のプリキュアのパートナー妖精たちよりも謎に包まれた存在で、ストーリー上のキーパーソン。
誕生
相田マナたちが、剣崎真琴にジョー岡田を紹介するのを兼ねて、岡田の雑貨屋「ソリティア」に赴いた時、何故かテーブルの上に置いてあった大きな卵から孵化。
さらには羽根が生えて空を飛ぶという、常識人の菱川六花の視点からすれば、ツッコミが追いつかないほどの存在であった。が、マイペースなマナと四葉ありすは全くお構いなし。
「アイ、アイ」と片言でしゃべったことから「アイちゃん」と名づけられた(命名はありす)。「アイちゃん」は一人称でもある。
なお、「アイちゃん」で正式名称という扱いらしく、「アイ」と呼び捨てにはされない。後にパートナーとなる亜久里も「アイちゃん」と呼んでいる。
ベール達は1度「きゅぴらっぱ~」と呼んだが、超能力を恐れてかそれ以降きちんと名を呼ぶようになった。
ありす曰く「産まれて最初に目にしたのがマナだった」ことから、マナを母親として認識しているようである。
羽があり飛べる事と超能力を除けば普通の赤ちゃんとあまり変わりなく、普通にマナや岡田、セバスチャンに抱かれて外出している(変てこなファッションと認識されてるのだろう)。
その日常と成長
誕生してからしばらくは岡田の拠点である「ソリティア」に住んでおり育児をしてもらっていたようだが、彼は自分の仕事(商品の仕入れとアン王女の捜索)のために、アイちゃんの世話をマナたちに世話を任せることが多々あった。
「きゅぴらっぱ~!」と呪文のような言葉を発すると超能力が使える(その際前掛けのハートが光る)。プリキュアを強化したり、新しい技を使用できるキュアラビーズを生み出したり、念動力で物体を宙に浮かせ彫刻や文字の形を変えたり、相田あゆみを洗脳して相田家の一員になるなど、効果は様々。
その力はプリキュア達にとって大きな一助となっていた。
彼女が生み出すラビーズは多種多様であり、プリキュアを戦闘でパワーアップさせる効果の他に、自分に必要な衣食住環境を作り出す「おせわラビーズ」を生み出すことができる。
(例)お腹がすく⇒ベビービスケットを作り出すラビーズ など。
しかし本人一人では「使用」できないので、プリキュアとパートナー妖精達の世話が必要となる。人間の赤ん坊が口にするものも食べられるので、「ソリティア」では市販の粉ミルクを飲んでいる。
性格は、良くも悪くも善悪の区別はついていない部分が多い。
人懐っこいので誰に対しても笑顔を向ける(ジコチュー関連者は除く。ただし、レジーナに関しては別で敵視せず仲良く遊んでいた)。亜久里(キュアエース)や、岡田ことジョナサン・クロンダイクなど、トランプ王国のマリー・アンジュ(アン)王女に関わりのある人物には自ら飛びついていく。
かなりのイタズラ好きであり、超能力によって、周囲に多大な迷惑をかけることも少なくない。
・純の顔を引っ張る
・岡田のラビーズを取る(保護者なのでその程度のイタズラは問題ないだろう)
・学校を大混乱させて八嶋さん達を怯えさせる
・機関車の煙をピンク色にして運行を一時停止させる
など。
これらのイタズラが遠因となってジコチューが発生したこともある。だが、こうしたイタズラについて(純の顔を引っ張った時以外)マナ達が注意したことは殆どなかった。イーラの失敗を見て嘲笑ったこともある。
また、お気に入りなのかランスの耳をよくしゃぶる。
第35話で歯が生えたため、ランスにとっては最早噛みつかれているようなものである。実際、彼は涙目になりながら痛がっていた。………ランスは泣いてもいい。
この件以外でも、シャルル・ラケル・ランス達は超能力で振り回されたり文字通りオモチャにされてボロボロにされたりと、何かとアイちゃんのせいで不憫な目に遭うことが多い。にも関わらず、マナ達がそれを止めたり注意したことは殆どない(ありすは一度だけ助けてくれたが)。
ランスは泣いてもいい。
精神的成長が普通の人間よりも早いのか、第19話で「しゅごーい」(すごい)と発言してから徐々に言葉を発するようになり、片言だが話数が進むにつれて語彙が増加(※イヤイヤ期は一時的に嫌以外の言葉をあまり喋らなかった)
言葉を発するようになって以降、自我も芽生え、第23話では落ち込んでいたマナを元気付けようとする面を見せた。
また、後述の円亜久里が変身しようとするタイミングにはすぐに登場してラブアイズパレットを召喚する。エースへの変身に必要不可欠な存在だが、変身が必要なタイミングになるとタイムラグなしに現場へ駆けつける。この点はアニメ的なご都合主義というものだろう(テレポートのような能力は持ってない様子)。
第21話までは、時々マナ達に預けられながらも、基本的には岡田と共同生活をしていた。
第22話で封印されたアン王女を秘匿するために岡田が「ソリティア」を去ることになり、その際アイちゃんも一緒に連れて行ったのだが、同話で彼女が一人だけ戻ってきた。
第23話以降は相田あゆみを超能力により自分を「マナの妹」だと思い込ませ、相田邸に住みついた。この行動は前述の通りマナを励ますための行為の一環だが、人の心を無理やり操作するという点では、本質的には22話でキングジコチューがレジーナに行なった行為と変わりはない。
(※過去作にも、一般人の記憶を操作した前例も存在するが、こちらは自身が何者か困惑していた面もあり、一応やむをえない事情があった)
第38話ではマナのベッドの隣で就寝しており、その後もマナと生活を共にしていた。
キュアエースのパートナーなのにも関わらず、亜久里とは生活を共にしておらず、亜久里自身も行動を縛ろうとはしていない。(但し、彼女には複雑な事情があった)
第44話にて、岡田がある洞窟の小屋で一息付いている時に、アイちゃんが突如洞窟の天井に穿たれた穴から飛び去ったことが明かされた。(この時アン王女の声が、キュアエースが覚醒したために彼女が人間界に戻らなければならない事を岡田に告げた。なお、この出来事は、作中時系列では岡田が「ソリティア」を去った第22話終盤でキュアエースが現れた裏で起きたものである)
キュアエースとの関係
23話でキュアエース=亜久里のパートナー妖精であったことが判明。
かつてキュアエースと共にジコチューに敗れて一度卵に戻っていたらしい(実際は諸事情による亜久里の事実誤認だった。詳細は後述)。
彼女が力を発揮することによって、5つのロイヤルクリスタルが組み込まれた変身アイテムであるラブアイズパレットが出現、それによって亜久里がキュアエースへと変身する。
プリキュアのパートナー妖精としてはシフォン以来の赤ちゃん妖精ということになる。更に「妖精の方が先に登場して人間のパートナーが後から登場する」パターンはポルン以来で「アイテムを与える形で変身させる妖精」はハートキャッチプリキュア!の3妖精以来となり、「外見が(小動物系ではなく)人間の赤ちゃんに似ているパートナー妖精」としてはシリーズ初である。
イヤイヤ期
第34話からアイちゃんがぐずる機会が増えた。これは前述した通り、自己主張が強くなる「イヤイヤ期」を迎えたからである。この時期に入るとワガママが多くなり、夜泣きでメンバーが睡眠不足になったり(母ということになっているあゆみが交替すれば良いのだがなぜかしなかった)、亜久里がキュアエースに変身出来なくなるなど、明確にプリキュア達の行動に支障が出てしまった。
また大泣きしている間はジコチューが大幅にパワーアップするなど、プリキュア達をピンチにさせる非常に厄介な存在になってしまった。
第35話ではアン王女の口から、アイちゃんは二つの使命が伝えられた。
・「妖精として、プリキュアたちに力を与える」
・「闇の力(ジャネジー)に対するシールドとしての役割を果たす」
この二つである。
アイちゃんはただそこに存在するだけでジャネジーの闇の力を減衰させることができるが、彼女が不機嫌になって泣きだすと、シールド効果が減退し、ジコチューは強化されてしまう(この時、前掛けが黒く染まる)。
この時期自体は成長には必然のプロセスだが、同時にこの時期に育て方を誤ってしまうと、ジャネジーに対するシールドが完全に消滅してしまい、ジコチューを止められなくなる可能性もある。そのような事情から、「アイちゃんはこの世界の最後の希望」とまで言われている。
この時点からプリキュアたちの使命に「アイちゃんを良い子に育てること」が追加されることになり、母親として彼女を正しく育てる役目を負うことになった。
その後、少しずつ良い子へと落ち着いていった。第38話ではジコチュートリオが彼女を悪い子に育てようと企んだが、成功寸前でマナの言葉と抱擁を受けて元の鞘に収まった。この時点でイヤイヤ期から卒業した。
もっとも、その後も嫌がるランスの耳をしゃぶり続けるなど、妖精をいじめる面は最後まで改善されなかった。
正体と結末(ネタバレ注意)
第46話で、プシュケーを失って死亡したアン王女の肉体が、どういうわけか妖精として生まれ変わった存在と判明。つまり、前述の経緯は亜久里が「前世の記憶」を現在の記憶と錯誤した結果生まれた、いわば偽の記憶である(詳細は円亜久里の項目を参照)。
現在の彼女はかつてのアン王女とは異なる別個の人格である。
アン王女は「アイちゃんの力を借りる」ことで鏡ラビーズを通じてプリキュアたちに声を伝えていたが、これは前世の記憶が一時的に蘇っていたと考えられる。マナたちにも内緒で独自の行動をとっていたのは、彼女の中に残る王女の記憶の導きのためとも推測される。
彼女はアン王女の自決後に生まれたため、それ以前の(崩壊前の)トランプ王国に「闇を抑えるシールド」が存在してたかどうかは不明。
もしなかった場合、ジコチューたちは何倍にも強化されていたため、トランプ王国にプリキュアが複数いながらすべて敗れたのはそれ故かもしれない。
(※ソード以外のプリキュアは未登場のジコチュー幹部「ルスト」&「ゴーマ」と相打ちで倒れたという裏設定があり、実力は不明)
ただし、トランプ王国には闇に対抗するための神器やアン王女がいたため、この面々がシールドを張っていた可能性も存在する。
彼女が成長したらどんな容姿になるのかは不明。だが、人格に関しては既に別個のものであるため、マナの言うとおり「どんな女の子になるのか」はこれからの育て方次第である。
成長後の姿を想像したイラストも存在する。
最終回後は、ジョー岡田とともにトランプ王国で生活するようになった。ただし、相田あゆみの記憶操作を解いたかどうかは不明。もしされていなければ、下のイラストのように大騒ぎしただろう・・・。