「ただの美女というならともかく、絶世の美女といえばそうはおらぬゆえ」
田中芳樹の小説またはそれを原作とした漫画・アニメ「アルスラーン戦記」の登場人物。
概要
ミスラ神を信仰する美貌の女神官(カーヒーナ)。初登場時22歳。
ミスラ神殿がアルスラーンの生誕時に寄進されたものであることから、神殿よりアルスラーンを守護する命を受け派遣された(彼女を妬む者たちによる厄介払いである、とファランギース本人は認識している)。
自他ともに認める「絶世の美女」。
「闇をとかして染めあげたような漆黒の髪」「瞳は初夏の万緑を映したように濃い鮮やかな緑」などと形容される、王妃タハミーネと並んで作中最も容姿端麗な女性キャラである。
ファランギース本人も、自分の際立った美貌は「事実」として十分承知しているが、女からはやっかみを買い、男にはつきまとわれるため、今更自慢に思うようなことではないようだ。(どうでもいいと思っているフシがある)
常にクールで冷静沈着であり、感情を表に出すことは殆どない。
ギーヴやクバード、ラジェンドラなど男どもから言い寄られるが、本人は相手にもしていない。
相当な酒豪であり、ギーヴやラジェンドラが束になっても敵わなかった。
反面年少の者や弱者には優しく、特にアルスラーンとアルフリードの事は常に気にかけ、姉のように接する。
アルスラーンからの信頼もあつく、大戦が終わり一度神殿に戻ったファランギースを再度呼び戻している。
かつて恋人がいたが、不運に見舞われて失い、その弟と敵対することになる。
頭も切れるが、弓と剣にも優れ、戦闘力はダリューンやギーヴにも匹敵する。
ナルサスにも優れた武芸に一目置かれており、アルスラーンの護衛や戦闘の先鋒を任される。初対面でナルサスをルシタニアと間違えて攻撃してしまった時、ナルサスと同等の剣の腕前を見せた。
ダリューンからは地上における弓矢の女神だと賞賛された。
ギーヴの事は何かとまとわりつかれ鬱陶しいと思っている反面、戦闘では同時に矢を放って敵を倒したり、背中を預けて剣をふるったりと共闘する事が多く、ファランギース自身もギーヴの技を認めている。
水晶の笛を奏でることで精霊((ジン)を使役したり、その声を聞いたり、人の善悪を判断することができる。
キャラクターデザイン(衣装)
原作での初登場時、ファランギースの外見については「男装の女」(1巻4章5節)と描写されている(11月のことであり、単身で旅をする女性が薄着をするとは考えにくい)。
一方で、Pixivの「アルスラーン戦記」にまつわる二次創作で主流となっている荒川弘版/日5アニメ版のキャラクターデザインにおいて、ファランギースの衣装は下乳の見える露出度の高い薄着である。これはもともとキャラクターデザインを行った荒川弘が、光文社カッパノベルス版で丹野忍によって描かれた挿絵を参考にしたためと思われる。