こんごう
こんごう
概要
DDG-173「こんごう」は、海上自衛隊が運用しているこんごう型ミサイル護衛艦(イージス艦)1番艦。
艦名は大阪府と奈良県にまたがる金剛山にちなむもので、日本の艦艇名としては3代目にあたる。日本海軍の初代金剛は、日本海軍初のコルベット艦で、串本沖でオスマントルコの軍艦「エルトゥールル」が遭難した折に乗組員の救助に当たったことでも知られる。また2代目金剛は同海軍初の超弩級(巡洋)戦艦で、日本の軍艦として最後の英国製の艦でもあった。3代続けて日本の海の守りのパイオニアである。
海上自衛隊が初めて装備したイージス艦にして、米海軍以外で運用される初めてのイージス艦として三菱重工長崎造船所で建造され、1991年に進水、1993年に竣工し、佐世保基地を定係港とした。
翌年には環太平洋合同演習リムパックに参加したが、その後のリムパック参加はない。
現在は、第1護衛隊群第5護衛隊に所属、定係港は変わらず佐世保である。
なお、本艦の設計はアメリカ海軍以外で初めてということもあって、多くを米軍のアーレイ・バーク級に負うている。しかし船体設計は郡司令部としての機能も集約した結果、アーレイ・バーク級とは似ても似つかない巨大な艦橋を有することとなった。その出で立ちから、ジェーン海軍年鑑に「(日本海軍で活躍した)高雄型重巡洋艦を建造中」とまで書かれたほどである。これに関しては実際に、本型4番艦として「ちょうかい」、次級に「あたご」が出ているため、あながち間違いではなくなっている(かつての「鳥海」は高雄型の3番艦、「愛宕」は同2番艦である)。
こんごうの姉妹艦「こんごう型護衛艦2番艦・きりしま」
こんごうの姉妹艦「こんごう型護衛艦3番艦・みょうこう」
こんごうの姉妹艦「こんごう型護衛艦4番艦・ちょうかい」
余談
「金剛」~「こんごう」は3代とも海外製もしくは海外由来の設計で、尚且つ日本海軍の2隻と海自の1隻とで母国が異なるという非常に珍しい名称である。
ただ、建造の際イージスシステムをリバースエンジニアリングしないことを米軍に確約しておきながら、実際には日本に到着したイージスシステムを速攻NECのエンジニアに分解させて米国からしこたま怒られた。
関連タグ
あたご型:「あたご」「あしがら」の2隻とも本艦と同じく三菱長崎で建造された。2番艦「あしがら」は「こんごう」と同じく佐世保基地を定係港にしている。
愛宕(艦隊これくしょん) 足柄(艦隊これくしょん)/足柄改二
曙(艦隊これくしょん)-秋月(艦隊これくしょん):いずれも佐世保基地を母港とする新むらさめ型護衛艦の4代目「あけぼの」、新あきづき型護衛艦の3代目「あきづき」が、「こんごう」と同じ第1護衛隊群第5護衛隊に所属している。「あきづき」は本艦と同じく三菱長崎生まれ。
鳥海(艦隊これくしょん)/鳥海改二:海自では同じ「こんごう」型の4番艦となった「ちょうかい」が、同じく佐世保基地を定係港にしている。なお建造先は石川島播磨重工東京工場で、「こんごう」型どころか海自の歴代DDGで唯一、三菱長崎以外で建造された(「ちょうかい」の記事も参照)。
日本海軍