「その世界では皆が明日への希望に満ちていた。 しかし、永遠に続く煌きは存在しなかった…」
CV:森田順平
概要
物語の節目節目で野乃はなの前に現れて暗示めいた言葉を語っては去っていく謎の男性。
癖の強い黒髪と黒目(アップになると上半分が暗い紫、下半分が黄色)が特徴。
ミライクリスタルのような美しい模様が表紙に描かれた本を携え、いつも憂いに満ちた寂しげな表情を浮かべている。
現時点では彼自らは名乗っていないが、名前はEDのクレジットにて判明している。
本編での活動
初登場は第8話。野乃はながもぐもぐを散歩に連れ出し、はなを引っ張って走り出したもぐもぐの前に現れ頭を撫でる。
その際、彼が落とした本を拾って手渡したはなが、本の綺麗な装丁に興味を惹かれると、「皆が希望にあふれていた『楽園』と呼ばれる場所があったが、そのきらめきは永遠に続かなかった」との寓話めいた台詞を残して、はなの前から去って行った。
それが本の内容なのか、何かの暗示なのかはわからなかったが、はなは彼のミステリアスな雰囲気に「大人の人だ……」と感心していた。
第11話ではのびのびタワーで再びはなと邂逅。この時は「明日を失いつつある世界のため、剣は何も持たない少女を選んだ」との謎かけを行っており、はなが意味を問おうとした時にオシマイダー化したチャラリートが現れた。
その時の戦闘でキュアエールはプリキュアの剣を生み出すことになるが、その戦闘を見守っていた彼は「少女は剣に選ばれ、民衆と共に戦う」「民衆が望んだ形」と何かを知っているかのような口振りで語っていた。
第16話では雨天の下で傘もささずにつつじ畑に佇んでいた。はなが心配になって「風邪引きますよ」と声をかけると「雨は美しい花を咲かせ恵みとなる。だが時には凍えるような寒さを与える」とまたまた謎かけを行う。そして「不意に変わるあの空、どこか似ていると思わないかい? 心に…」と空を見上げ、つられてはなも空を見上げた直後、彼の姿はいつの間にか消えていた。
第20話では買い物に出ていたほまれ、ハリー、はぐたんに接触。初めてはな以外の人物の前に姿を現した。
どこか不気味な微笑みを浮かべはぐたんを「可愛い赤ちゃんですね。お兄さんとお姉さんと仲良くね」とハリーがはぐたんの実父ではないと何故か知っているような台詞を言いながら、頭を撫でて去っていった。
なおほまれとハリーは終始唖然としながらも、彼に何かしら不穏なものを感じたのか険しい表情になり、当のはぐたんは人懐っこい性格にしては珍しく不思議そうにしていた。
正体についての考察
「幸せは永遠に続かない」等の思想がクライアス社が掲げている理念と共通している上、髪型がシルエットで登場しているプレジデント・クライと似ているが、今のところその正体は明かされていない。
しかし第11話にて、上述の剣が「必要なのは剣じゃない」とのキュアエールの意思でメロディソードに姿を変え、チャラリートを浄化した際は穏やかに微笑んでいる姿が確認でき、実際のところ「悪の首魁」という印象は薄い。
それに、威圧的な態度で怒鳴ってばかりのプレジデント・クライと、超然的で柔らかな態度のジョージとでは、印象は真逆とも言えるが……?
他にも、パップルが夜毎に逢瀬を重ねている『彼氏』のシルエットがこれまたジョージに似ており(つまりクライ社長にも似ているということだが)、そちらも注目されている。
また、第16話では突如としてはなの前に現れたり姿を消したりする描写があるが、なぜそのような事が出来るのかは現時点では分かっていない。
彼が言う『皆が希望にあふれていた楽園と呼ばれていた場所』がプリキュア由来のものなのか、クライアス社由来のものなのか、からしてはっきりしない。
少なくとも彼が登場する時は物語が大きく動く場合が多い為、今後の彼の動向が注目される。
余談
声を演じる森田順平氏はプリキュアシリーズ初登場。ニチアサキッズタイムとしては、轟轟戦隊ボウケンジャーの創造王リュウオーンや、烈車戦隊トッキュウジャーのチェーンシャドーなど、数多くの怪人の声で登場している。
登場する時は儚げなオルゴール風のBGMが流れ、未来を暗示するような言葉を残して去ってゆく謎の人物……のはずなのだが、一方的にポエム的な台詞を並べ、会話も成立しないその行動は「ポエムおじさん」「大人の人というか厨二」「不審者」等々、散々な言われ様をされている。
第16話では制服を着てラヴェニール学園に潜入したパップルがルールーから「不審者として通報される確率82%」と言われるネタがあり、それになぞらえて「通報される確率100%」と一部視聴者から評された。まあ雨の中胡散臭い風体のずぶ濡れの男性がポエムを呟きだしたらなかなか不気味ではあるが。
そんな彼の正体も遂に第23話で明らかに…… →ジョージ・クライ