図鑑データ
「特設航空母艦、春日丸と申します。不束者ですが、務めを果したいと思います。」
これより概要、抜錨です!
2017年春季イベント『出撃!北東方面第五艦隊』における第三作戦海域クリア報酬として実装。
日本郵船所属の貨客船を改装して空母化した商船改造空母「春日丸」をモチーフとした艦娘。船籍上は日本郵船所属のまま海軍によって運用が行われていた特設航空母艦であり、あきつ丸(日本海運所属)に次いで2隻目の民間船籍の艦娘であると同時に『艦これ』初の特設軍艦である。また、同型船である「新田丸」「八幡丸」とは異なり貨客船として就役する前に空母化改装が行われており、その点においては飛鷹型の2隻と共通している。
Lv30で改装すると、正式な海軍籍の軽空母「大鷹」へと変化する。
現時点では建造・通常海域でのドロップ入手は不可能だが、2017年11月17日より開始された秋季イベント『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇)』の第3海域「捷一号作戦 作戦海域」の第1戦力ゲージボスマスの【G】、輸送ゲージボスマスの【J】、第2戦力ゲージボスマスの【S】でのドロップが確認された。
これらの海域は比較的ドロップ入手率は高く設定されていたようで、ゲージ削り中は勿論、輸送ゲージや第2戦力ゲージの削り中でもダブって入手したという提督も見受けられる。彼女を大鷹へと改造すれば貴重な「輸送護衛部隊」に組み込める空母になる為、複数の輸送ゲージが存在する上にお札によって出撃が制限されるイベントの場合複数確保しておけば戦力を割り振るのにも余裕が生まれる。
ただし、彼女の本領を発揮する改二にする為には「改装設計図」の他に「試製甲板用カタパルト」が必要なのだが、現状任務では最大で2個までしか獲得出来ず、難易度不問で配布された過去のイベントは2017年春季イベント『出撃!北東方面第五艦隊』と2017年夏季イベント『西方再打通!欧州救援作戦』の2回のみ。これらのイベント以外では2016年秋季イベント『発令!「艦隊作戦第三法」』のE4海域甲突破報酬と2015年夏季イベント『反撃!第二次SN作戦』のE6海域甲or乙突破報酬の2回のみ。
現状改二へ改造するのに要「試製甲板用カタパルト」な艦娘が翔鶴・瑞鶴・Saratogaと大鷹本人の計4名で、任務報酬のみの数では到底足りず、誰を改二にするか正に提督の判断が今後の艦隊運営の幅を大きく左右しかねない。運営には「試製甲板用カタパルト」の恒常的入手手段の実装をお願いしたい限りである。
はい、容姿、ここに。
ヘーゼルの瞳に、黒髪を青緑のリボンで後ろで束ねた髪型で素朴かつ芋っぽい体系をしている。服装は白の七分丈の和服に赤の袴姿。右型には肩盾のように飛行甲板を付けている。靴下と上衣の襟元から見えるインナーのラインは、日本郵船のファンネルマークの色(赤と白)が使われている。手には皮手袋を嵌めており、九六艦戦に紐を付けた姿と合わせて鷹匠を思わせるようないで立ちとなっている。
尚、袴の色や髪形に関しては、新田丸級貨客船就航告知ポスターに描かれていた同級を擬人化した女性の容姿に通じるところがある……もうやだこの国。
性能がお見えです。
火力:9、雷装:0、対潜:0、耐久:36、装甲:32、回避:39、索敵:48、運(初期値):5、搭載数合計23機(第1スロット:14、第2スロット:9)、速力:低速、射程:短
初期装備:九六式艦戦改(対空:+4、回避:+1、戦闘行動半径:4)
この時点で搭載可能な艦載機は「艦上戦闘機」と「艦上爆撃機」の2種類のみで「艦上攻撃機」や「艦上偵察機」更に「カ号観測機」・「三式指揮連絡機(対潜)」・「大型電探」・「艦隊司令部施設」・「爆雷」・「ソナー」等も装備出来ない為、空母としてもやれる事は限られてしまう。鳳翔の未改造時よりも総搭載数は多いものの、出来ることが限られる為戦力としては極めて低性能。演習や1-5での対潜哨戒の随伴で地道にレベリングを進めるのがいいだろう。
史実…史実は……怖いですね。海が……黒い。
史実における春日丸/大鷹は、戦歴には恵まれなかった。対米開戦がなければ、他の特設空母と共に「第六/七航空戦隊」を編成する予定だったが、これは実現せず、低速で艦上機の運用に制限があるために、航空機輸送などの地味な任務に就く場合が多かった。
昭和18年8月、ガダルカナル戦の惹起に伴い、トラック島に向かう大和の護衛についたが、この時も実戦の機会はなかった。大鷹に改装されてからも活躍の場は乏しく、9月にはアメリカ海軍の潜水艦からの攻撃で複数の魚雷を受け、長期修理を余儀なくされる。
しかし、昭和18年12月、大鷹は他の3隻の商船改造空母(姉妹艦の雲鷹・海鷹と、神鷹)と共に、新編された海上護衛総司令部に編入。輸送船団の護衛という新たな任務を与えられた。
編入時は修理中で、即戦力とならなかった大鷹は司令部から失望を買ったが、復帰してからは数次の護衛任務に就いた。その働きぶりは高評価で、船団の“目”として頼りにされたという。だが、大鷹の活躍はほんの短期間で終わってしまう。
昭和19年8月、大鷹は門司からシンガポールに向かうヒ71船団の護衛につく。ヒ71は20隻の輸送船(海軍の速吸、伊良湖を含む)を、大鷹はじめ8隻の艦艇(後にさらに追加で5隻)が護衛する、異例の大型船団だったが、アメリカ海軍の複数の潜水艦に付け狙われ、よりによって大鷹は護衛艦の中で真っ先に沈められてしまう。
大鷹を失ったヒ71船団は混乱の中で散り散りとなり、次々と潜水艦の餌食となった。大鷹のほか、海防艦3隻が沈没。輸送船も速吸をはじめ4隻沈没、3隻が損傷。往路だったため船倉は基本「空荷」だったが、便乗していた陸軍将兵をはじめ約8000人が戦死するという大惨敗だった。
そもそも、空母を護衛として輸送船団に貼り付ける運用には異論もあった。低速の商船と同行していては、小型でカタパルトを持たない大鷹などは艦上機の発艦すらままならない。下手をすると「的を増やすだけ」になりかねないのである。
姉妹艦・雲鷹の艦長も、対潜哨戒は陸上機を活用すべきとして、護衛空母の導入には反対との意見を上げていた。その懸念は現実となり、大鷹と相前後して、海上護衛総司令部所属の空母は全て戦没した。
アメリカ海軍は船団の直衛だけでなく、護衛空母を複数の駆逐艦と共に“ハンター・キラー・グループ”として積極的な潜水艦狩りに投入したが、こうした運用法を採る前に日本海軍は貴重な空母を失ってしまった。
『艦これ』での改造・強化を実現した“対潜無双”の姿は、史実では実現できなかった大鷹と海上護衛総司令部の“夢”なのかもしれない。