概要
3人とも銀髪と金色の瞳を持ち、耳の後ろにコウモリのような小さい羽が生えている。
人の心に自分勝手でわがままな気持ちが芽生えた時、耳元でそのエゴイズムを増幅させるように囁き、欲望で黒く染まった「プシュケー」を抜き出してジコチューを造り出す。
また、プシュケーを身体に取り込むことで自らを強化する"ビースト化"を編み出し、戦力を高めることもできる。
ジコチューが暴れた際に生まれる闇のエネルギー「ジャネジー」を捧げる事により、封印されているキングジコチューを復活させるのが目的。
なお、「ジコチュートリオ」という総称は番組紹介でも公式サイトでも使われている公式なものだが、作中では呼ばれない。
空に浮かぶことも可能で、戦闘もそつなくこなせるが、3人ともその名のとおり自己中であるためくだらないことで低レベルなケンカをするなど、あまり連帯感は無くチームワークもガタガタである。特に第19話のドッジボール対決では、折角プリキュア勢が不利になるようなインチキステージを用意したにもかかわらず、彼らの自己中な行動で仲間割れが起き、試合放棄で勝手に自滅してしまうほど。
しかし、38話でベールがプリキュアに敗れた際、イーラとマーモは自分達を散々こき使ったにもかかわらず、ベールを見捨てずに抱えて引き揚げた事から、多少の仲間意識は存在する模様。
使われなくなったどこかのボウリング場をアジトにしているようで、ボウリングをしたりジュースを飲んだり、ごろ寝していたりして思い思いに過ごしている。
名前の由来は「七つの大罪」。
キングジコチュー以外にも三人と同格の、リーヴァ、グーラ、ゴーマ、ルストがいる。
(キングジコチューの娘であるレジーナもいるが、三人はその存在すら知らなかった為、厳密には違う。)
メンバー
戦歴、もしくは敗北の歴史
本編開始前のトランプ王国侵攻の時点で3人は重要な幹部として活動していた。
第1話では「最後のプリキュア」であったキュアソードを狩るという、いかにも悪役らしい立場で本編デビュー。この頃はかなり大物感をみせていた。
しかし、キュアソードを狩るどころか、キュアハート、キュアダイヤモンド、キュアロゼッタと新しいプリキュアが続々誕生。そんな事態はジコチュートリオは予想してなかったらしく、次第に余裕の態度を失っていく。
新世代プリキュアの活躍により、思うように成果を挙げられていないことからレジーナに解雇をほのめかされるなど、1クール終了時点で早くも立場が危うくなっていた。
名誉挽回のために禁断のビーストモードを解放しプリキュアたちを追い詰めるが、プリキュアたちは新アイテム・ラブハートアローを入手し、ジコチュートリオの最後の手段さえ退けた。
それ以後はレジーナのご機嫌とりのような状況におちぶれ、しかしその位置にしがみつくことで何とか解雇は免れる状況となる。
第23話でそのレジーナがキュアエースとの戦闘に敗れ、長期の戦線離脱に追い込まれた。ようやくジコチュートリオに復権のときがきたかと思いきや、新しく登場したリーヴァとグーラにプリキュア打倒の役目を奪われた挙句アジトも追い出される憂き目に遭う。
この期間のジコチュートリオはプリキュアとの戦いから離れて、自分がやりたいことをやっており、彼らの行動が騒ぎを巻き起こすこともあった。
一方、新幹部のリーヴァとグーラだが、キュアエースによる指導でさらに成長したプリキュアたちの前に失敗を重ね続け、次第に焦りをつのらせていくことになる。そして、ベールが31話にて焦る二人を罠にはめて抹殺。そのジャネジーを吸収したことで、再び3人は打倒プリキュアのために動き出した。
だが、その活動再開のド頭にて、ベールはブラッドリングを開発。さっそく「強くなれるアイテムだ」と紹介してイーラ&マーモに装着させるが、それはベールの罠だった。確かに強化されるが、ベールに逆らえなくなるというリスクが隠されていたからである。この一件はベールの印象を大きく変えると共に、よくある三悪のような「仲が良いのか悪いのか判らないけど対等な3人組」という構図をも根底から崩した。
この時点のプリキュアたちは、プリキュア三種の神器の一つであるマジカルラブリーパッドを入手しており、かつてジコチュートリオたちが戦っていたプリキュアとは次元の違う強さに到達していた。
だが、ブラッドリングを装備したイーラとマーモが作りだすジコチューはスピードは5倍、パワー10倍、態度は100倍に強化されており、そのプリキュアたちとも拮抗する強さを見せた。
さらに、34話からアイちゃんがイヤイヤ期に入ってしまい、アイちゃんが泣きだすとジャネジーが無限に生み出されるというリスクが明るみに出る。ジコチュートリオはその現象も利用してプリキュア討伐のために奮闘した。
しかしそれも長く続かず、第38話にてアイちゃんがイヤイヤ期を卒業。
さらに同話でのプリキュアとの戦いでブラッドリングが消滅させられた。これによりベールがイーラとマーモを従わせる手段が無くなり、上記の三悪の構図に戻った。
その後は、戦線復帰したレジーナの指揮下に入ったため、レジーナが居座っているトランプ王国の王宮に居ついている。
なお彼らは世界間転移能力を持つため、仕事のときだけ人間界に行くということもお手軽にできる。
この時点のレジーナはジャネジーを増大させた「紫バージョン」であり、しかも39話で神器の一つであるミラクルドラゴングレイブを闇に染めて自らの武器としたため、ジコチュートリオが逆らえるような存在ではなくなってしまった。
さらにはプリキュアたちもそのレジーナに対抗するかのように、スーパープリキュア・エンジェルモードへの強化変身の能力を手に入れる。もはやジコチュートリオだけでプリキュアに挑んでも苦戦させる事無く敗北する為、殆ど息していない状況が続いていた。因みにこの時期から彼らはやられる時なぜか「やまじ」と言うようになる。
レジーナの小間使いとして使われている現状からの打破のため、第45話でキュアエースもろともレジーナを始末して神器を奪おうと反乱を起こそうとするが、キュアハートたちの介入によりそれも失敗してしまう。
この直後にキングジコチューが復活して地球侵攻が開始されたため、彼らもキングジコチューの直接の指揮下に入った。大事の前の小事ということか、この反乱の件でのおしおきなどはなかった様子。
最終決戦では本気を出してプリキュアと戦うことになる。この時点で無数の雑魚ジコチュー軍団とプリキュアは戦わざるを得なかったため、そのうえでジコチュートリオとも戦うこととなった。あきらかにジコチュートリオ側に有利な状況なのだが、それでもキングジコチューのもとに向かおうとするプリキュアの足止め程度にしかならなかった。
しかもプリキュアたちは彼らを倒すことさえせず、軽くあしらって戦闘から離脱し、さっさとキングジコチューのもとに向かってしまった。
なお、最終決戦が地球の大貝町であり、町の人たちがパニックになっている状況でジコチュートリオが存在するというのは、大貝町の住人何百人、何千人が一度にジコチュー化する危険性があった。彼らの存在は実際はかなりの脅威なのである。ただ、トランプ王国の時のように住民がジコチュー化されなかったのは彼らが自発的に助け合っていたからで、キュアハートたちプリキュアが人々に愛を与えた結果でもある。
最終決戦の末キングジコチューが浄化され、イーラとマーモは呆然とするが、ベールはこの時を待っていたと言わんばかりにキングジコチューのジャネジー(プロトジコチュー)を取り込む。「これで俺はNo.1だ」とほくそ笑むが、現実はそう甘くはなく、プロトジコチューに逆に乗っ取られてしまう。
「自分が自分でなくなる」その様に怯えてしまったのか、プロトジコチューとの戦いではイーラとマーモは加勢せず静観していた模様。プロトジコチューが浄化されベールも共に浄化されたと思われたが、ベールはしぶとく生き延びていた。ただし何故か小さなネズミの姿になってしまっていた。
最終的に「今の時代」でこれ以上暴れても無駄だと悟ったトリオは、また1万年の眠りに就くため、宛てのない旅に出る事になった。
ベールは1万年後には力を完全に取り戻せるとして未来の時代で暴れる気がマンマンだったが、マーモとイーラは「今の時代」からさよならするのに名残惜しそうな気配があった。
ジコチュートリオは一年の話を通じてプリキュアとの戦力差が開いていくのが丁寧に描かれているが、このような演出がされる敵幹部キャラクターはプリキュアシリーズでは彼らが初めてである。
ジコチュートリオはプリキュアの成長を視聴者に分かりやすく見せるための、バロメーターとしての役割を果たしているともいえる。
また、最終的にはプリキュア達と和解することもなく(一応、イーラとマーモはもう暴れる気はないとの事なので改心したと言えなくもないが)、倒されたり浄化される事もなく、密かに撤退するという、今までの敵組織と大きく異なり完全決着が付かない形となった。
人の心の自己中な部分というのは、そう簡単に消えないということだろうか。