概要
名前の通り、巨大なカマキリ怪獣。ゴジラシリーズへの登場は2回。
形状的に人が入って演じることが不可能なため、操演かCGでしか描写されたことがない。
また(怪獣としては)かなり弱く、どの登場作品でもゴジラや他の怪獣にボコボコにされている。
昭和版
身長 | 58m |
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体重 | 2800t(軽いのは飛行するため) |
飛行速度 | マッハ0.5(時速612km前後) |
『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』に登場。
ゾルゲル島の気候変化実験の失敗により、元々牛程の巨体だった巨大カマキリがさらに巨大化した姿。知能も高く、地中に埋まったミニラの卵を掘り返したり、岩を投げつけたりといった器用な鎌使いを見せる。通常のカマキリとは異なり、右腕が槍状になっているのが特徴。
ミニラを3頭がかりでいじめていたが、ゴジラの放射火炎によって2頭が倒され、残り1頭は逃亡して人間を襲うなど島を徘徊していたが、クモンガとの交戦の末、糸であっさり絡めとられ毒針で殺害された。
構造上、絶対に人が入れない形状のため、操演(糸を使用した巨大な操り人形)で撮影された。
FW版
体長 | 90m |
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体高 | 40m |
体重 | 2万t |
『ゴジラ FINAL WARS』に昭和怪獣軍団として再登場。オオカマキリが進化した怪獣という設定で、腕のフォルムは現実のカマキリと同じ左右対称になっている。
X星人に操られてフランスのパリに出現し、地球防衛軍の航空戦艦『エクレール』を撃破。ついで日本に飛び、ゴジラを迎え撃った。カマキリらしく保護色を利用して背後から強襲をかけようとしたが、ゴジラに見破られて投げ飛ばされ、そのまま鉄塔に串刺しにされて死亡した。
航空戦艦を単独で撃沈するなど決して弱い怪獣として描写されてはいないのだが、全シリーズ中でも屈指の戦闘能力を誇る本作のゴジラが相手では如何せん分が悪かった。
アニメ映画『GODZILLA』
アニメ映画『GODZILLA』シリーズでは前史設定資料にて人類が初めて遭遇した怪獣としてその存在が語られており、アニメ本編でも第一作『怪獣惑星』の冒頭に登場している。小説版『怪獣黙示録』第一章ではこの襲撃の様子が詳細に語られた。
1999年、アメリカ合衆国マンハッタン島南西の海上に突然出現したカマキラスはニューヨークを襲撃。地下鉄に侵入して市民を殺傷した。襲撃に巻き込まれた一般人・ゴードン・キャッスルらは逃亡の末に高熱蒸気パイプを利用してカマキラスを撃破したが、地上へ脱出した彼らが目撃したものはワールドトレードセンタービルを斬り倒す巨大な鎌だった。彼らが倒した全長20mほどのカマキラスは幼体に過ぎず、全長60mの成体がニューヨークの摩天楼を蹂躙していたのだ。
成体は出現後72時間で330kmを移動。各地に大被害を与えた後、ボストン近郊でバンカーバスターの集中攻撃を浴びて撃破された。推定死傷者数は250万人にのぼり、米国、延いては世界全体の経済に与えた打撃も計り知れない。
ここまで被害が拡大したのは、人類にとって初めての怪獣との邂逅であった事、無防備な人口密集地帯にいきなり出現したため住人への巻き添え被害を恐れて軍が攻撃しにくかった事も大きい。幼体も拳銃弾程度は効かなかったとはいえ、暖房用の高熱蒸気で蒸し焼きにされて殺害されるなど、怪獣の中ではそれほど巨大な存在として扱われてはいない。
ただ、劇中では人類の歴史の転換点となった重要な怪獣として認識されており、他ゴジラシリーズ作品では日陰者扱いされていたカマキラスにしては、かなりの好待遇を受けたと言える。
また、「アメリカを巨大カマキリの怪物が襲撃する」というプロットは、往年のB級モンスター映画『死の大カマキリ』に酷似しており、小説版の描写は同作のオマージュではないかという意見もある。
その他
ゲームボーイのゲーム『怪獣王ゴジラ』では3面『ゴジラVSヘドラ』ステージの中ボスとして登場。三匹出現するが、最初の一匹は攻撃手段を持たず接触することも不可能なため、ボス戦なのに絶対に負ける事が出来ない。二匹目、三匹目は風車のような弾を飛ばして攻撃してくるが、やはり弱い。
ちなみに
実は『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』は当初、ゴジラとカマキラスの対決として描かれる予定だった。しかし、監督である金子修介が飲み会でこのことを友人に話した際、その友人に「カマキラス?何それ」と言われて起用を断念してしまい、カマキラスの登場は幻となってしまった。
その後、この作品はアンギラス、バラン、バラゴンの3匹を登場させることになりかけたが、今度は東宝の上層部によってこの面子では地味すぎるとして再び企画変更を迫られることになった。
また、FWのカマキラスの腕が統一されたのは当初はカマキラスがアンギラスボールを転がす予定があったためらしい。