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花の精(おそ松くん)の編集履歴

2016-02-20 00:27:30 バージョン

花の精(おそ松くん)

おそまつくんとおそまつさんのはなのせい

『おそ松くん』及び『おそ松さん』のキャラクター。

※ネタバレ注意。



概要

『おそ松くん』のチビ太がメインのストーリーに登場したキャラクターで、いずれの場合もチビ太が寂しそうに咲く花を憐れに思うと同時に、自身が一人ぼっちだという境遇を重ねて情をかけるところから話は始まる。

ちなみに話のタイトルは『おそ松くん』も『おそ松さん』も同名の『チビ太の花のいのち』である。

なお、1988年製作のぴえろ版アニメでは第31話にて「花の精にはこりごりザンス!」のサブタイトルで、この原作を昔話風にアレンジしたエピソードがあり、ここに登場する花の精もその可愛さ可憐さにおいて特筆すべき存在である。

※ネタバレ注意







おそ松くん(原作版)

花の精ズ

(画像、右)

食うにも困る生活をしていたチビ太。服もボロボロで今日も生きるために食べ物を探す。しかしパンを見つけてはイヤミに横取りされ、工事現場のオッサンが弁当を食おうとしていたところを卑しく眺め、またもイヤミが弁当を盗り、チビ太に罪を擦り付ける。やっと洋食屋の残飯を芸をして分けてもらうも、またもイヤミが横取りをする。イヤミに真っ向から挑んでもダメ。

イヤミは『ミーがいるかぎり、チミはたべものにありつけないざーんす!』と言いはなつ。途方にくれたチビ太は、『ゴミすてば』に行き、大きな木片の影になっている大きな1輪の薔薇を見つける。チビ太はこんな汚い場所は可哀想に思い、自分の寝床の土管にもって帰る。釜に水を張りの中に薔薇を刺すと近くに住んでいたイヤミは『薔薇のおひたしはまずい』と嫌味を言う。すぐにイヤミを追い払い、チビ太はさびかった自分のうちがあかるくなったと上機嫌。

しかしそれでもお腹は空く。チビ太は水だけで育つ薔薇を羨ましく思いながら眠りについた。

その夜。薔薇から頭に花をつけた美しい少女が現れ、朝になると朝食を作ってチビ太を起こす。彼女は言った。ご恩返しに出てきたと。そして毎日ごちそうを作ると。チビ太は少女漫画のような夢のような生活になるのだった。

イヤミはごちそうを盗もうとするが、逆にチビ太を捕まえてしまい、栄養を十分にとったチビ太に返り討ちにされてしまう。次の日トト子がおでんを持ってイヤミに内緒でくれようとするもチビ太は煮え切らない態度で拒否をする。土管から花の精が出てきて、トト子をチビ太の友達だと思い食事に誘うがトト子は剥れて帰り、悪いタイミングで現れた六つ子に肘鉄で八つ当たりをする。

その後、花の精とチビ太は遊びに出掛けるが、花の精の『もうかえりましょう』という言葉にも『もっと遊びたい』と返してしまい、花の精は顔色が悪くなり倒れて消えてしまう。

チビ太が土管に急いで帰ると、花は枯れていた。花に水をやるのを忘れ、謝りながら大泣きをするチビ太の側にイヤミが。イヤミはもう意地悪はしない、真面目に力をあわせて生きていこうと諭し、チビ太はそれに頷いた。

その舞台裏では

チビ太が花の世話をしたことで、花の精が現れたのを見て、イヤミもゴミすてばから黒い大きな薔薇を見つけ、世話をしようとする。しかし出てきたのはとんでもない花の精でイヤミをとことんこき使う。料理を作ってやってもちゃぶ台を返され、街でもゴミひろいをさせられ、イヤミはとうとうやっつけようと花の精との攻防戦を始める。

しかし、イヤミの寝床の土管に帰っても花は無い。花の精が自分の弱点である花を隠してしまったのだ。だが彼女に蹴られた際に花の場所を見つけイヤミは花を抜く。するととんでもない花の精は消え、イヤミは自由になったのだ。先述の最後のイヤミが改心したのはこんなとんでもない目にあったからである。



おそ松くん('88年版)

チビ太と花の精

(CV:渕崎ゆり子

こちらでは江戸時代風の昔話テイストのエピソードとなっており、真面目なざる売りのチビ太とチビ太に付きまとってはカネだの食い物だのを掻っ攫って行くイヤミの構図は相変わらずだが、真面目に働きながらチビ太の稼ぎを自身の借金返済に充てたり弱っているのをいい事にチビ太の食料を横取りするイヤミが原作以上に厄介になっている。

また、とんでもない花の精(CV:林原めぐみ)を産みだし、悲惨な目に遭いながらも一度は原作同様に花の精を消し飛ばしたものの、替りに生み出そうと欲に駆られて四本の薔薇の花に水をあげたらとんでもない花の精が四人生まれてしまい、最後まで改心することなく花の精によって惨い目にあわされる因果応報の報いを受けている。

一方チビ太は花の精を産みだしたバラを自宅に植えていたものの、最終的には枯れさせてしまい悲しい別れを経験するものの、悲しみを振り切って、悪い花の精四人に虐げられるイヤミを横目に真面目にざる売りの仕事を再開していくという対照的な幕切れを迎えている。




このとんでもない花の精に会ってしまうキャラは『おそ松さん』では異なる。しかもさらにとんでもないことになっている。

※後述参照。




おそ松さん

(CV:和久井優

今日も今日とて、一番のおでんを作る為に研究に余念のないチビ太。しかしなかなか思うようなおでんはできずに行き詰まり、頭からおでんが生えたり、六つ子に「エアおでん」を出すなど、少々ヤバい状態まできていた。

そんな疲れ切ったチビ太の目に、電柱の横の枯れかけた一輪の花が映る。「おいらもおめえと同じ一人ぼっちさ」と呟きつつチビ太は、花に水を与えてやった。


次の日、なおもおでん開発に四苦八苦するチビ太の前に、一人の可憐な美少女が現れ、唐突に「デートしてください」と言い出す。「自分は昨夜あなたに助けてもらった花の精で、お礼を言いたいと願っていたらこの姿になった」などと突拍子もない事を言う彼女を怪しみ、美人局かとも疑うチビ太だったが、さすがに「好きです」を連発する彼女に悪い気はせず、デートをする事になった。


デートの最中、観覧車に乗っても映画を見ても、チビ太の頭に浮かぶのはおでんの事ばかり。そんなチビ太に彼女は「もっと他にも目を向けてみて」とアドバイス。ふと見上げた空の青さに気づいたチビ太は、おでんの鍋ばかり睨んでいた自分を省みて、彼女とのデートを満喫しようという気になる。


楽しい時間を過ごす二人。だが彼女は突如苦しそうに咳き込み、「私、そろそろ駄目みたい。でもいいの、この命はチビ太さんにもらったものだから」と言いながら、チビ太の膝に倒れ込んで、彼に別れを告げる。

「おめえが一緒ならおでんなんて」と言うチビ太に、「やった、おでんに勝った」とうれしそうな微笑みを見せる彼女の体はどんどん薄く透き通ってゆく。

そして「頑張れよ、バーロー……」の言葉を残し、彼女の体は消え失せてしまった。


急いで、先日の電柱のところにチビ太が駆けつけると、枯れた花の姿があった。彼女は本当に花の精だったのだ。大粒の涙を流し、その雫を花に与えて「これじゃあ元気になれねえよな」とチビ太は泣き崩れる。


数日後、久しぶりに店を開いたチビ太のおでんを「ちょっとしょっぱい」と言うおそ松達。

涙の味である事は誰も知らない。


その舞台裏では

そんな美しい物語の余韻をすべて台無しにするカラ松の物語が同時進行していた。

たまたまチビ太が花に水を与えるのと、鶴の恩返しよろしく美少女が現れたのを目撃していたカラ松は、二匹目のドジョウ狙いで、同様に枯れかけた花に液体(ウイスキー?)をかけていた。

狙い通り彼女はできた……のだが、現れたのは見た目も中身も超絶ドブスの女(CV:斉藤貴美子)。

カラ松はさんざんパシリにされた挙句、放心状態のまま結婚式まで上げる羽目になった。

ラストは聖澤庄之助ダヨーンハタ坊などを餌食にしつつ、巨大化したモルボルのような不気味な花が街中で暴れるシーンで物語は閉幕。このドブスの花の精は、怪奇植物の精だったか、あるいはカラ松の邪な心が原因でこうなったのかもしれない。


ちなみに

同じ赤塚不二夫原作の『天才バカボン』の『天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボン THE BEST 講談社版+小学館版』に収録されている単行本未収録エピソードの一つに「花の精で大騒ぎ!のまき」があり、ある日バカボンのパパバカボンからある貧しいバカな落第生の男が枯れかけた花の鉢植えを助けたら美しい花の精が現れ、男は彼女と恋に落ち、彼女の手助けもあって勉強がはかどったが、ある日、大家が家賃滞納に堪忍袋の緒を切らしたのと花の美しさに対する嫉妬から男の目の前で花を川に捨ててしまい、それ以来花の精は現れなくなり、男は元のバカな落第生に戻ってしまったという中国の有難い昔話を聞き、あまりにもの有難さに感動したバカボンのパパはその真似で枯れかけた朝顔を助けたら、巨大に成長した朝顔から朝顔の花の精であるババァが恐ろしい程大量発生して大騒ぎになるというお話があるが、『花咲か爺さん』や『舌切り雀』のように他人を羨んで真似したらしっぺ返しを受けたというカラ松の物語の顛末がこのお話を彷彿させている。


また落語でも似た演目があり、『骨釣り』や『野ざらし』ではとある男が川原で見つけた頭蓋骨を供養する(またはお酒をかける)とその夜に美人幽霊が訪ねてきてお礼をしてくれた。それを知った男の知人が真似て骨を見つけて同じやり方をするが、その夜に来たのは石川五右衛門の幽霊(または生きた友人)だった、というオチ


関連タグ

おそ松くん おそ松さん おそ松くんの登場キャラクター チビ太 チビ太の花のいのち

花の精(曖昧さ回避)

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