概要
蟹坊主はバケガニとも呼ばれる巨大な蟹の妖怪で、日本中に伝承が伝わっている。
坊主の名が付く通り古寺などに出没することが多く、夜にのっそりとあらわれては謎かけをし(『足が八本大足二本、横行自在にして、眼は天を差す。これ如何に』。正解は『カニ』)、解ければ帰って行くものの、失敗すればたちまちその鋏で相手を貪り食ってしまうとされている。
蟹坊主の登場する作品
ゲゲゲの鬼太郎
背中に巨大な顔の付いた蟹の妖怪として登場。3期のEDはみんなのトラウマ。
これとは別に鬼太郎が海で出会った巨大な蟹の妖怪が別のエピソードで登場する。こちらはもっと蟹っぽいデザイン。
4期の設定では、徐福がたまたま食べなかった上海蟹が2000年の年月を経て妖怪化したとされる。黒雲に身を隠したり、泡で河童を凶暴化させて操ったりなどしていた。
シリーズを通してみると、敵として登場したり、4期のように後に味方になったりする事がある。もっとも、4期は元から蓬莱島の徐福を慕っていたので、味方になる要素があったのかもしれないが (だが、初登場回では河童を悪事に利用したので成敗された)。その後は、とある少年の父親を蓬莱島から戻すために鬼太郎達に協力、徐福と再開し、ねずみ男に逆鱗を剥がされて怒り暴れた守護龍蛟を鎮めるために共闘したり、ぬらりひょんの世界征服を阻止する際に、悪の西洋妖怪四天王であるブイイに追い詰められた鬼太郎達を助けるために、化け鯨、雪女、つらら女、輪入道等と駆け付けた。
5期では終始ぬらりひょんの部下であった。
6期では、歴代で初めて元の伝説にある問答と人間への変身を見せていた。また、4期の徐福のようなケースを除くと、最初から人間と敵対以外の関係性を持っていたのも初めてである。口から吐く泡は、対象をブロンズ像のような状態に変化させる (水木しげるロードへのオマージュだと思われる)。
かつて戦国の世にとある小国に遣えていたが、遣えていた小国が敗戦した際、姫と護衛と共に逃亡し、敵国の追っ手を銅像に変えて殺していた。そして境港の寺院に姫を匿い、姫に近付く人間を敵か味方か判別するために、『両足八本、横行自在にして、眼は天を差す、これ如何に』という問答を合言葉にしていた(答えは彼の正体である『蟹坊主』であり、味方は蟹坊主の正体を知っているので答える事ができた。よって伝承の答えである『カニ』は不正解)。
『妖怪が人間同士の争いに首を突っ込むな』と諌めていた大山の烏天狗の長老に対し、『人間も妖怪も関係ない』と言い返し、姫への忠誠心は本物。
しかし、敵国に雇われた呪い師によって封印されてしまい、姫を殺されてしまった。現代で封印が解かれた蟹坊主はその事を知らず(もしくは知っていて認める事ができず)、姫を探して境港をさ迷い、出会った人間を前述の問答を問いかけて答えられない者を銅像に変えていった。一反木綿を始め、子泣き爺(『タコ』と誤答)やぬりかべ(『ムカデ』と誤答)、猫娘(『カニ』と答えたが前述の通り不正解)、そして鬼太郎までも銅像に変えてしまう(ついでに、鬼太郎達を襲撃する前にたまたま通りかかったねずみ男も)。しかし、砂かけ婆を姫と勘違いして動揺した事で彼女と目玉おやじを取り逃がしてしまったものの、すぐに追いかけて犬山まなの伯父の庄司を銅像に変える。
その後、烏天狗の小次郎を味方に付けて、庄司を実験台に大山の霊水で銅像にされた者を元に戻せると確認し、もっとたくさんの霊水を運ぼうとする彼らの前に再び現れる。砂かけ婆に自分が姫ではない事、遣えていた姫様はもうこの世にはいない事、そしてその事を実は気付いていたのではないかと告げられ動揺。更には砂かけ婆に自分の正体を答えられ、涙を流して『嘘だ、嘘だ!』と悲鳴をあげながら本来の姿に戻って暴れだす。苦戦する砂かけ婆と小次郎を見た烏天狗の長老が起こした竜巻で霊水が境港に雨のごとく降り注ぎ、ねずみ男を除いた銅像にされた者達が復活。鬼太郎の体内電気をくらい、妖気を放出しながら倒れた。
最後は砂かけ婆に涙ながらに『姫様が眠るこの街に眠らせてくれ』と願い、自分の泡に包まれて自ら銅像に成り果てた(目玉おやじは、わざと倒されるために暴れたのかもしれないと考えた)。それを聞き届けた庄司達境港の人々によって、蟹坊主が寂しくないように妖怪の銅像が作られた(言うまでもないが、水木しげるロードがモデル)。
- 蟹坊主は厳密には山梨県の妖怪である。烏天狗の他、島根県に伝承が伝わる妖怪で鬼太郎の味方であるのは化け鯨 (境港のある島根半島に伝承がある)、次第高、猫又 (次第高の部下)、牛鬼 (原作の一部) 等もいる (牛鬼の部下である濡女は、5期で妖怪四十七士になった磯女の亜種ともされる)。また、烏天狗と関連付けられる事もあるカルラ様は、鬼太郎が牛鬼に変化した際は助けてくれた。
- 彼を雇った小国の人々が蟹坊主をどう思っていたのか定かではないが、過去の回想から彼を妖怪と知りつつ大事な姫様の護衛を任せ、蟹坊主の指示に従っている所を見ると(兵士達の様子から『脅されて渋々』といった様子は見られない)、恐らくではあるが蟹坊主の事を信頼していたと思われる。
まんが日本昔ばなし
「両足八足大足二足」で登場。「蟹淵」や「蟹淵の化け蟹」にも化け蟹が登場する。
仮面ライダー響鬼
バケガニ(魔化魍)を参照。