概要
「電撃G's magazine」2014年11月号で企画が発表されたオリジナルアニメ。原作と脚本はシュタインズ・ゲートやロボティクス・ノーツを手がけた林直孝、キャラクター原案はMF文庫J版IS-インフィニット・ストラトス-のイラスト等を手がけたokiura、キャラクターデザインはテレビアニメゆるゆりのキャラデザ等を手がけた中島千明が担当し、監督はGJ部や未確認で進行形を手がけた藤原佳幸が務める。
ストーリー
舞台はアンドロイドが実用化された近未来。水柿ツカサは、親のコネによりアンドロイド「ギフティア」を開発・製造する大企業「SAI社」に入社することになる。そして、彼が配属されたのは「ターミナルサービス課」という、耐用年数期限の9年を迎える寸前のギフティアを回収する部署であった。
登場人物
水柿ツカサ(みずがき ツカサ)
声 -内匠靖明
18歳。大学受験に失敗し、親のコネで大企業SAI社に就職する。出社初日まで配属先に関しては何も知らされていなかったが、以前出会ったことのあるアイラとコンビを組むことになる。機転や融通が利かず、マニュアルに頼り気味。他人の言うことも鵜呑みにしやすい。
声 - 雨宮天
少女型のギフティア。お茶汲み係として働いていたが、顔見知りということでツカサとコンビを組むことになる。あまり感情を表さず、困ったら「エラー」と言って誤魔化すくせがある。周囲からは回収実績ナンバーワンのベテランと呼ばれていたが、実際には緊張してろくに任務をこなすことができない。しかし、とっさの判断には優れており行動力もある。耐用年数切れが近づいている。
絹島ミチル(きぬしま ミチル)
声 - 赤﨑千夏
17歳。ツカサの教育係に指名され、彼に対しては先輩風を吹かせているが、まだ入社1年目である。パートナーはザック。カヅキとは入社する前から面識があり、「ギフティアとその所有者の心に寄り添う」という彼女の主義を支持している。料理が得意。
声 - 矢作紗友里
少年の容姿をしたギフティアであり、ミチルのパートナー。普段は毒舌だが、所有者との交渉に際しては無邪気なキャラクターを演じる。仕事が暇なときは携帯ゲームに勤しんでいることが多い。
桑乃実カヅキ(くわのみ カヅキ)
声 -豊口めぐみ
ツカサの上司の女性。パートナーはコンスタンス。以前はアイラと組んでいたようであるが、彼女に対しては腫れ物に触るかのように接している。口の利き方が悪く、誰に対しても喧嘩口調である。第一ターミナルサービスがコストをかけてでも丁寧な回収を心がけているのは彼女の意向によるもの。
とある事情で、右足首に義足を装着している。
声 - 日野聡
青年型のギフティアであり、カヅキのパートナー。眼鏡をかけた人当たりの良い好青年。
縹ヤスタカ(はなだ ヤスタカ)
声 - 津田健次郎
ツカサの先輩となる男性社員で、10年以上勤務するベテラン。不真面目な勤務態度で、カヅキやパートナーのシェリーをイラつかせる。伍堂ミキヤとは社外ではタメ口で話せる関係らしい。
声 - 愛美
ヤスタカのパートナーでキャリアウーマン風のギフティア。ヤスタカとは対照的に生真面目な仕事ぶりである。
山野辺タカオ(やまのべ タカオ)
声 - 飛田展男
ターミナルサービス課の課長。元々は営業の人間で、回収業務を実際に行ったことはない。現場での指揮はすべてカヅキに任せている。伍堂部長の意向を受けて経費削減を訴えるものの誰にも耳を傾けてもらえないなど、課内での人望はいまいち。
土器レン(かわらけ レン)
声 - 拝真之介
ターミナルサービス課の事務員。主に社員のスケジューリングを担当している。体育会系であり、元気がよくて明るく誠実な性格。
海松エル(みる エル)
声 - 上坂すみれ
ギフティアのメンテナンス係の女性。誰にでもなれなれしい態度で接し、よく喋る。
鉄黒ミキジロウ(てつぐろ ミキジロウ)
声 - 星野充昭
ギフティアのメンテナンス係の中年男性。エルには師匠と呼ばれている。職人肌で無骨な喋り方だが、寿命が迫り不具合が生じ始めているアイラを気遣うなど思いやりを見せる一面もある。
伍堂ミキヤ(ごどう ミキヤ)
声 - 楠大典
全世界のターミナルサービス課を統括する部長。他の課に比べて業務に5倍のコストがかかっている第一ターミナルサービス課に厳しいまなざしを向けている。ヤスタカとは個人的に面識がある模様。
用語
SAI社
高性能アンドロイド「ギフティア」の開発元。ギフティアはSAI社のみが開発に成功しており、世界的な大企業となっている。
ギフティア
SAI社が開発したアンドロイドの名称。一見しただけでは人間との区別がつかず、豊かな表情や感情など高い性能を持っている。アンドロイド保護法により法的にも人間に準じた存在とされているため、ギフティアの「人権」を侵害する行為は禁止されている。
ギフティアの用途は様々で、SAI社のように労働力として用いるのみならず、恋人の代わり、子や孫の代わり、時には親代わりとして用いたりする。
耐用年数は約9年4ヶ月(時間換算で81920時間)であり、その期間を過ぎると記憶の齟齬などのバグが発生し最終的には人格が消失してしまう。そのため、耐用年数が近づくと後述のターミナルサービスの社員がパートナーのギフティアとともに所有者のもとへ※回収に来ることになっている。
※本来、売買契約を結んだ時点で物の所有権は売主から買主に移転し、「期限が来たから回収」などということは売主には許されないのだが、本作の世界においてはギフティアに関しては完全な所有権は認められておらず、厳密にはSAI社と客との間でギフティアの長期賃貸借契約が結ばれるようである。契約書にも「GIFTIAリース契約書」と書かれており、細かく言えば客のことを所有者と呼ぶのは間違いである。あくまでSAI社がギフティアの所有者であるゆえに回収という行為が許されるのであろう。
仮に客が回収を拒む(同意書にサインしない)場合、SAI社は所有者としての権利を主張し裁判所に返還命令を出してもらい強制執行ということも出来そうだが、後述するがギフティアは回収が遅れると面倒なことになるので手間と時間がかかるその手段は事実上無意味と思われる。
なお、回収時にギフティアの所有者は、
- 買い替え時の割引
- 下取りに出すことで定価の3割をキャッシュバック
- OSを入れ替えて継続利用(以前の人格や記憶は失われる)
の3つの選択肢から一つを選ぶことができる。
ターミナルサービス課
耐用年数を迎えつつあるギフティアの回収を担当する部署。人間とギフティアがコンビを組んで回収作業を行なっている。課はSAI社の超高層ビルの裏にあり、規模は縮小傾向にあるようで、いわゆる窓際部署である。世界に合計29の課があり、それを統括する伍堂部長の意向で徹底的なコストダウンを図っているため、他の課に比べて5倍のコストがかかっている第一ターミナルサービス課には厳しいまなざしが向けられている。
回収作業
ターミナルサービス課が行う業務。人間とギフティアがコンビを組んで行い、その際事前に所有者の回収同意書へのサインをもらうことと回収時に所有者を立ち会わせることが法律に規定されており、それをもって所有者のプライバシーの保護を図っている。回収は週3回あれば多い方。
回収が必ずしも順調に進むとは限らず、所有者から反発され門前払いされたり、ギフティアと逃亡することもあり、その場合でも回収はコストダウンを図る伍堂部長の意向に従い所有者の心情はお構いなしに事務的かつ迅速に行われるため、所有者に深い悲しみを与えてしまうこともある。第一ターミナルサービス課の社員はそうならないように所有者とギフティア双方の心に寄り添う丁寧な回収に努めていて、それが他の課に比べてコストがかかる要因となっている。
なお、第一ターミナルサービスの回収スタイルはもともとはアイラの手法であり、全体に広めたのはかつてコンビを組んでいたカヅキである。
マークスマン
回収作業に従事するギフティアのこと。回収対象のギフティアの所有者との交渉を行い、それがまとまれば回収を行う。そのため、ターミナルサービス課のギフティアは交渉能力が強化されている。
スポッター
回収作業に従事するギフティアのパートナーの人間のこと。主にギフティアがマークスマンとして正しく回収を行えているか監視をするのが仕事だが、もうひとつの重要な仕事として、ワンダラー(後述)と化したギフティアの破壊がある。この際使用するギフティアの動作プログラムを破壊する特殊な拳銃はSAIの社員であるスポッターにのみ(新人であるツカサも使用可能)使用が許され、ギフティアは使用できない。
アンドロイド・チルドレン
何らかの事情で両親と別れ、親代わりのギフティアによって育てられた子供。ミチルもその1人。
ワンダラー
前述の耐用年数を過ぎて人格や理性が崩壊し、本能的な行動しか出来なくなったギフティア。回収作業で所有者の同意がスムーズに得られないなどの理由で回収に手間取った場合に起こりうる。ワンダラー(wanderer)とは元々放浪者、徘徊者の意味だが、単に街中を歩き回るだけでなく、最悪他人を殺害してしまう場合もある。また運動能力も異常に上昇し、シェリー曰く「車ぐらいなら簡単に持ち上げられる」とのこと。ワンダラーは発見され次第警備員もしくはスポッターによって銃で破壊される。
アイラ曰く、ワンダラーになるのはレアなケースであり、世間一般にはこのことはあまり知られていないようである。
アール・セキュリティ社
SAI社と業務提携している民間警備会社。ワンダラーと化したギフティアが出た場合の鎮圧任務にあたるが、「ギフティアにはいまだに発信器を積んでないのか?」「アレは人じゃなくて機械だろ?」という隊長の東雲(CV:三宅健太)の発言からも分かるとおりギフティアをモノとしか見ておらず、ミチルからは蛇蝎のように嫌われている。
なお、ギフティアへの発信器搭載はアンドロイド保護法により違法である。
スタッフ
原作・脚本 - 林直孝
監督 - 藤原佳幸
キャラクター原案 - okiura
キャラクターデザイン・総作画監督 - 中島千明
プロップデザイン・総作画監督 - 菊池愛
メカニカルデザイン - 谷裕司
メインアニメーター - 渡邉祐記、山崎淳
美術設定 - 高橋武之
美術監督 - 川口正明
色彩設計 - 石黒けい
撮影監督・モニターグラフィックス - 桒野貴文
3DCG - 渡邉悦啓
編集 - 平木大輔
音響監督 - 土屋雅紀
音響効果 - 小山恭正
音楽 - 横山克
音楽制作 - MAGES.
音楽プロデューサー - 村上純
プロデューサー - 鳥羽洋典、田中文啓、小荒井孝典、斎木隆、小柳路子、西出将之、南寛将、金庭こず恵、大和田智之、鎌田肇
アニメーション制作 - 動画工房
製作 - アニプレックス、ブシロード、KADOKAWAアスキー・メディアワークス、MAGES.、朝日放送、AT-X、ムービック、日本BS放送、動画工房
主題歌
オープニングテーマ「Ring of Fortune」
作詞 - 林直孝 / 作曲・編曲 - 千葉"naotyu-"直樹 / 歌 - 佐々木恵梨
エンディングテーマ「朝焼けのスターマイン」
作詞 - 林直孝 / 作曲 - 石田秀登 / 編曲 - Tak Miyazawa / 歌 - 今井麻美
挿入歌「again & again」
作詞 - 五阿弥瑠奈 / 作曲・編曲 - 横山克 / 歌 - メロディ・チューバック
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
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第1話 | はじめてのパートナー | 林直孝 | 藤原佳幸 | 藤原佳幸 | 中島千明、菊池愛 |
第2話 | 足を引っ張りたくないので | 林直孝 | 菅原静貴・山崎淳(協力) | 菅原静貴 | 渡邉祐記 |
第3話 | 同棲はじめました | 林直孝 | 木村泰大 | 木村泰大 | 山崎淳 |
第4話 | うまく笑えなくて | 林直孝 | 福田道生 | 飯野慎也 | 伊藤晋之 |
第5話 | 守りたかった約束 | 林直孝 | 福田道生 | 野木森達哉 | 東島久志 |
第6話 | 2人で、おかえり | 林直孝 | 藤原佳幸 | 藤原佳幸 | 三島千枝、一ノ瀬結梨、谷口元浩 |
第7話 | 上手なデートの誘い方 | 林直孝 | 木村泰大 | 木村泰大 | 橋口隼人、加藤壮、伊藤晋之、八木明、渡邉祐記、山崎淳 |
第8話 | 知らない花火 | 林直孝 | 山崎みつえ | 山崎みつえ | 高橋沙妃 |
第9話 | 祭りの後 | 林直孝 | 上坪亮樹 | 木野目優 | 村上竜之介、﨑口さおり、東島久志、福田さちこ、針場裕子、袖山麻美、八木明 |
第10話 | もう、パートナーじゃない | 林直孝 | 福田道夫 | 野木森達哉 | 菊池愛、高橋沙妃、武藤幹、曾我篤史、八木明、丸山修二、渡邉祐記 |
放送局
放送局 | 対象地域 |
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TOKYOMX | 東京都 |
とちぎテレビ | 栃木県 |
群馬テレビ | 群馬県 |
千葉テレビ | 千葉県 |
テレ玉 | 埼玉県 |
tvk | 神奈川県 |
BS11 | 日本全国 |
AT-X | 日本全国 |
三重テレビ | 三重県 |
岐阜放送 | 岐阜県 |
朝日放送 | 近畿広範域 |
ニコニコ動画※インターネット配信 | 日本全国 |
バンダイチャンネル※インターネット配信 | 日本全国 |
dアニメストア※インターネット配信 | 日本全国 |