原作とアニメ版
漫画『おそ松くん』の話の1つ。1966年12月の週刊少年サンデー49号に掲載(電子書籍のeBook版では19巻に収録)。
アナーキーなギャグ漫画家としてその名を馳せる赤塚不二夫が、かつて少女漫画も描いていたリリカルさを垣間見せる一編。
1988年のスタジオぴえろ版アニメでは、第31話「花の精にはこりごりザンス!」というサブタイトルで昔話風にアレンジされたが大筋では原作に沿っている。
また、アニメ『おそ松さん』の第1期第15話Cパートのタイトル。ちなみにAパートは「面接」、Bパートは「じょし松さん」。2016年1月18日深夜(19日)放送。
どちらも、チビ太のメイン回でもある。いずれの場合もチビ太 が寂しそうに咲く花を憐れに思うと同時に、自身が一人ぼっちだという境遇を重ねて情をかけるところから話は始まる。
※ネタバレ注意→花の精
あらすじ
おそ松くん
食うにも困る生活をしていたチビ太。服もボロボロで今日も生きるために食べ物を探す。しかし、せっかく見つけた食べ物もイヤミに奪われてしまう。途方に くれたチビ太は、『ゴミすてば』に行き、大きな木片の影になっている大きな1輪の薔薇を見つける。チビ太はこんな汚い場所は可哀想に思い、自分の寝床の土管にもって帰る・・・。
ぴえろ版アニメ
むかしむかし、ざる売りのチビ太というまじめな男がいた。つましい暮らしをしていたがある時イヤミの借金を押し付けられ、食うや食わずの生活に。さらにイヤミになけなしの食べ物を奪われるに至り、人生に悲観し、辿り着いたゴミ捨て場を死に場所と定めたチビ太はそこに一輪の薔薇の花を見つけ・・・
おそ松さん
世の中で一番のおでんをつくるため奮闘するチビ太。しかし中々納得のいくおでんができず、挙句の果てにはやや放心状態となり六つ子たちからも心配されてしまう。そんなある日の夜、帰宅途中の路上で1輪の枯れかけた花を見つけ、それに自身を照らし合わせたチビ太はその花に同情して水をかける。するとその翌日の夕方、女の子がチビ太の屋台を訪れる。花の精と名乗るその子の言葉を信じなかったチビ太だが、しかし・・・。一方、それを目撃したカラ松は・・・。
余談
「おそ松さん」のチビ太が見つけた花は、ワスレナグサに似た青色の花になった(「おそ松くん」では薔薇)。
チビ太と花の精とのデートの際に食事をしたレストランは、第10話でイヤミと六つ子たちと共に食事をしたレストランと思われる。また、二人が乗っていた青緑色のスクーターはホンダ・ジョルカブ。