概要
世界名作劇場『小公女セーラ』は、1985年1月6日から同年12月29日まで全46話が放送された。
英語表題は『A Little Princess Sara』。表題の「小公女」には「プリンセス」というルビがふってあるため「プリンセス・セーラ」とも呼称される。
原作はフランシス・ホジソン・バーネットの『小公女』。
各キャラクターの設定やストーリーに原作との相違点が見られ、特に「いじめ」の描写は原作よりも過激である。そのため、これまで全体にソフト路線だった「世界名作劇場」にあって異彩を放つ作品であり、大きな話題となった。また、苦境の表現を少しでも和らげるための味方としてオリジナルキャラクターのピーターが配されている。
しかし本放送当時はいじめ・校内暴力の頻繁な発生による社会問題化や、テレビのやらせが発端になったいんちきリンチ放送事件にて逮捕者・自殺者が出るなど神経過敏になるほど陰湿な世相になっていた。
当時は視聴者からセーラを擁護する声や、いじめの中心だったミンチンとラビニアに対し尋常ならざる憎しみの声が多数挙がった末に、ミンチン役の声優であった中西氏とラビニア役の山田氏宛てにカミソリレターが送られるという事件まで発生。これもあってか両氏は「二度とこんな役やりたくない」と周囲に愚痴ってしまったという。
特に山田氏は『役に感情移入する』という信念を持つが故に感情移入の余地が無さ過ぎるラビニア役であることに非常に苦悩していたため、視聴者からの憎悪にはかなりまいっていたと思われる。「演技の幅が広がったので役者としてはいい経験になった」と前向きなコメントも残したものの、収録時はセーラ役の島本氏をして「泣きながらいじめていた」とまで言わしめたほど演技に苦心しており、ラビニア役は彼女にとって基本的に極めて辛い経験だったことが伺える。
ストーリー
10歳の少女セーラ・クルーは、インドで実業家の父ラルフ・クルーの一人娘。何不自由ない生活を送っていたが、父の希望でロンドンのミンチン女子学院に特別寄宿生として入学する。そして11歳の誕生日、インドにいる父が破産の末に熱病で死去したという知らせがもたらされる。マリア・ミンチン院長は、セーラ・クルーを学院から追放することも考えるが、世間体を考慮して学院の使用人として無賃金で働かせる事にするのであった。しかし、ある時を境に破産が誤情報であったことが判明し……。
登場人物
ラビニア・ハーバート(CV:山田栄子)
ミンチン女子学院の生徒
アーメンガード・セントジョン(CV:八百坂万紀)
ミンチン女子学院の使用人
ミンチン女子学院の先生
ミンチン女子学院の来客達
クリスフォードとカーマイケル一家
トム・クリスフォード(CV:仲村秀生)
ドナルド・カーマイケル(CV:堀江美都子)
ジャネット・カーマイケル(CV:向殿あさみ)
ロンドン街頭に住む人々
その他
主題歌
オープニングテーマ
「花のささやき」
作詞 - なかにし礼 / 作曲 - 森田公一 / 編曲 - 服部克久 / 歌 - 下成佐登子
エンディングテーマ
「ひまわり」
作詞 - なかにし礼 / 作曲 - 森田公一 / 編曲 - 服部克久 / 歌 - 下成佐登子
関連タグ
奏光のストレイン・・・小公女セーラが元ネタのロボットアニメ
シリーズ
牧場の少女カトリ ← → 愛少女ポリアンナ物語