概要
『ドキドキ!プリキュア』第25話に登場した似非プリキュアにして似非キュアババア。
セバスチャンの開発した人工コミューンを偶然手に入れたマーモが変身してしまい誕生した偽のヒーロー。
人工コミューンは、手に持って「プリキュア、ラブリンク」と言うだけで誰でも変身可能であり、これを手にしたマーモが好奇心からこれを唱えた結果、上記の姿に変身したもの。(純正ではないとはいえ)プリキュアの使っている道具だと察したまではいいが、それを破壊、もしくは組織に回して解析を依頼するなどせず、好奇心から自分で使用したあたり、さすがはジコチュートリオの一員。
決め台詞は「みなぎる美しさ! キューティーマダム!」であり、これはキュアハートの「みなぎる愛! キュアハート!」を元にしている。
ジコチューを誕生させるという通常通りの活動のほかに、困っている人を助けてテレビに出演しまくったりヒーローショーに乱入したりと、自己顕示欲を満たすために謎のヒーローとして好き放題に活躍していたが、終盤、彼女が解決したトラブルのすべてが、影で彼女自身が起こしたいわゆる自作自演の出来事であったことが暴かれる。マッチポンプとはまさにこの事だが、一時は新聞に掲載されるほど注目を浴びていた。
- 擬似的とはいえプリキュアの力を手にした今回に限って、ヒーローとして目立ちたいという欲求ゆえに暴れていたことは、初代作品の公式サイトで言われている「これはヒロインものではなくヒーローもの」というシリーズ共通の設定を、皮肉にも反映した形になる。
基本的に中身は全く変化しておらず、偽ヒーローとしての活動中、グーラの生み出したジコチューを攻撃するなど、ジコチュートリオのメンバーとして仲間割れし易い性質はそのままだった。
同時に、巻き込まれた側のグーラが「味方じゃないのかよ!?」と反射的に叫んでいたことから、彼は仲間ときちんと連携を取る戦いをしていることもわかる。
その後、(本物の)プリキュア相手に戦った際、人工コミューンが破壊されてしまい、元の姿に戻された。
変身ラビーズを用いた変身ではない為、劇中のプリキュアとは厳密には違うが、一応人工コミューン=ラブリーコミューンもどきを使って変身しているため、まがりなりにも一応はプリキュア、といえるかもしれない。ある意味ではプリキュア同士の戦いでもあった。
マーモとして以前から使っていた通常のエネルギー弾攻撃以外に、扇子で突風を引き起こして相手を吹き飛ばす能力を新たに使用している。が、それが人工コミューンの能力によるものかは定かではない。
外見
顔は赤い覆面で眼の辺りを隠しているだけな上、顔芸が露骨なため、明らかにマーモとわかる。マーモを知らない一般人でも、とりあえず純粋なヒーローではないことまではわかる。
ピンク色の大きなスカートとロングタイツ、エナメルの赤いグローブが特徴。
胸の辺りには、キュアセバスチャンのそれと同様、黄色いマークがついている。この装飾は、人工コミューンで変身した者に共通する特徴なのかもしれない。
ところで、大きなスカートとロングタイツで構成されている下半身は、キュアパッションにかなり似ている。
セバスチャンが使用した際はバットマン風の姿に、マーモが使用した時はドレス風の姿になるなど、使用者によって変身後の形態が違うという驚異のアイテムを開発したセバスチャンと四葉財閥の技術力には脱帽する他ない。もしマーモが人工コミューンを組織に回して解析をしていたら、プリキュアを暗黙理に支援している四葉財閥は危機に陥っていた可能性がある。
自己中とは、時に悪行のキレをも鈍らせる。
余談
「マダム」とはフランス語で「既婚女性」を指す敬称のことであったが、当のフランスでは2012年から「未婚女性」の指す敬称である「マドモアゼル」が性差別にあたるとして公文書での使用を止めているので、現在では未既婚問わず女性への敬称になっている。
つまり「マダム」と名乗っても、マーモが既婚とは限らない。
セバスチャンが変身するとキュアセバスチャンになるのに、マーモがキュアマダムと名乗らないのは、悪役は「キュア○○」とは名乗らないというプリキュアシリーズのルールがあるため。悪の戦士がいくらプリキュアに似た存在になったとしても、それは本物のプリキュアではないと強調するためでもある。シリアス設定な闇キュアたちに特に徹底されているルールだが、今回のような半ばギャグめいた展開であってもそれは変わらない。
もっともマーモにしてみても、プリキュアを超えるようなヒロインとして目立ちたかったかも知れないが、倒すべき敵であるプリキュアの一員のように扱われたいわけではないという気持ちもあったのだろう。